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2013-04-30(Tue)

アルゴ/命を賭けた最終決断

2012年 アメリカ
2320364950_516c031b10_20130430014222.jpg近代の実話「アメリカ大使館人質事件」を題材にした作品。俳優のベンアフレックが監督、主演。彼は長髪で口髭あご髭を生やし多くの他の出演作品とは異なった風貌で登場する。アカデミー賞を受賞したこと以外、内容を知らず観たので一瞬「この役者誰だろう」と思った。よくありがちな主役の独り舞台となっておらず、彼を含めた6人が一塊の主役のようになっている。

[あらすじ]
1979年11月4日イラン革命が勃発しているテヘラン。過激派の学生たちがアメリカ大使館を占拠し、アメリカに入国した前国王パーレビの身柄引き渡しを求める。大使館員を60人以上を人質に取るが、その中で6人のアメリカ大使館員は裏口から脱出しカナダ大使邸宅に身を隠した。見つかれば自分たちも、拘束された人質の命も、匿ってくれたカナダ大使の命さえ危い。6人は大使館を出る直前に館員の顔写真入りの名簿をシュレッダーにかけたが、現地の子供たちによりパズルのようにつなぎあわせられ、いずれ6人の身元と顔と脱出した事がバレてしまう。捕まれば公開処刑となるだろう。時間の猶予はなかった。CIAは彼らの救出作戦を練っており、事件から69日後、救出実績のあるトニー・メンデスに白羽の矢がたった。様々な作戦の案がでたが、メンデスは偽装の映画製作を既成事実化し、ロケハンで来たカナダ人映画製作クルーであると見せかけ6人を国外に出国させるという作戦を打ち出す。それはとても危険で成功の可能性の低いものであったが他に手段がなかった。
作戦は実行させることが決まった。


  その頃、占領された大使館では名簿の復元途中で
  名簿と人質の数が合わないことがバレていた。
  イランの子供たちはパズルを続ける。 

  カナダ政府の協力により、6人のカナダ人としての
  パスポートと用具一式がテヘランのカナダ大使館に
  届けられた。そして、メンデスは映画製作者の協力のもと
  架空のSF映画『アルゴ』を引っさげてイランに向かう。

  到着したメンデスから作戦の内容を聞いた大使館員
  たちは皆「できる筈がない」と反発する。空港では
  100人もの民兵が鵜の目鷹の目のごとくアメリカ人を
  探している上、6人は映画業界の事など全く知らない
  素人なのである。


それでもメンデスは彼らを説得し承諾させます。6人は自分たちの役を全て暗記し、覚悟を決める。こうして準備は整った。しかし、そんな矢先、突如、政府は作戦の中止命令を下したのです。「もしも映画ごっこで空港で捕まって殺される事になれば世界の笑いものだ」・・・と。そして、メンデスに帰国命令がでる。政府の命令には当然に従う義務がある。彼は6人のパスポートを手に一晩中考えるのです。そして出した結論。「一人で帰国なんか出来ない」 翌日CIAに「責任は自分が負う、作戦は実行する」とだけ伝え、6人と共に空港へ向かった。しかし、この時メンデスと6人は知らなかったのです。一旦中止を決定したため、既に航空券の予約はキャンセルされていた。再び航空券を手配しなければならないが、カーター大統領の承認が必要となる。CIAも再び動き出すが、時間との勝負。空港についたメンデスと6人には、いくつもの難関と危険が待っていた。

45587_20130430162908.jpg

[あとがき]
政府の中止命令に背き自身の判断で作戦を続行させたメンデス。勇気ある決断です。歴史を刻んだ戦争や革命を背景にした真実の物語を映画化したもので、これだけ際疾くスリリングな作品はそうないでしょう。映画としても「面白さ」と「感動」が実感できる作品です。

アルゴブルーレイ&DVD (2枚組)(初回限定版) [Blu-ray]
[監督]
ベン・アフレック
[出演]
トニー・メンデス        ベン・アフレック
ジャック・オドネル       ブライアン・クランストン
レスター・シーゲル      アラン・アーキン
ジョン・チャンバーズ      ジョン・グッドマン
ケネス・D・テイラー       ヴィクター・ガーバー
ボブ・アンダース        テイト・ドノヴァン
コーラ・ライジェク       クレア・デュヴァル
マーク・ライジェク       クリストファー・デナム
ジョー・スタッフォード     スクート・マクネイリー
キャシー・スタッフォード    ケリー・ビシェ
ヘンリー・L・シャッツ      ロリー・コクレーン
ハミルトン・ジョーダン     カイル・チャンドラー
マリノフ             クリス・メッシーナ
ロバート・ペンダー       ジェリコ・イヴァネク
ジョン・ベイツ          タイタス・ウェリヴァー
サイラス・ヴァンス国務長官  ボブ・ガントン
マックス・クレイン        リチャード・カインド
ピーター・ニコルス        リチャード・ディレイン
ジャック・カービー        マイケル・パークス
ロッド               トム・レンク
トム・アハーン          クリストファー・スタンリー
パット・テイラー         ペイジ・レオン
クリスティーン・メンデス    テイラー・シリング

★受賞★
第85回アカデミー賞:作品賞/脚色賞/編集賞
ゴールデングローブ賞:監督賞
英国アカデミー賞:監督賞


[この作品の政治的背景]
歴史を遡る、第二次世界大戦においてイランはソ連とイギリスに占領されていた。戦後もイギリスの影響下の政権が続き、イギリスの石油会社はイランの石油を独占していた。イランの首相モハンマド・モサッデグはイランの石油の国有化に成功したが、石油メジャーにより国際市場から締め出されてしまう。そのためイラン政府は財政難に瀕しモサッデグの支持が失われる。1953年にアメリカ政府とイギリス政府が皇帝派クーデターを画策し、モサッデグは失脚。これにより、先代国王の子であったモハンマド・レザー・パフラヴィー(パーレビ)はアメリカ、イギリスの協力のもと権力を回復し国王となる。パーレビは近代化政策によりそれを支持した欧米諸国(特にアメリカ)と深い関係を続けた。しかしこうした近代化政策は国内のシーア派保守派から強い反発を招き、さらに国費の浪費も非難され、政治への不満も高まりを見せる。国民の間での経済格差が拡大し、国内ではデモやストライキが頻発。バーレビは専用機でエジプトに亡命、各地を転々としたあと癌治療のためという名目で皇后らとアメリカへ入国。イラン学生は入国を許可したアメリカに反発。彼らはアメリカ大使館を占拠し人質をとりパーレビを裁判に掛ける為、その引渡しを求めた。アメリカ政府はイラン政府を懐柔させるため、パーレビを12月5日にアメリカから出国させパナマへ送る。しかしイラン政府はアメリカに対して強硬な態度を取り続けた。カーター大統領は、1980年4月24日から4月25日にかけて人質救出の為、軍事力による人質の奪還を試みたが失敗。これによって事態はさらに長期化するすると思われたが、1980年7月27日にバーレビは亡命先のカイロで、エジプト大統領の保護のもと死去。学生らは大使館の占拠の理由がなくなる。アメリカ政府とイラン政府は水面下で交渉を続けるなか、アメリカの大統領はレーガンにかわり、イランは仲介国と人質返還でアメリカと合意する。そして人質は1981年1月20日に444日ぶりに解放された。

※映画アルゴには実際のモハンマド・レザー・パフラヴィー(パーレビ)のインタビュー映像が使われています。



★外部関連記事★

小覇王の徒然はてな別館 実録!映画スパイ大作戦! アルゴ -
おはよう、メンデスくん。まずはこの6人の写真を見て欲しい。彼らは先のイランにおけるアメリカ大使館占領事件で密かに脱出しカナダ大使の私邸に匿われている。大使館職員のリストはシュレッダーに掛けて入るが、彼らが復元するのも時間の問題だ。もしも職員の人数が足りないことがイラン革命防衛隊に発覚すれば大使館の人質はもちろん、カナダ大使私邸の6人も公開処刑されてしまうだろう。そこで今回の君の任務だが、彼らのイラン国外への脱出を手引きして欲しい。作戦は偽のSF映画を企画しそのロケハンと称して偽造したパスポートでロケハンクルーに偽装した彼らを堂々と飛行機でスイスへ送り出すのだ。この計画を作られない映画のタイトルに法って「アルゴ作戦」と名付ける。チームリーダーはアンソニー・メンデス、君だ。なお例によって、君、もしくは君のメンバーが捕えられ、或いは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。成功を祈る。なおこの作戦は成功しても18年間機密扱いされ手柄や名誉はカナダ大使のものとなる。Argo, Fuck yourself!

