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2015-01-29(Thu)

ローンサバイバー/ネイビーシールズの精鋭が眠るアフガン

2013年 アメリカ
ローンサバイバータリバン政権崩壊後のアフガニスタン。しかし、その後もタリバン派の武力勢力は衰えることがなく、今も紛争は続いている。この作品は、2005年にアメリカ海軍特殊部隊「ネイビーシールズ」による「レッド・ウィング作戦」を、ほぼ忠実に再現した映画です。作戦は山岳地帯に降り立ったシールズ隊員4人のうち3人と、救出に向かった同隊員8名、そして第160特殊作戦航空連隊の隊員8名の計19名が戦死、ネイビー・シールズ史上最悪の悲劇といわれている。原作は、唯一生還したマーカス・ラトレルの手記、『アフガン、たった一人の生還』より。言葉で表現しきれない重圧感のある作品です。

[あらすじ]
米軍特殊部隊ネイビーシールズは、知力・体力・精神力・団結力を備えた屈指の精鋭部隊。2005年6月、彼らにアフガニスタンにてタリバンの幹部の拉致又は暗殺の任務「レッド・ウィング作戦」が課せられる。選ばれた4名がヘリコプターで少し離れた山岳部に降り立ち、タリバンの拠点の近くにまで徒歩で移動しターゲットを殺害または拉致する。連絡は3時間毎に無線機で行うが通信状況が悪いため、連絡が2回途絶えた場合、又は6時間が経過した場合は救援を送るというルールで計画は実行される。4人は現地に降り立ち、3-4時間を徒歩で移動し、林の中からタリバンの拠点を偵察していた。しかし見通しの悪い山の中、彼らは山羊飼いの老人と子供と若者の3人に遭遇してしまう。山羊飼いたちを捕らえた4人は上官の指示を仰ごうとするが、通信状況が悪く無線機も衛星電話も通じない。自ら判断せざるを得なくなった彼らの脳裏に3つの選択肢が浮かぶ。

彼らを「解放し逃がす」のか、「縛り上げてその場を去る」か、それとも「殺す」のか・・・。

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彼らを解放すれば、たちまち命を狙われるだろう。縛り上げ放置した場合、彼らは狼に襲われ死んでしまうかもしれない。殺してしまえば、引き続き任務を遂行することができ、身の危険も回避できるだろう。無論、メンバーの間で、争議があったのはいうまでもない。結果、彼らが選択したのは、彼らを逃がすこと。作戦は断念し、撤収することを決めた。すぐに200人のタリバンが追ってくる。・・時間はなかった。3人を逃がし山頂に移動し通信を確保。救護を要請してこの地から去るはずだった。しかし、移動した先で通信を確保することができなかった。彼らは孤立してしまう。 メンバーの一人が言う。「善なる行いは報われるんだろ」 けれど運は彼らに味方しなかった。やがて200人の敵を相手に4人の死闘は始まる。

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激しい銃撃戦、戦闘の臨場感は見事だが、それが彼らを痛々しく映し出す。指を失い、頭に、身体に、足に、銃弾を受け、それでも戦闘の意思は揺がない。命と引き換えに衛星電話で本部と通信。救助要請に成功したが、また一人死ぬ。救助の為、現場に到着したシールズの部隊と第160特殊作戦航空連隊は、陸からの敵のミサイルにより、機に乗っていた16人の命が一瞬にして奪われる。地上では、マーカスは最後の仲間も失い、ただ一人残る。鉄辺が足に深く食い込んで歩けなくなった瀕死の彼は、ここで思いもかけない展開に遭遇する。

