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2015-02-12(Thu)

歴代最年少ノーベル平和賞受賞者「マララ・ユスフザイ」/Gul Makai

marara.jpg2015年2月現在17歳の パキスタン出身の少女です。彼女を知ったのは2年ほど前。このブログでアンジェのプロフィールの記事を作成していたのが切欠です。2014年のノーベル平和賞を受賞し、より多くの人々に知られることとなりました。彼女の受賞は予想してましたが、あまりにも早い展開に驚きました。何を意としているのだろうと最初は勘ぐってしまったのですが、受賞の先付けは彼女の声がより多くの人に発せられるのだと考えると、うなづけます。中東地域の不穏な動きの中、イスラム社会の女性達は窮地に追い込まれています。少しでも早い変化が必要です。だから「今」だったのかもしれません。

[マララ・ユスフザイ]
1997年7月12日生まれでパキスタン出身。(2015年現在17歳)父は地元で女子学校の経営をしており、その影響を受けて成長した。マララという名は「パシュトゥーン人の英雄」であるマイワンドのマラライに、ちなんでつけられた という。当初は医者を目指して勉強していたが、2007年に武装勢力「パキスタン・タリバン運動」(TTP)が、一家が住むスワート渓谷の行政を掌握し恐怖政治をはじめた。イスラム原理主義のTTPは原始的な男尊女卑思想により、女性が教育を受けることを「罪」としその権利を剥奪。また教育を受けようとしたり推進しようとする者の命を狙うようになる。さらに女性は医者、看護婦など一部の医療関係者を除いては、外で働くことも許されなくなった。職を解かれた女性達のなかには戦争で夫をなくした未亡人も多い。外に働きにもいけず男性の身寄りがなければ生きて行く事が困難な状態。飢えて物乞いをする女性達が国中に溢れていた。 国内のそんな人々の惨状をインターネットで発信したことがマララさんの活動の始まりだった。

11歳になった2009年。マララさんはTTPの支配により怯えて生きる人々の様子と、女子校の破壊活動を批判した記事をBBCの依頼によりペンネームでブログに投稿した。同じ頃パキスタンでは軍の大規模な作戦によりTTPをスワート渓谷に追放したが、その後パキスタン政府は彼女の本名を公表し「勇気ある少女」として表彰した。マララさんの活動はイギリスメディアからも注目され、国内でも政府主催の講演会に出席するなど女性の権利について提唱を続けた。しかし、これら一連の事に対しパキスタン・タリバン(TTP)は激怒し組織ぐるみで彼女の命を狙うようになる。

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2012年10月13日、マララさんが中学校から帰宅の途中、スクールバスに乗っていたところを複数の男が彼女を銃撃。彼女は2発の銃弾を受け、一緒にいた2人の女子生徒(シャジア・ラムザンさん(16)とカイナト・リアズさん(17))と共に負傷した。軍の病院に運び込まれたマララさんは、頭部を弾が貫通し肩の背中側の首のそばにとどまっている状態で重体と発表された。集中治療室に入り、幸いにも峠を越え一命をとり止めることができた。友人二人も彼女と共に軍の病院で治療を受けた。その後イギリスで治療を行い、約2カ月半後に退院。イギリス国内で家族とともにリハビリをしながら通院を続け、後遺症も残ることなく回復した。この銃撃事件についてTTPが犯行を認める声明を発表。「パシュトゥーン族が住む地域で欧米の文化を推進していた」と彼女を批判。そしてマララさんに対し、さらなる犯行を予告する。この非道さには当然、国内はもとより世界各国から非難の声が上がった。しかしパキスタン・タリバン(TTP)は「女が教育を受ける事は許し難い罪」であり、死に値する」と正当性を主張している。

2013年11月、マララはホワイトハウスでオバマ大統領一家と会談した。このときアメリカのパキスタンに対する軍事干渉に対し、大統領に無人機を使ったアメリカの「テロ掃討作戦(9.11の事件以降からのアメリカによるイスラム過激派を撲滅するための空爆)」をやめるよう求めた。何の罪もない民間人の犠牲者のほうが多いからだ。

2013年1月にシモーヌ・ド・ボーボワール賞を受賞。同年7月、国際連合本部で演説し銃弾では自身の行動は止められないとして教育の重要性を訴えた。国連は、マララの誕生日である7月12日をマララ・デーと名付けた。同年10月サハロフ賞を受賞。そして2014年にはノーベル平和賞受賞する。17歳で史上最年少の受賞者となった。「これは始まりに過ぎません。」とマララはコメントしている。世界的には彼女は賞賛されていますが、原始的な思想が残る彼女の国、パキスタンでは、一般人ですら女性の教育や社会進出については消極的、あるいは否定的な者も多いという。アメリカの空爆により、多くの民間人が死んでいるという事実に不満を抱くパキスタンの国民。そしてその国民の不満に、追い討ちをかけるように、ノーベル賞受賞の数日後、TTPはパキスタン軍の子供が多く通う学校を襲撃し140人以上の子供が殺された。この頃、パキスタン軍がTTPに対し激しい集中攻撃を行っていたという。これは、軍の攻撃に対しての報復だった。また、過激派の影響力が弱まることへの懸念があったのではないかとの見方もされている。マララさんのノーベル賞受賞はTTPにとっても脅威だったのかもしれない。

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襲撃にあった2人の友人たちは現在、英国で学校に通っている。シャジアさんは「平和賞受賞を聞いたとき、本当にうれしくてマララに電話した。パキスタンにとっても栄誉だ」と笑顔で話した。カイナトさんはマララさんの勇気に触発され、恐怖を感じることが少なくなったという。「教育は私たちの権利」と訴え、「医師になりたい。勉強を終えたら、パキスタンに戻るつもりです」と語った。(写真3枚目)は父親のジアウディンさん