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2013-04-26(Fri)

最強のふたり/演出と音楽で癒される映画

2011年 フランス
Intouchables_20130426013149.jpg貧困層の黒人と、体の不自由な富豪との交流を描いた、実話に基いて製作された、住む世界が全く違う二人のヒューマンドラマ。ドラマチックな出来事があるわけでもないけれど結構好みと思っていたら、世界各国で 大ヒットしており、フランスでも国民3人に1人が観たという動員記録を達成していた作品でした。背景に流れるピアノ音楽と、フィリップ役のフランソワ・クリュゼの表情もいいです。特に最後のシーンが。


主人公フィリップはパリの貴族家系の生まれ、裕福で完璧な人生を送っていたが、不運な事故で動けなくなり、さらに数年後、妻を病気で亡くし生きる希望を失っていた。そんなある日、彼の邸宅で住み込みの介護人を募集し面接を行っていたところ、失業保険を受給するのに必要な「不採用のサイン」だけを貰いに来ていたもう一人の主人公、黒人青年ドリスと巡り会う。フィリップは彼を介護人として採用、それはお互いの人生を変える運命の出会いとなった。

大富豪とスラム街育ちという対照的な人生を送ってきた彼らは、互いにかけがえのない存在となっていく。フィリップにとってドリスは自分のことを病人や雇用主としてではなく、一人の人間として対等に向かい合ってくれる、唯一の人物であった。 ドリスは介護の経験や資格などなく、仕事も粗野で雑。 フィリップの麻痺した足に面白がってお湯をかけてみたり、彼をベッドから 車椅子に移すも固定せず、全身動かない彼は前に倒れそうになったり、 雪の日にフィリップを連れ出しドリスが一方的に彼に向かって雪玉を投げるだけの雪合戦をしたり、身体障害者であるからといって特別扱いもしなければ、容赦もしない。


  
  障害者ネタのギャグに、
  皮肉交じりのジョーク。
  あらら、マリファナ吸わせたり
  無免許で車の助手席にフィリップを乗せ
  180キロも飛ばし警察に違反だと止めら
  れると、二人は連携プレーで警察を
  まんまと騙したり。

  でもね、
  おかしく面白いだけではないんですね。
  どんなことも楽しくしちゃうドリスの魔法。
  フィリップの苦痛さえも。

  インテリ人生のあと身体障害者になった
  フィリップにとってドリスと過ごす時間は
  とても大切なものとなっていきます。



ある日、ドリスの弟が来て彼の家が問題を抱えている事を知ったフィリップは、彼に家に戻るように促しドリスは退職し屋敷を去ります。
しかし離れてみるとフィリップは沈み込み・・。やがて使用人がドリスのところに来て助けを求めるのです。

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髭で遊ばれるフィリップ。「これは笑えんぞ!」と、ヒットラーにはサスガに不機嫌になるかと思いきや?

再び戻ったドリスはフィリップに粋なプレゼントをします。

[あとがき]
育ちや、生活ぶりや、環境も、まったく接点のない関係からうまれた二人の友情。ドリスは、雇われ人という立場にも関わらず、他の人たちと異なり、大富豪の主人という枠を取っ払って、まるで家族と同じような態度で接します。身体は不自由だけど、それ以外はほとんどのものが手に入るフィリップ。彼が何故、どれほど孤独だったのか、きっと本当に同じ境遇の人でないとわからないのでしょう。そんなときに現れたドリスは、フィリップさえ気づかずのうちに、なくてはならない存在になります。愉快に過ごす日々の中にあっても、時に、フィリップはわが身を悲観する言葉を口にします。でも、それに対する、ドリスの切り返しが、なんともユニーク。前向きに転換してしまうので、とてもホットな気持ちになります。ちなみに映画のなかのドリスは黒人でしたが、エンディングでは実際の二人の映像が映し出されます。このとき、実はドリスが白人だったことが判明します。とても不思議に思い調べたら、残念にも、あえて「黒人を抜擢した理由がない」・・そうで、これだけはマイナスかもしれません。真実に近い形でキャスティングするか、または、その目的やメッセージ性が明確なものだったらいいのに思いました。それでも、作品の作り方が良く、観ていて心が癒される映画です。但し、世評の高評価にも関わらず、個人的に、「感動」とまではいかない私は、ひょっとしたら、「幸せ呆けしているのしれない?」と思ってしまったのでした。

最強のふたりコレクターズ・エディション(2枚組)(初回限定仕様) [DVD]
[監督]
エリック・トレダノ
[出演]
フィリップ              フランソワ・クリュゼ
ドリス                オマール・シー
イヴォンヌ(フィリップの助手)  アンヌ・ル・ニ、
マガリー(フィリップの秘書)   オドレイ・フルーロ
マルセル(フィリップの使用人) クロティルド・モレ
エリザ(フィリップの娘)      アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ

★受賞★
第24回東京国際映画祭 東京サクラグランプリ/最優秀男優賞(フランソワ・クリュゼ)(オマール・シー)
第37回セザール賞 主演男優賞(オマール・シー)
第17回リュミエール賞:主演男優賞(オマール・シー)
グローブ・ドゥ・クリスタル賞:主演男優賞(オマール・シー)/最優秀映画賞




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モデルとなった実在の"最強のふたり" ご本人たちのインタビュー映像

2013-04-23(Tue)

ジェームズ・フレイン James Frain プロフィール

James Frain
1968年3月14日 生まれ 身長:183cm。 イギリス・イングランドのリーズ出身の俳優。
父親は株式仲買人、母親は教師。8人兄弟の長男。イースト・アングリア大学で学位を取得した後、セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマで演劇を学ぶ。在学中の1993年に映画デビュー。2000年前後に渡米し「24」「クローザー」「invasion -インベイジョン-」などの人気ドラマに出演。舞台もこなし、テレビドラマでも活躍。
「THE TUDORS~背徳の王冠~」では、イングランドの宗教改革を推進させたトーマス・クロムウェル役を演じました。脇役が多く派手な俳優ではありませんが、大変多くの作品に出演しており、堅実な演技力を持った方だと思います。

[主な出演作品]
1995年 ナッシング・パーソナル  
1996年 ロビンソン・クルーソー
1998年 エリザベス/ヴィゴ(主演)/ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ
1999年 太陽の雫/タイタス/アラビアン・ナイト
2000年 レインディア・ゲーム/あなたのために
2002年 モンテ・クリスト伯
2010年 トロン:レガシー
2011年 恋人たちのパレード
2012年 トランジット
2013年 ローン・レンジャー


[主な出演作品]※テレビ・テレビドラマ※
1993年 第一容疑者3・1996年 ラスプーチン・2002年 ジョンソン大統領/ヴェトナム戦争の真実
2004年 スパルタカス・2005年 EMPIRE -エンパイア-
2005年 ~2006年 -インベイジョン-/スレッシュホールド/ミディアム2 霊能者アリソン・デュボア
2005年 イントゥ・ザ・ブルー・2006年 クローザー
2006年 ~2007年 ナンバーズ・~天才数学者の事件ファイル
2007年 ~2008年 LAW & ORDER クリミナル・インテント・
2007年 ~2009年 THE TUDORS~背徳の王冠~(シーズン1-3) 
2008年 ~2009年 フリンジ (シーズン1)
2009年 カリフォルニケーション(シーズン3) ザ・プロテクター/狙われる証人たち
2009年 ~2010年 グレイズ・アナトミー6/フラッシュフォワード/CSI:10科学捜査班/ライ・トゥーミー嘘の瞬間/LAW & ORDER: 性犯罪特捜班  
2010年 トゥルーブラッド/レバレッジ~詐欺師たちの流儀/デモンクエスト/マイアミ・メディカル・2010年 ~2011年 CSI:マイアミ9
2011年 ザ・ケープ 漆黒のヒーロー/バーン・ノーティス 元スパイの逆襲