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彼はアフガンの村人に助けられたのだった。マーカスは村に連れて行かれたが、アメリカ兵を匿うことは、彼らもタリバンに狙われ殺される危険に晒されるということだ。ましてや言葉も通じない。マーカスを連れてきた事に抗議する村人もいた。やがてタリバンの手下が来てマーカスは首を跳ねられそうになるが、村人達は屈することなく立ち向かい、彼らを追い払う。兵士がいることを知られている村は危険に晒されていた。一人の村人がマーカスの手紙を持ち本部に向かう。やがてタリバンが村を襲撃してきた。その時、救助の戦闘機が空からタリバンを攻撃。こうしてマーカスは一命を取り留め、帰還することができた。彼を助けたのは、アフガニスタンのパシュトゥーン人で、彼らの掟「パシュトゥーンワーリ」は、「助けを乞う者がいれば、命をかけて保護しなければならない」と定めているという。村人達はこの、2000年の昔からの掟を誠実に守ったのです。そして、マーカスは言います。「自分の一部は兄弟達と共にあの山で死んだ、間違いなく。けれど、兄弟達によって自分の一部は生きたのだ」と。

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[あとがき]
シンセサイザーによるバックミュージックが印象強い。内容は作品の出来を批評するような軽いものではありませんが、この事実を如何にして観ている人に伝えるかと、そんな思い入れが表れているかのようです。家族を持ち、愛することを知っている男たちの決断。3人を助けたために、メンバーの3人が死んで、彼らを救助するために16人が死んだ。正義の代償は「死」の連鎖となる。けれど、人としての尊厳をまざまざと見せ付けられる作品です。民間人を解放したとき運が悪ければ、200人を相手に戦うことになるかもしれないという事は、少なからずとも彼らの脳裏にあったはず。けれど、人道を守り、戦うと決断した彼らの強さと団結力に胸を打たれます。使命感をもち、救出に向かい栄誉ある死を遂げた若い兵士たちも。そして今も、タリバンの弾圧に恐れることなく、命をかけて戦っているアフガンの人々。同じ時代に生まれた自分はと、この国でこの環境下で、生かされていることの意味を考えずにはいられません。 アフガンに眠る精鋭と、そして今も世界中にいる誇り高き戦士達に賞賛の意を捧げたい。

ローン・サバイバー [DVD]


[監督]
ピーター・バーグ
[出演]
マーカス・ラトレル一等兵曹 マーク・ウォールバーグ
マイケル・マーフィ大尉 テイラー・キッチュ
ダニー・ディーツ二等兵曹 エミール・ハーシュ
マシュー・アクセルソン二等兵曹 ベン・フォスター
エリック・クリステンセン少佐 エリック・バナ
グーラーブ アリ・スリマン
シェーン・パットン二等兵曹 アレクサンダー・ルドウィグ
ハスラート海兵隊軍曹 ジェリー・フェレーラ
アフマド・シャー ユセフ・アザミ
タラク サミー・シーク
グーラーブの息子 ローハン・チャンド
マーク・ウォールバーグ /テイラー・キッチュ/エミール・ハーシュ/ベン・フォスター /エリック・バナ/アレクサンダー・ルドウィグ



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映画『ローン・サバイバー』で描かれるレッド・ウィング作戦 奇跡の生還者が来日!
村人たちとはまだ交流をしていて、その1人はモハメッド・グーラーブさんという人です。電気がない村なので、電話をする時は携帯電話やどこかに移動してメールをしています。アメリカで本作が公開された時、グーラーブさんを招いて数ヶ月間一緒に過ごしました。彼はアフガニスタンに帰りたいと言いましたが、彼が僕を助けたことによって命をずっと狙われ続けているんです。だから僕は危険なアフガニスタンに戻ってほしくないし、『(アメリカに)残ってほしい』と嘆願したんですが、彼は誇りあるアフガニスタン人として自分の国に戻っていきました。僕はあの決断をしたことで、後悔にさいなまれたり、不眠になったりはしていません。例えば、将来同じ状況に立たされた時、同じ決断をするかと言われたら毎回、少しずつ状況が変わるのでわかりません。黒白はっきり分けられない、グレーゾーンで戦うのが戦争なんだと思います。


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