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2013-02-24(Sun)

イングリッシュ・ペイシェント/砂漠に散った花と、愛の為に死んだ男

1996年 アメリカ
he English Patientマイケル・オンダーチェの小説『イギリス人の患者』の原作を映画化。第二次世界大戦時代の北アフリカで戦争に翻弄された登場人物達の物語と二つの恋愛を描写している。

1944年、撃墜された英国の飛行機から火傷を負った男が収容される。記憶喪失の重症患者のその男は「イギリス人の患者」として扱われ、カナダ人の看護婦ハナが献身的に看護にあたる。自分の名前も国籍もわからない彼の記憶にあるのは、ただ「結婚しているらしい」ということだけ。

彼を乗せた医療トラックで移動中 別の車両にいた友人を地雷で亡くし傷つくハナ。愛した男も戦争で亡くし、自分が愛した人はみんな死んでしまうと悲観する。彼女は余命幾ばくもないその「イギリス人の患者」を看取るため、移動をやめて廃墟となってる修道院の建物に滞在することを決める。その日、廃墟のベッドの中で患者は砂漠の中に妻がいる記憶が蘇る。

ある日、両手親指のない男がハナの友達に様子を観てきて欲しいと言われたとやってきた。男の名はカラヴァッジョ。彼はこの患者を知っていて目的は彼を殺すことだった。彼は患者の記憶を探る。「アルマシー伯爵、この名に覚えはないか?」患者の記憶は戻らないがこれが彼の名だった。

数日後、爆弾を撤去しにきたインド人のキップとその相棒ハーディがやってくる。カラヴァッジョ、キップと相棒を加えた奇妙な関係の生活が始まる。ハナはキップにほんのりと想いを寄せる。

   カラヴァッジョはアルマシーに問う。
   「ムースという名前に記憶はないか」と。
   彼は「記憶にない」と答える。それよりも
   雨を顔に受けたいと言う。

   アルマシーはカラヴァッジョに問う、
   なぜ手袋をしているのか。
   彼は答える、砂漠の地図が裏切りによりドイツに渡り
   その地図を利用してドイツ軍はカイロに攻め入り、
   イギリス情報部員「ムース」であった自分は捕らえられ
   拷問により指を失ったと。

   ある日の夜、ハナはキップに誘われて
   協会のカテドラルの壁画を見にいきます。
   二人の関係は深まり・・

   やがてドイツは降伏し戦争が終わる。
   その日滅多に降らない雨が降る。


雨に打たれたいと言っていたアルマシーをみんなで外へ連れ出します。庭の池をたった一周。
彼の担架を持つカラヴァッジョの姿とアルマシーが唯一笑顔になり右手をあげて喜ぶシーンが感傷的です。

アルマシーは仲間のマドリックスと砂漠の地図を作っていた記憶が蘇っていた。ドイツに地図を渡したのは自分だった。
カラヴァッジョから、マドリックスが彼に裏切られたと思い拳銃自殺していた事を告げられアルマシーはショックを受ける。

全てを思い出したアルマシーは自身の身に起こったことをカラヴァッジョに語り始める。それは、戦争のせいで、悲しみの結末になってしまった彼の不倫の愛の物語、彼の記憶の中の「自分の妻」は親友ジェフリーの妻キャサリンだった。二人の関係に気づいたジェフリーは誰にも言わず問い詰めることもなく苦悩した上、自分と妻、アルマシーを巻き込んだ心中行為をする。ジェフリーは亡くなり、キャサリンは重症。場所は砂漠。アルマシーは彼女を以前発見した「泳ぐ人の洞窟」へ。

lliikkii.jpg

  
  僕には砂漠に戻る約束がある。
  他の事はどうでもよかった。
  全てを思い出し語ったアルマシーに
  カラヴァッジョは言う。


  

  「朝になると恨みは薄れている。夜の間にね。」
 



キップは次の任務先へ移動する。ハナとの別れの日、二人は次に再会する約束もなくただ「あの絵をみにいく、いつか会える」と。
そしてアルマシーはハナに最後の望みを伝える。彼女は泣き崩れながらその望みを受け入れ・・


砂漠に現れる光の陰影、異世界のような背景を舞台にした悲しい恋の物語です。愛する人の為に国を売り、記憶をなくしても深層心理に
自分の妻と錯覚するぐらい、必死で人妻を愛する主人公が愚かでありながらも、それが美しく感じられる作品でした。

イングリッシュ・ペイシェント [DVD]

[監督]
アンソニー・ミンゲラ (2008年3月18日・満54歳没)

[出演]
アルマシーレイフ・ファインズ
キャサリンクリスティン・スコット・トーマス
ハナジュリエット・ビノシュ
カラヴァッジョ ウィレム・デフォー
ジェフリーコリン・ファース
キップナヴィーン・アンドリュース
ミューラーユルゲン・プロホノフ
ハーディケヴィン・ウェイトリー
マドックスジュリアン・ワドハム

★受賞★
[第69回アカデミー賞] 作品賞/監督賞/助演女優賞(ジュリエット・ビノシュ)/編集賞/撮影賞/音楽賞/衣装デザイン賞/音響賞
[第54回ゴールデン・グローブ賞] ドラマ部門作品賞/音楽賞
[第50回英国アカデミー賞] 作品賞/脚色賞/助演女優賞(ジュリエット・ビノシュ)/作曲賞/撮影賞/編集賞
[第1回ゴールデン・サテライト賞] 脚色賞/撮影賞/音楽賞
[第47回ベルリン国際映画祭] 銀熊賞(女優賞)




★外部関連記事★

英隆行-写真/エジプト、ギルフ・ケビールの岩面画/Cave of Swimmers  泳ぐ人の洞窟
ギルフ・ケビールの「泳ぐ人の洞窟」を訪ねたいと思ったのは映画のイングリッシュ・ペイシェントを見てからで、17年後に漸く実現することができた。映画では、夕日に染まった赤い砂丘群の上を飛ぶシーンと洞窟に入ってトーチで照らすと無数の人物画が浮かび上がるシーンが印象的であった。赤い砂丘を見たくて映画を撮影したチュニジアのクサール・ギレンまで行ったが、映画のようには赤くなくて失望した。しかし、ギルフ・ケビール台地を前にしたグレート・サンド・シー最南端のワディ・アシブでついに本物の赤い砂丘を見ることができた。この洞窟は1933年にハンガリーのアルマシー伯爵が発見し、「泳ぐ人の洞窟」と名付けた。

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