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お気軽映画日記【日記・映画】トロン:レガシー完全にジェイムズ・フレイン目当てで観てみましたー。82年の「トロン」の27年振りの続編だということは聞いていましたが、どんなお話なのかも頭に入れておらず、ジェイムズの写真だけ見て、宇宙人かと思ってたくらいでした^^

2013-04-16(Tue)

太陽の雫/あるユダヤ人一族の100年物語

1999年 ハンガリー
Sunshine.jpgハンガリーの激動の時代を生きた、あるユダヤ人一族の物語。
めまぐるしく変化する社会情勢と凄まじい政権闘争の波に翻弄された一族の栄華と衰退。
レイフ・ファインズが親子3世代3役を演じ、3代目のイヴァンが語り手となって物語は進む。

(エマヌエル・ジャネンソンの物語)
語り手イヴァンの曽祖父は「エマヌエル・ゾネンシャシン」エマヌエルは母と弟を養うため、12歳でオーストリア、ハンガリー帝国の村を出て仕事を探す。19世紀末、彼はブタペストで25歳で自分の家と酒造所を建て、酒屋をやっていた父親の形見の黒い手帳のレシピで秘伝の薬草酒を作りサンシャインの味と命名、彼は一代で財を築いた。やがてエマヌエルはローズと結婚。

(イグナツの物語)
グスタグとイグナツが生まれ、従兄弟のヴァレリーが養女に来て3人は一緒に育った。イグナツは優秀な判事、グスタグは医者、ヴァレリーは写真家となり、家業の酒作りを継ぐものは誰もいなかったが、曽祖父エマヌエルは彼らを誇りとした。

イグナツの出世話があった際にユダヤ名を改名する話が持ち上がり、彼とヴァレリー、グスタグの3人はハンガリー姓に改名。やがてイグナツはヴァレリーと結婚する。20世紀に入り、長男「イシュトバン」とイヴァンの父である次男の「アダム」が生まれる。イグナツは帝国に忠誠し仕えた。一方医者になったグスタグは共産主義。しばしば二人は対立し口論をする。

ある日サラエボでオーストリア皇太子が暗殺され、皇帝が宣戦布告、第一次世界大戦(1914年)が始まる。グスタフは従軍医局高官として、イグナツは判事として南部戦線へ出征。戦時下の中イグナツは皇帝に呼ばれた。皇帝との謁見は人生最大の晴舞台であった。イグナツは駐屯地で皇帝への忠誠を最優先とした判決を下したが、やがて皇帝崩御、同時に父エマヌエルも他界した知らせが届く。そして敗戦。

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家に帰った彼は4年ぶりに会った妻ヴァレリーから離婚をしたいと言い渡され彼女は出て行く。まもなくハンガリーで革命が起きる。
1919年共産国家が誕生。グスタフは新政府の幹部となる。一方、判事として皇帝の名で裁いたイグナツは逮捕され自宅軟禁状態となる。その知らせを受けたヴァレリーは家に戻ってきた。

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その数ヵ月後、軍事政権が共産党を駆逐。指導部のグスタフはフランスへ亡命。イグナツは共産主義者への報復裁判の執行を拒否し判事を罷免された。彼は健康が悪化しその年に亡くなる。後を追うように曾祖母のローズも亡くなる。

(アダムの物語)
語り手の父「アダム」。彼もユダヤ人の侮蔑を受けながら成長する。青年となった彼は兄の薦めでフェンシングをはじめ市民クラブに入会。
実力をつけていくが、勝利しているはずの試合もユダヤ人である為、いつも2位。それでも腕前を認められ、ある日将校クラブへの誘いがある。移籍するには改宗をしなければならなかった。アダムはカトリックへ改宗し将校クラブに入会する。

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アダムは改宗する為に訪れていた教会で見初めた女性「ハンナ」を情熱的に口説き結婚する。翌年、兄のイシュトヴァンも「グレタ」という女性と結婚。その後アダムは2年連続でチャンピオンとなる。そしてハンナとグレタは続けて息子を出産、ハンナとアダムの子が物語の語り手「イヴァン」兄嫁のグレダは結婚前からアダムに気持ちが移っていた。彼女は後にアダムを誘惑する。ある日ユダヤ人から金銭を積れて市民クラブに戻らないかと言われるが、アダムは「ユダヤ人は金にモノを言わせてる」と不愉快な気持ちをあらわにする。彼にとっては、ユダヤ人との交流よりチームと仲間が大切だった。そして、1936年ベルリンオリンピックでアダムは金メダリストに輝く。彼は純粋に国を愛し、ハンガリーのために戦った。そんな時、アメリカのフェンシングクラブの会長をしているモルナーという人物に会う。彼はアダムが独裁政治の広告塔となっており、勝つことで体制の犯罪に加担してると指摘。「ドイツの言いなりでは災難を招きます。アメリカにへ移住をするなら手を貸す、早く国を出ることだ」と忠告されるが、彼はチームとクラブや家族の事を考え、ハンガリーは出ないと断る。彼の予測より状況ははるかに悪化。ラジオから流れる政権放送ではユダヤ人の活動が制限される。差別はさらにエスカレートし、危険を感じていたブレダは国を出る事を提案するが、彼はハンナのことを考えて出国できないと言う。やがて出国を決めるが、既にピザが取れなくなってしまい国境は閉鎖される。
オリンピックから僅か3年後、第二次世界大戦が始まる。

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ハンガリーはドイツに占領され、ハンナと祖母ヴァレリーはゲットーへ送られる。ハンナは別の場所に移動させられそこで殺される。祖母ヴァレリーは屋根裏へ隠れ無事であった。アダムとイヴァンは収容所へ送られ、アダムはイヴァンの目の前で拷問により殺される。アダムは自分を「ハンガリー人のメダリスト」と答え最後まで自身を「ユダヤ人」とは認めなかった。イヴァンは、ただ見ていることしかできなかった。
兄のイシュトヴァンはグレタと息子と共に隠れていたが見つかり、川岸に連行され千人のユダヤ人と共に射殺、死体は川に投げ込まれた。
5日後、ロシア軍がブダペストを開放、第二次世界大戦が終結する。
(1941年の時点でハンガリー国内のユダヤ人は80万人、1945年戦後には20万人となった)


(イヴァンの物語)
ブタペストの自宅に祖母ヴァレリーが帰った。お手伝いのカトも戻ってきた。共産党はフランスに亡命していたグスタグを呼び戻し彼も長年ぶりに自宅に帰る。青年の時に家を出たグスタグは老人となっていたが政治に復帰。そして収容所から生き延びたイヴァンが帰る。アダムが殺されたことをを聞いたヴァレリーとグスタクは悲しみ、グスタグはイヴァンを警察に入れてファシスト狩りをさせたらどうかと提案する。