イスラム過激派のほとんどは、理解しがたい狂気の世界。9.11の事件で、「パシュトゥーンワーリの掟」を厳守し「アルカイダ」を引き渡さなかったタリバン。「パキスタン・タリバン」と当初は似ていたといわれる、ナイジェリアのイスラム過激派「ボコ・ハラム」。そして、女性の奴隷制度復活を宣言した、ISIS「ダーイシュ」。繰り返される彼らの残虐行為。感情が逸脱した人間、「狂う」とはこういう事なんだ。思想とは恐ろしい。しかし、これを根絶させる為の手段が、民間人を巻き込む空爆なのだろうか。アメリカや、パキスタン軍のやっていることに一体何の意味があるのだろう。武力で鎮圧させても、人々の考え方が変化しなければ、名前を変えて同じ暴力支配の社会が再び復活する。 雑草のようにいつまでもいつまでも・・・。

女性の権限を求めるマララさんの戦いは、単に女性が教育受ける権利を得て、生活していくだけのものだけではありません。歪んだ思想を改革する、糸口になるのはないでしょうか。その可能性の延長腺上に彼女はいると思うのです。女性に対する捉え方を変えるのは、あくまでも第一歩。まずはパキスタン国内の賛同者が増えていってくれることを祈りたい。女性が社会進出できない片輪社会に発展の見込みなどないのだから。

実のところ、いつか、マララさんの映画が製作されるだろうと思い彼女のテーマで記事を書きはじめたのですが、途中で既に彼女の映画の製作が決定していたことを知りました。(これまた早い)題名は「Gul Makai」。製作はインドで今年4月公開を目指しているというから、もうすぐです。スーチ氏の映画でも思ったのですが、映画が齎す影響は強いと思います。製作国が意外でしたが、良い作品を作ってくれることを期待しています。そして変わっていくと信じたい。中東で起きている様々な事件、騒乱、その見解などは、とても難しくて語れませんが、平和を願う気持ちは、世界中の多くの人々と同じです。彼女を応援し、これからも見守っていきたいと思います。

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[ノーベル賞のスピーチの最後の一文]
「私はかつて、ノーベル平和賞には値しないと言ってきました。今もそう考えています。しかし、これは私がこれまでしてきたことに対する賞というだけでなく、活動を進め、継続する勇気と希望を与えてくれるための激励なのだと考えています。自分自身を信じるため、そして、私は1人ではなく、何百人、何千人、何百万人の人たちに支えられているのだと知るためのものなのです。改めて、みなさんに感謝いたします。」

わたしはマララ: 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女(書籍)


◆内部関連記事◆

・「パシュトゥーンワーリの掟」により生還した戦士→ローンサバイバー/ネイビーシールズの精鋭が眠るアフガン
・「ノーベル平和賞」受賞のスーチ氏の物語→The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛/「建国の父」の心を継いだ娘


★外部関連記事★

マスコミに載らない海外記事/オバマからのパキスタンへの贈り物:内戦(2009年6月17日)
同様に、タリバンをどう中傷したとて、タリバンをパシュトゥーン族から、切り離すことは不可能だ。パシュトゥーン族にとって、タリバンの振る舞いはパシュトゥーン族の掟のナングとバダルに深く根ざしているのだ。パシュトゥーン族の掟を甘く見てアメリカ人は、この災いの前兆を無視し続けている。歴史の教訓の方を変える方に賭けて、オバマ ホワイト・ハウスはパキスタンに、交渉という扉を閉じて、いわゆるタリバン殺戮を始めるよう強制した。パキスタン指導部は、侵略軍がタリバン、悪党、あるいは、テロリストというレッテルを貼ろうとも、パシュトゥーン族が自分たちの息子や兄弟を見捨てるはずがないことを知っている。イスラム教が出現するずっと前からあったパシュトゥーン族の掟が、彼等の生き方なのだ。アメリカ合州国から何十億ドルかを得るためパキスタン指導部は、タリバンのパロディー像に屈し、二番目に大きな民族集団パシュトゥーン族との内戦に国を突入させたのだ。従属的同盟国パキスタンの悲しい命運、ひとごとと思われない。明日は我が身。アメリカでは、従属的同盟国向け戦闘機F-22輸出版を検討するべく予算もついた。オバマからの日本への贈り物第一弾、ソマリア海賊法案通過時期と北朝鮮のきな臭い動きが、うまく並行しているように思えるのは、気のせいだろうか。日本から最後の金を搾り取る、郵政民営化も着々進んでいる。アフガニスタン空爆による民間人殺戮、難民の苦難はたとえばこのビデオを。12:09 一部字幕あり。こういう映像はテレビで流れず、自民党、公明党、民主党、こぞってアフガニスタン戦争拡大を進めるアメリカに迎合している。それが「政権交代」なるもので、変わろうはずはない。何のための政権交代だろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今、漢字変換をしたら「政権後退」になった!漢字変換ソフト、意外に知的だ



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マララとナビラ: 天地の差

マララ・ユスフザイと違い、ナビラ・レマンは、ワシントンDCで大歓迎されなかった。 2013年11月1日 11:15ムルタザ・フセイン 印象的な薄茶色の目をした9歳のほっそりした少女ナビラは、証言として、素朴な質問をした。私のおばあさんが一体どんな悪いことをしたのですか?とムルタザ・フセインと書いている[ロイター] 20

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