(1946年ハンガリー第二共和国が成立しハンガリー王国は消滅)
(1949年ハンガリー勤労者党の一党独裁体制である社会主義国家ハンガリー人民共和国となる。[ソ連の衛星国])
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グスタグの紹介で警察へ行ったイヴァンは偶然にも父と交流のあったクノールと出会う。彼は言う「非道な行為をしたのはドイツ人だけではない。ハンガリー政府がユダヤ法をでっちあげ、国民がそれに従った。その結果、お父さんは殺されたのだ」と。そうして、イヴァンはファシスト狩りをはじめた。戦後の共産政権時代、彼は確実に成果を上げていき、やがて少佐となり次期大臣候補を期待されていた。スターリンの誕生日を祝う会場で彼は演説で「共産主義によりナチの支配から解放された」と感謝の意を捧げる。その日、会場にいた人妻キャロルに声を掛けられ、自宅途中まで送るが彼女に誘惑されイヴァンは恋に落ちる。翌日、クノールからキャロルの夫は外務省勤務の将軍派で敵に回すと厄介と忠告される。 それでもイヴァンはキャロルとの密会を続けていた。彼はある日、キャロルに一緒に暮らそうと告げるが、彼女は夫に見つかると殺されるし子供も渡さないだろう。離婚は無理と言う。彼女は怯えていた。

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そんなある日イヴァンは将軍に呼ばれる。イスラエルからヤミ資金がまわっており、イスラエル・シオニストの陰謀だろうと言う。将軍は社会主義の転覆を謀った奴を起訴する事が君の仕事であり、「君の上司のクノールはそんなユダヤの筆頭だ」と告げた。イスラエルのスパイと話している映像の証拠があるので、彼を尋問して吐かせろと命令する。恩師であるクノールを尋問しなければならないことになったイヴァン。証拠がある以上尋問をしない訳にはいかずイヴァンはクノールに証拠を提示し問い詰めた。しかし、証拠は作り物のでっち上げ。彼は国家転覆の陰謀に関わったことはなく、さらに戦争中、彼もアウシュビッツ収容所にいた事を明かす。イヴァンはクノールが有罪の証拠がない事を報告するが将軍は殴って自白させろという。

そんな頃、高齢のグスタグが亡くなる。イヴァンと祖母ヴァレリーの二人だけになってしまった。

引き続きクノールの尋問を続けた彼の結論は、シオニストと国家転覆を謀った事実は皆無。でっち上げ情報だと報告すると、クノールを陥れたい将軍は怒り、他の者にクノールの尋問を変えた。イヴァンは罪のないクノールを殴ることなどできず、彼を尋問する役目から開放されたが、これによりイヴァンは警察を辞める決心をする。キャロルを呼び出し一緒に逃げてくれと告げるが、キャロルは拒否。「あなたを愛したのは間違いだった、私が安心できる冷静で強い男かと思っていた」彼女はイヴァンに別れを告げる。「冷酷な雌犬め、僕を愛したのは昇進目当てか、地獄に落ちろ」と、二人は互いに傷つけ合い別れた。

ある日の夜、孫イヴァンに祖母ヴァレリーは若き頃、自分が家を飛び出したときの話をする。「ある男性に恋をして家を出た。あなたのお爺様が期待したような人ではなかったの。彼に失望してしまった。私が恋した男性は情熱的で素敵だった。でも夫が軟禁されて私は舞い戻ったの。あなたも生きる喜びを見つけて」

その年の春スターリンが死去(1953年)。共産党内で権力闘争が始まる。スターリンの罪が暴露され、将軍が逮捕されたが、情勢は何も変わらずに共産主義の独裁政権は続いた。恩師クノールは名誉を回復したが、彼は亡くなりイヴァンは彼の遺体確認をする事になった。 彼は過酷な殴打により死亡していた。イヴァンは弔辞で彼に罪の償いの言葉を捧げ、独裁体制を告発する急先鋒になることを決心する。

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1956年10月、ハンガリーで革命が起きた。民衆は武器をとりソ連軍に立ち向かった。一旦は革命が成功したかに見えたが、10日後大量の戦車がなだれ込み人々は再び戦車と戦った。戦いはソビエト軍により鎮圧され、イヴァンは演説していたところをフィルムに撮られていたため、それが証拠となり5年間の刑を受け投獄される。彼は3年後に出所し自宅に戻った。自宅に帰ったイヴァンはヴァレリーに聞く。「何故僕らは共産主義に?」「私たちの運命よ、ユダヤ法 強制収容所、戦争から共産党が救ってくれた。政治に翻弄されたの。そんな中でも人生は美しい、その美しさを写真に撮りたくても、すり抜けてしまうの」「あなたは何をしたいの?」と問われ、イヴァンは「判らない」と答える。

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翌日、思い立ったように二人は酒のレシピを探しだした。はるか昔に屋敷のどこかにしまい忘れたレシピは、いつでも彼ら一族の「生きていく為のレシピのような存在」になっていた。そんな中、祖母ヴァレリーは倒れる。病院に運ばれた彼女は、名前を聞かれると「ゾネンシャシン」と名乗る。まもなく祖母ヴァレリーも亡くなる。イヴァンはとうとう一人になった。そして彼は「自分が何者なのか」さえ判らなくなる。

彼は家の中の物を全てを処分した。古い箱の中から手紙が見つかる。それは曽祖父からイグナツ宛ての手紙だった。一緒に足元に落としてしまった手帳があったが手紙に気をとられていた彼は気にも留めなかった。手帳は長年探していた薬草酒のレシピだった。薬草酒のレシピはゴミ収集車の中に放り込まれ消える。イヴァンは曽祖父の手紙の言葉だけを胸に刻む。それこそが生き方のレシピのようなものだった。
 
イヴァンは名前を変更した。「ゾネンシャシン」彼は初めて偽りから開放されたような気分になった。 
自分の人生の意味を見つけるためには、まずはじめにこうするしかなかったと自覚して。
君主制 ファシスト 共産主義 みんな露と消えた。家財も、家族も、肩書きも、何もない。

これからどこへ行くのだろう。そんなイヴァンの表情は明るく軽い足取りで人波の中に消えていった。

[あとがき]
3時間の大作です。時代は次々に変化し駆け足で物語が進みます。これだけの歴史と親子3代の人生の映像化なので面白味のある仕上がりではありませんが、長時間にも関わらず、全く長く感じられない作品です。レイフ・ファインズがそれぞれの個性を掴み、3役を見事に演じているところが見所です。彼はシンドラーのリストではユダヤ人を惨殺する側、当作品ではユダヤ人として惨殺される側を演じました。ユダヤ人収容所を舞台として、対照的な役柄をした役者さんは他にはいないのではないでしょうか。当時のユダヤ人の状況と、ハンガリーの歴史を知るにも良くできた作品であると思います。ここに登場する彼らは、ユダヤの誇りとかプライドとかを前面に出さずに国に同化しようと努力します。名前を変えて、改宗をして、国家に身を投じ、そしてユダヤと決別。それでも認められずに侮蔑され迫害される。どんなに努力をしても、どこにも身の置き場がないという不幸。そして収容所を生き延びても尚、世間は彼らに冷たく、イヴァンの上司がクノールの尋問命令を出すときに「ユダヤ人がいい仕事を独占しているからだ」と妬みと嫉妬の感情を生々しく口走るシーンは、当時の社会の描写であるという印象を受けます。そんな状況でも、彼らは希望を持ち懸命に生きるのです。そして恋もします。ヴァレリーが孫のイヴァンに自分が不倫をしていた話をしますが、この事が生きる喜びだったと解釈できるような話の纏め方をしています。親子3代、3人の男たちの女性との関わりは、決して幸せなものではありませんでした。きっとヴァレリーは、人生は不完全で残酷、完璧ではない。それでも「懸命に生きている姿が美しい」というようなことを伝えたかったのでしょう。最後のシーンで、軽やかに歩くイヴァンの姿は、現代人にぐっと近づいて見えました。何にも縛られず、自分の意思で自由に生きていく。映画の中の彼と同様、なんだか清爽とした感覚に浸りました。何をするべきか見失った時には、この作品を思い出して観てみるのも良いかもしれません。

太陽の雫 [DVD]

[監督]
イシュトヴァン・サボー
[出演]
イグナツ/アダム/イヴァン    レイフ・ファインズ
ヴァレリー (晩年)         ローズマリー・ハリス
ヴァレリー (若年)         ジェニファー・イーリー
グレタ                レイチェル・ワイズ
ハンナ               モリー・パーカー
キャロル              デボラ・カーラ・アンガー
グスタフ (若年)          ジェームズ・フレイン
グスタフ (晩年)          ジョン・ネヴィル
クノール              ウィリアム・ハート
ローズ               ミリアム・マーゴリーズ

★受賞★
1999年ヨーロッパ映画賞 男優賞(レイフ・ファインズ)/ 脚本賞受賞




ハンガリー動乱(1956年10月23日-1956年11月10日)/1956年のハンガリーの革命

1956年10月23日、ハンガリーの人々は政府に対して蜂起。人々は多くの政府関係施設や区域を占拠。それに対しソビエト軍は1956年10月23日と停戦をはさんだ1956年11月1日の2回、反乱に対して介入、多くの犠牲者を出した。

[経緯]
1953年にスターリンが死去、共産圏で非スターリン化が起こる。国民全体から不満が巻き起こっており、労働環境の改善や言論の自由を要求、学生も学ぶ環境の改善の為、独自の組織を設立していた。さらにソビエト共産党内部で行われたニキータ・フルシチョフスターリン批判演説が幹部たちに大きな議論を呼び起こしていた。1956年7月18日ソ連の圧力によりラーコシが党書記長が辞任。国内ではハンガリーの問題を見直そうとする動きが広がっていた。後任に、スターリン主義者のゲレー・エルネーが選出されると国民は反発、ブダペストで大規模デモが起こる。ソ連指導部は急遽、党幹部会のアナスタス・ミコヤンらの派遣を決定したが事態を収拾する間もなく蜂起が勃発する。ミコヤンらがハンガリーに向かっている間に、ソ連指導部はハンガリーに対する出兵を決定。ハンガリーから戻って真相を知ったミコヤンは、フルシチョフの自宅に押しかけ派兵の撤回を求めたがフルシチョフはこれを拒否した。

1956年10月23日、ゲレーの退陣を求めて学生たちがブダペストをデモ行進し多数の労働者もそれに加わる。夜になりデモ隊と秘密警察との間で衝突が始まると、ハンガリー勤労者党指導部は急遽、前首相ナジ・イムレを復職させる決定をした。翌24日、ナジは正式に首相に任命されたが、その頃ブダペストの町はすでに民衆とソビエト軍の戦闘状態にあった。その後ブダペストのソビエト軍も戦闘を一旦停止した。

労働者評議会と国民評議会が組織され、大多数の民衆は社会主義を維持しようとする政党を支持した。大衆はワルシャワ条約機構からの脱退をナジ政府に迫った為、融和的態度の限界に達したソビエトは再び武力により鎮圧することを決定させ、一旦は引き揚げた軍隊を再度ハンガリー領に侵攻させることとなる。10月25日、ナジは戒厳令を取り下げる。街の人々の中にはソビエト軍の戦車に近付き兵士と話し合う者もいた。説得に応じたソビエト兵らは、ハンガリー人を戦車に乗せて国会前広場へと移動し約700人が集まる。しかし突然発砲が始まり国会前広場は血の海と化す。約100人が死亡、約300人が負傷。この事件については秘密警察の発砲が原因であるとの見解もある。

ミシュコルツでは労働者によるストが起きブダペストでナジ首相と直談判をおこなった。ミコヤンの報告によると、彼とナジとの会談が行われ、その結果ソビエト軍の撤退が宣言された。10月29日には警察、軍隊、市民による国民防衛隊が結成。翌10月30日にはミコヤンが、ハンガリー軍に統制を任せるべきと報告している。これを受け、ソビエト軍撤退が開始。しかし同日午前9時頃、共産党ブダペスト地区本部で秘密警察隊員と民衆との間で衝突が始まり、建物から出る武器を持たない秘密警察隊員らが次々と民衆により射殺、その後も命乞いをしながら出てくる秘密警察隊員や勤労者党書記らがリンチされた挙句、遺体が街路樹にさらされるという事態になった。
この事件を聞いたミコヤンは翌日10月31日に反ソビエト活動の活発化を報告している。フルシチョフはチトー大統領との会談で軍事介入の可能性に言及し、ナジは中立を宣言したが、国連や西側諸国からの具体的支援はなかった。

11月4日に新たなソビエト軍部隊(戦車2500両・15万人の歩兵部隊)が侵攻した。

11月10日に労働者評議会や学生・知識人たちが休戦を呼びかけるまで、ハンガリーの労働者階級はソビエト軍との戦闘で重要な役割を演じた。11月10日から12月19日の間、労働者評議会は、ソビエトの占領軍と直接交渉し、結果として何人かの政治犯の釈放はできたが、ソビエト軍を撤退させることはできなかった。加えて、ソビエト連邦に支援されたカーダール・ヤーノシュが新しい共産主義政府を組織し、1956年以降ハンガリーを統治していくこととなった。散発的な武力抵抗やストライキは1957年の中頃まで続いた。

ナジはユーゴスラビア大使館に避難したが、安全確保を保障されて大使館を出たところをソ連軍に捕まり、ルーマニアに連行されて2年後に処刑された。政権の閣僚や評議会を指導していた多くの市民、およそ1200人がカーダール政府によって処刑された。このとき逮捕された政治囚は1963年までにカーダール政府によってほとんどが釈放された。この一連の戦闘の結果、ハンガリー側では死者が17000人に上り、20万人以上が難民となり亡命。ソビエト側は1900人の犠牲者を出した。

ハンガリーの歴史(Wiki)

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ものろぎや・そりてえる/読書と映画と、それから何を?/ハプスブルク帝国について
「太陽の雫」(1999年)という映画を観たことがある。あるユダヤ系ハンガリー人一家四代を主軸に第一次世界大戦から共産主義体制までハンガリー現代史を描き出した大河ドラマだ。初めの方、第一次世界大戦で軍医として出征する一家の長男がフランツ=ヨーゼフ1世に拝謁し、感激に打ち震えるシーンがあったのを覚えている。・・・第一次世界大戦後、民族自決論に基づいて中東欧で新しい国々が生まれた。ここにおけるナショナリズムは、具体的には一民族=一国家を目指す国民国家イデオロギーを意味する。中東欧の入り組んだ民族分布状況においてこの原則を適用しようとすれば、国境線の引き方、少数派への同化圧力など様々な軋轢が激しくなるのは明らかであった。チェコ国内ズデーテン地方のドイツ人問題はナチスの膨脹主義の口実となったし、ユーゴ紛争の火種の一因もやはりこの頃にある。第一次世界大戦を契機にオーストリア=ハンガリー、ロシア、オスマンといった帝国が相次いで崩壊したが、これは時代遅れとなった古い体制がほころびたというだけでなく、19世紀以来の国民国家イデオロギー(これは国家内の均質性を求める)が持つ強烈なエネルギーが“帝国”の政治的多元性を否定したという側面があったことも無視できない。

2013-04-14(Sun)

ナイロビの蜂/新薬の裏に覆い隠された犠牲者たち

2005年 イギリス
The Constant Gardener鋭い視点でアフリカの現状を抉り出したジョン・ル・カレのサスペンス小説を映像化。

2日後に帰るはずの妻は無残な遺体となって彼のもとへ戻る。
彼は妻の死の真相を知るべく、彼女が通った道をたどる。そして解明した真実。
彼は最後まで妻を追った。彼女が「やろうとしたこと」と「死」までも・・

庭弄りの好きなもの静かな男、ジャスティン・クエイルは英国外交官、アフリカへの滞在が決まっていた。女性弁護士だったテッサは一緒にアフリカへ連れていってほしいという。彼は「どうやって?」彼女曰く肩書きは「恋人でも、妻でも、愛人でも」。彼は彼女と結婚しナイロビで暮らすことを選んだ。テッサは現地の黒人医師のアーノルドと共にスラムの医療施設の改善の為、救援活動に励んでいた。やがて彼女は妊娠、現地の人々と同じ医療施設で子供を生むことを希望していたが、そこで死産をしてしまう。彼女はわが子の死を悲しむ間もなくある疑惑を掴むことになる。

テッサは隣にいた少女、ワンザの生まれたばかりの赤ん坊にお乳をあげている。ワンザの弟は姉に付き添っている。テッサは見舞いに来ていたジャスティンの友人、サンディに告げた。 
「あの少女は死にかけてる。もし、私があの少女が殺されたといったら?」

彼女の疑惑は、大手製薬会社がアフリカの貧しい人々を使い新薬の実験をしてる事だった。しかもその新薬には問題があった。テッサはレポート作成し、公的な書類として送る。

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テッサはアーナルドと自分がやっている事をジャスティンに語らなかった。妻を信頼している彼はそれを気にはなりながらも深く詮索もすることもなかった。それでも心配した彼はアーナルドとやってることをやめてほしいと告げるが彼女は譲らず口論となる。
彼は数日後「ロキ」へ旅立つ妻を見送った。しかし悲劇は起きてしまう。

 テッサに対する外部の様々な中傷の中、
 妻はいったい何をしようとしていたのか?
 妻は自分を本当に愛してくれていたのだろうか?
 自分と結婚したのは単に目的の為ではないのか?

 そんな回想をしながら彼は妻の死を突きとめていく。
 妻は目的の為に自分の友人と守るつもりのない
 卑しい駆け引きをしてしたことを知る。
 妻は遺書を残し生死をかけ出かけていた事を知る。

 彼は気づきます。彼女の自分への愛は生前ふたりの何気ない
 会話の中にあった。彼女の本当の思いが証明されたとき
 妻の無残な遺体を見ても泣かずに耐えた彼は
 初めて大きな声で泣くのです。


 
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妻の死を追っているうちに彼もまた背後に絡んだ製薬会社の陰謀を知る。国内には大勢のHIVの感染者、ワイロに流され歪んでいる政府、死が日常的になってるこの国では、誰も1人の死に対し関心も疑問も持たない。それを逆手にとり製薬会社が行う新薬の人体実験。
彼は妻がやろうとした事を果たし、そして妻が死んだ場所へ向かう。

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[あとがき]
悲しい結末です。命を引き換えにした逆転劇。最後、何故、彼は死ななければならなかったのか。と当初は疑問だったのですが、よく考えてみると、アフリカの様々な問題は現代も終わってはおらず、この国の現実を伝えるには、「ジャスティンの死」というエンディングは不可欠だったのかもしれません。これは物語の最後に語られており、単に涙物にするだけの目的ではないということに気づきました。

下記は既に起きた「新薬の人体実験」2009年1月31日の記事です。
ファイザー製薬ナイジェリアの子どもに違法な治験、11人が死亡/ 患者番号[0069]、年齢:10歳、性別:女
本人にはまったく知らせずに重病の子どもたちに実験段階の薬を投与、実際に1996年の臨床実験では11人の子供が死亡している。他にも脳損傷を負った子どもや重症の関節炎になった子供もいる、という内容。あの環境下にいる人々が訴訟を起こせるなんてほんの一握りの運のある人でしょう。つまり「氷山の一角」と考えるのが現実的ではないでしょうか。

製作にあたっては、相当な有力者の協力と根回しもあったのでは、と考えます。さらにスタッフさんや出演者の方々、特に主演の二人は普段とは到底かけ離れた生活。現地では1人つづテントを渡されたそうです。シャワーもままならなかっただろうと思われます。最後の舞台「トゥルカナ湖」までは車で3日の距離、機材の運搬には飛行機も使ったと思われますが、このような劣悪な環境下の中で数日間の滞在は免れなかっただろうと想像します。撮影後の2004年、この映画製作がきっかけとなり映画のクルーたちが、"ザ コンスタント ガーデナー トラスト(Contant Gardner Trust)"を設立。撮影周辺地域に淡水タンクとシャワーブロックを建築し、学校への資金を提供。地元の診療所への、より容易なアクセスを可能にする為の橋も建築している。また、この映画の収益はこのNGOに寄付されていて、現在でもナイロビ近郊のスラムの住民を助けているそうです。尚、この作品に出演している子供たちや現地人は、エキストラではなく実際にそこに住んでいる人々です。狭い地域にぎっしりと並ぶ錆びたトタン屋根、広大に広がるゴミの山、劣悪な生活環境と、汚れた水。アフリカの現状を少しだけ垣間見ることもできます。沢山の方に観ていただきたい作品。世界で起っていることを認識することにより、将来自分に出来る何かが見つかるかもしれません。


ナイロビの蜂 [DVD]

[監督]
フェルナンド・メイレレス
[出演]
ジャスティン   レイフ・ファインズ
テッサ      レイチェル・ワイズ
サンディ     ダニー・ヒューストン
ペレグリン    ビル・ナイ
アーノルド    ユベール・クンデ
ロービア     ピート・ポスルスウェイト

★受賞★
2006年米国アカデミー賞助演女優賞(レイチェル・ワイズ)
2006年ゴールデングローブ賞助演女優賞(レイチェル・ワイズ)
2006年BAFTA編集賞受賞
※ノミネート※
[2006年米国アカデミー賞] 脚色賞・作曲賞・編集賞
[2006年ゴールデングローブ賞]作品賞ドラマ部門・監督賞



★外部関連記事★

孤帆の遠影碧空に尽き ナイジェリア  新薬開発の実態 米ファイザー社、賠償金支払いで和解
医薬品・医療関係者には御馴染みの企業に「ファイザー」という製薬会社があります。2006年売上世界第1位の超大企業です。日本で販売されている医薬品としては、高血圧治療薬の“ノルバスク”、高コレステロール治療薬の“リピトール”など・・中略・・“対処:変更せず、そのまま続行  結果:死亡”・・・事務的な記述に恐ろしいものを感じます。

銀河系宇宙人のブログ/ペニシリンの陰に隠されていた人体実験と「ナイロビの蜂」
ペニシリンは医学界でもっとも重要な発明だった。しかし、その発明の陰で、アメリカがグアテマラでペニシリンの効用を調べるために故意に性病に感染させて人体実験していたという事実が判明した。アメリカのオバマ大統領はグアテマラに謝罪し、グアテマラも独自調査に乗り出しているという。・・・・・実験台になった人々をもう一度見つめると、受刑者、売春婦、障害者、精神障害者、黒人、である。医学は故意に社会的弱者を標的にして臨床実験して新薬ペニシリンのデータを蓄積していたということになる。

2013-04-11(Thu)

人生の特等席 クリント・イーストウッド/

2012年 アメリカ
Trouble with the Curveイーストウッドが俳優引退を宣言した4年後に突如それを翻し主演した作品。
男手ひとつで娘を育てようとして育てられなかった父と大人になった娘の物語。

娘は6歳で母を亡くし、本当はずっと父の傍にいたかった
しかし父は彼女を親戚に預けっぱなしにした。

父は娘を遠ざけていた。その理由を誰に告げることもなく。

捨てられたと思っていた娘は、ずっと別々に生きることが父の望みと思い頑張って生きてきた。
そんな彼女は優秀な弁護士となり、33歳で共同経営者(パートナー)の第一候補となっていた。

主人公の父親、ガスは優秀なアトランタ・ブレーブスのスカウトマン。新しい才能を見つけるために、全米を飛び回る生活をしていたが80歳を超え日常生活にさえ支障をきたしていた。さらに老化による視力の悪化で引退の話もでてきていた。そんなガスを心配している球団幹部である友人ピ-ト。
ピートはガスの娘、ミッキーの元に彼の体調を心配し様子を見てほしいと尋ねてくる。

ガスはドラフト会議前の最後の視察にへ行っていたのでミッキーは自分の仕事を持ったまま
父の仕事先へ出向く。そこで父親と滞在することにした。



 この滞在により父と娘は互いの心のすれ違いや、
 思い違いをしていたことが明かされていく。

 弁護士としてキャリアをあげることで父が喜ぶと思っていた娘
 弁護士としてキャリアをあげることが娘の為と考えていた父
 頑固な親父は普通の親と同様に娘の将来を願ってきた。

 「野球は好きではないだろう」「野球は大好きよ」
 ・・基本から親父は娘の気持ちを判っていなかった。

 ミッキーにとって、ここに来たことは仕事場にいるより大事な
 ことだった。滞在しながらも必死に仕事をしてはいたが、
 パートナーの話は流れてしまう。


ここに来た事で夢を捨てるなんて、こんな人生はダメだ。こんな人生は「三等席の人生だ」という親父に対しミッキーは
「目覚めるとパパは野球を見てておいしくない食事をして徹夜でビリヤードやって、それは私にとっての人生の特等席だった」と言う。
彼女にとっての「特等席」とは父親と過ごしたこんな生活、幸せは他人が決めるものではなく、自分自身が感じ認識するもの。

父と娘は「野球のスカウトマン」の仕事をとおして人生の特等席を見つけます。


ハッピーエンドのストーリーの終盤に向けてミッキーが打ち解けた男性の事や、彼女が実力のある投手を連れてきた事は、無理があると感じたのですが、まぁ、良しとしましょう。見所はクリントイーストウッドの「頑固親父ぶり」&「親バカっぷり」実際にこの年齢の独身娘がいなければ、こんなセリフ思い浮かばないだろうなと思うシーンが沢山あり、辛口なんだけどなんだか温かい。リアルすぎて自分の父親と被ってしまいました。


人生の特等席 ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]
[監督]
ロバート・ロレンツ
[出演]
ガス・ロベル       クリント・イーストウッド
ミッキー・ロベル     エイミー・アダムス
ジョニー・フラナガン   ジャスティン・ティンバーレイク
フィリップ・サンダーソン マシュー・リラード
ピート・クライン      ジョン・グッドマン
ヴィンス          ロバート・パトリック
ビリー・クラーク      スコット・イーストウッド
マックス          エド・ローター
スミッティ         チェルシー・ロス



★外部関連記事★

映画字幕翻訳家・菊池浩司コラム
2009年公開の「グラントリノ」を撮り終えたあと、イーストウッドは俳優引退宣言をした。そのイーストウッドが82歳の今、新作「人生の特等席」で主演を演じた。なんとも胸が熱くなる。その翻訳の仕事がワーナー映画から回ってきた。制作担当の松崎さんが、人生の終焉を迎えつつあるイーストウッドの映画なら、もう還暦もかなり・・

2013-04-07(Sun)

リアル・スティール ヒュー・ジャックマン

 2011年 アメリカ
Real Steelパパもボクもお兄さんも男達が大好きなジャンル、ロボット対戦的な~。
爽快で感動的で後味の良い家族みんなで楽しめる映画です。

2020年、人間のボクシングは廃れ、ロボット格闘技時代。かつてプロボクサーだったチャーリーは中古ロボットでプロモーターとして各地の賭け試合を転戦し生計を立てていた。ある日の試合で彼のロボット「アンブッシュ」は破壊される。その上、一文無しのくせに、この試合で賭博し負けた彼は現場から金を払わずに立ち去るが、その直前に昔別れた妻が亡くなったという知らせが入る。子供はマックス11歳。チャーリーはその親権を放棄する為、法廷に行く。
こんなダメ親父をあの『X-men』のヒュージャックマンが演じる。

息子のマックスの養育権について、妻の姉のデブラはマックスを引き取ることを望んでいた。
デブラの夫が裕福である事に気づいたチャーリーは、デブラの夫マーヴィンに息子を里親に出すと脅し、10万ドルで息子を渡すと持ちかける。マーヴィンはデブラに内緒でと、前金5万ドル、引渡し後に5万ドルをチャーリーに支払い、旅行に行く間の3ヶ月間程マックスをチャーリーが預かるという条件で承諾した。

チャーリーは幼なじみのベイリーの元に身を寄せていた。
前金5万ドルを手にした彼は、すぐに次のロボット、中古の「ノイジーボーイ」を購入していた。


十年間会っていなかった息子との再会。マックスの第1声がこれだ。
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どっかで見た「家なき子だ」安達祐実風。                            ロボットに詳しいマックス。

金で売られたことに腹を立てたマックスはチャーリーを嫌ったが、彼もロボットとゲーム好き。「ノイジーボーイ」に目を輝かせ、その試合に無理やりついていく。しかし結局負けてしまい、ノイジーボーイもスクラップになってしまう。こうして2体のロボットをあっという間に失ったチャーリー。なんとかしようとマックスと一緒にジャンクヤードに行き、ロボットの部品を探しにいくが、そこでマックスは崖から落ちてしまう。幸いにも彼は土に埋まったロボットの手に引っかかって一命を取り留めていた。彼はこのロボットのおかげで助かったと、掘り出し持って帰ると言う。
チャーリーは「ゴミを持って帰る気か?」と手伝うことはしなかった。マックスは一人で、一晩かけてそのロボットを手で掘り出した。
ロボット「ATOM」との出会いである。



 このロボットは、人間の動作の再現ができる、
 「シャドーファンクション」という機能を持っていた。
 しかし格闘用ではなく、スパーリング用。

 「コレを戦闘に出せる?」とマックス。
 ・・撃たれ強いが試合になど出せない。

 チャーリーは金を借りようと会場にいる知人のもとへ。
 当然、空振りだが翌日動物園で試合がある事を聞く。
 この会場にも、くっ付いてきていたマックスは
 無敗ロボット「ゼウス」に遭遇しまたまた目を輝かし・・

 チャーリは動物園で試合があることをマックスに言うと
 彼は乗り気。二人は、翌日ATOMをつれて動物園へ。



動物園での試合では対戦相手に負ければマックスはATOMの残骸を渡し、1ラウンド終了時にATOMが立っていられたら相手が1000ドル払うという賭けをすることになる。「どうせ、負けるさ。」なんて言っていたチャーリーは残り時間、30秒のところで「1000ドル」が頭に浮かびマックスの操縦を代わると言い出す始末。マックスはなんとか勝利すると、対戦相手はあまりの悔しさに2試合目で「2000ドル」そちらが負けたら、今の試合の「1000ドルはなし」マックスは「いいよ~」の横で親父チャーリーは「1000ドルでいいーー!オレはが必要なんだ!」
な~んて言っているし・・。 

翌日、マックスはノイジーボーイの音声認識装置をATOMに入れた。これで、ボクシングをチャーリーに命令させ戦わせようというのだ。
そしてマックスはシャドーファンクション機能でロボットダンスをしていると、チャーリーはダンスが面白かったのでマックスにATOMの試合の前にダンスをしろという。「客はパフォーマンスを見たがるのさ!」 マックスが試合前にATOMとダンスをするという交換条件で、チャーリーはボクシングをATOMに訓えることになる。

そんなATOMと親子は様々な試合で勝利を続け話題になり、やがて公式戦のオファーが入ります。公式戦の会場へ行くとゼウスのオーナからATOMを20万ドルで買取ると言われます。試合の前までに返答してくれと言う。親父は売りたい、当然息子は売らない。
そうして臨んだ初めての公式試合でもATOMは勝利。マックスは観衆の前でゼウスのオーナーを挑発。ゼウスとの戦いを申し込む。

勝利に喜んだのもつかの間、その会場を出ると、チャーリーが以前お金を踏み倒した奴らに、ひどい目に合わされ賞金も全て奪われます。
マックスが巻き添えになり、地べたに倒れた情けない父はこのときだけはマックスに本当にすまないと謝るのです。

そして彼は、約束より早い時期にデブラにマックスを戻してしまいます。別れ際にマックスは言った。「ボクの為に戦って欲しかった」
マーヴィンが残りの5万ドルの入った袋を渡そうとするとチャーリーは、「金はいらない・・・」

悲しい別れ。チャーリーは彼なりにマックスの事を考えた結果でした。トラックの後ろでATOMはさみしそうにチャーリーを覗いている。
空虚な気持ちのチャーリーはそのままベイリーに会いに行きます。そして彼女に元気を貰い、何をなすべきか答えを見出したチャーリー。
再びマックスの元へ行き、二人はゼウスとの試合に改めて臨む事を決めたのです。

チャーリーは息子のマックスの為に戦います。
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メインの見所は「親子のドラマ」。でも勿論それだけではありません。音楽やキャストの演出やロボットのリアルな動き、更にヒュージャックマンのベンチプレス140kgを持ち上げる逞しい腕で見せてくれるスパーリング、子役ダコタくんのロボットと踊るダンスまで。見所満載のこの映画。とても言葉だけでは伝え切れません。試合も臨場感溢れるカメラワークで会場にいて試合を観ているような興奮感が味わえます。
満足度98% この作品から感じるメッセージは・・「マシンの時代であっても、本物の戦術を極めるのは『人間』なのさ


リアル・スティール [DVD]

[監督]
ショーン・レヴィ
[出演]
チャーリー・ケントン   ヒュー・ジャックマン
マックス・ケントン    ダコタ・ゴヨ
ベイリー          エヴァンジェリン・リリー
フィン           アンソニー・マッキー
リッキー          ケヴィン・デュランド
タク・マシド        カール・ユーン
ファラ・レンコヴァ    オルガ・フォンダ
デブラ           ホープ・デイヴィス
マーヴィン        ジェームズ・レブホーン
キングピン        ジョン・ゲイティンズ



★外部関連記事★

帰ってきたひとりよがり リアル・スティール 【映画】
「リアル・スティール」の予告編を見て、「プラレス3四郎」を思い出したのは、きっとアチキだけではないはず。
実際、会社の後輩も同じこと言っていたし。「プラレス3四郎」かぁ、キチンと見たことないんだよねえ。たまにTVでやっているのを見たくらいで、それでも面白いと思っていたし・・・

2013-04-04(Thu)

ブラック・スワン ナタリー・ポートマン

2010年 アメリカ
Black Swan
この映画を見終わって思わず出た言葉「凄いなこれ・・」映画はB級・主演役者は最高級。

主人公のニナは、気弱で真面目な美少女バレリーナ。
彼女は、次の「白鳥の湖」公演で主役に抜擢される。

この役は、白鳥・黒鳥を一人で二役演じ分けなければならない。
彼女は白鳥役は完璧に踊れるものの、魔性的な黒鳥の踊りを表現できずにいた。
バレリーナとして失敗しその想いを彼女に向けすぎる母との癒着。
他のバレリーナからの嫉妬や嫌がらせ。
彼女は苦悩し、やがて異様な幻覚を見るように・・。
主人公が精神破壊し変貌していく様を描いている。

観ている側も現実と幻覚の区別がつかなくなります。
最後の結末は・・・。


映画を観る前に詳しいあらすじを見てしまうのは勿体無い作品。ポルノ的描写が多く
最初は全然期待していなかったのですが、物語が進むにつれ目が離せなくなります。


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ナタリー・ポートマンの努力と捨て身の演技に脱帽。その演技は、他の出演者達の群を抜いて圧倒的に惹きつけています。
彼女が演じてなければ駄作になっていたかもしれない。こんな「B級サイコホラー的」な映画にも関わらず精魂を注ぎ入れたような彼女の
情熱がスクリーンの向こう側から伝わってきました。

ブラック・スワン [DVD]
[監督]
ダーレン・アロノフスキー
[出演]
ニナ・セイヤーズ   ナタリー・ポートマン
トマ・ルロイ      ヴァンサン・カッセル
リリー         ミラ・キュニス
エリカ・セイヤーズ  バーバラ・ハーシー
ベス・マッキンタイア ウィノナ・ライダー
デヴィッド       ベンジャミン・ミルピエ
ベロニカ        クセニア・ソロ
ガリナ         クリスティーナ・アナパウ
アンドリュー      セバスチャン・スタン
トム           トビー・ヘミングウェイ

★受賞★
[アカデミー賞] 主演女優賞(ナタリー・ポートマン)
[英国アカデミー賞] 主演女優賞(ナタリー・ポートマン)
[放送映画批評家協会] 主演女優賞(ナタリー・ポートマン)
[シカゴ映画批評家協会] 主演女優賞(ナタリー・ポートマン)
[ゴールデングローブ賞] 主演女優賞・ドラマ部門(ナタリー・ポートマン) 他

※ノミネート※・・多数


★外部関連記事★

すきなものだけでいいです『ブラック・スワン』ニナは才能と容姿に恵まれた優秀なバレエダンサー。 しかし、真面目すぎる性格が災いし、なかなか大きな役を得られない事から、若干神経が細くなっていた。
ある日、バレエ団のプリマであるベスが、近々引退するのでは、という噂が楽屋を駆け巡る。ベスに憧れていたニナは、ショックと期待で少し神経をすり減らす。

2013-04-03(Wed)

ヒュー・ジャックマン Hugh Jackman プロフィール

Hugh Jackman
オーストラリア出身の俳優。1968年10月12日生(2015年現在46歳)身長189cm。

シドニーのサウス・ウェールズに5人兄弟の末っ子として生まれる。地元男子高校で生徒会長を務めた後、シドニー工科大学でコミュニケーション学士を取得。在学中に卒業認定単位を取得する為にたまたま履修した演劇クラスで演劇の面白さに目覚め俳優を志す。大学卒業後、本格的に演劇を学ぶ為、エディス・コーワン大学の西オーストラリア演劇学校に進学、26歳で卒業。

卒業後、すぐにオーストラリアのTVシリーズ『コレリ』や『ザ・マグレガー・サガ』などのレギュラー出演を果たす。この他、ドラマや映画にも出演しながら、演劇『美女と野獣』や『サンセット大通り』などの舞台の主役を演じ、国内で人気スターとして実績を積みます。1998年にはイギリスの王立劇場での舞台『オクラホマ!』で主役を演じ、ローレンス・オリヴィエ賞にノミネートされたことで、国際的に知られるようになる。そして2000年『X-Men』主役ウルヴァリン役に抜擢され、公開されると『X-メン』は大ヒットとなり、スターダムを駆け上がります。続編『X-Men2』でも全米で2億ドルを超える興収を記録。その後の出演した作品もヒット作が続き、彼の人気は不動のものとなっています。演劇でも2004年に、ブロードウェイ・ミュージカル『ザ・ボーイ・フロム・オズ』でトニー賞ミュージカル部門の最優秀主演男優賞を受賞した。2009年には第81回アカデミー賞の司会を務めました。同年4月21日には、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに殿堂入を果した。2015年、日本のTVコマーシャルに出演中。


私生活では、初めてのテレビの仕事だった『コレリ』でオーストラリア人女優デボラ=リー・ファーネスと出会い1996年に結婚。彼女は13歳年上で、ジャックマン夫婦の記事を目にする限り、愛妻家であるという印象を受けます。夫人は今まで2度の流産を経験しており実子はいませんが、現在は養子のオスカー・マクシミランとアヴァ・エリオットと共にメルボルンで暮らしている。2005年に長年のアシスタントであったジョン・パレルモと共に映画制作会社シード・プロダクションズに参加。妻デブラも同プロダクションに参加している。左利きでピアノ、ギター、バイオリンを演奏する。彼の父は英国軍のボクシングチャンピオンであった為、『リアル・スティール』撮影の際にジャックマンがシュガー・レイ・レナードに指導を受けた事を父親に話すと、彼は「いままで見たこともないくらい」大変興奮していたそうです。この映画の完成を誰よりも一番喜んだのは彼の父親だったのかもしれませんね。

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「ニューヨークの恋人」のレオポルド役   おなじみX-MEN・左役柄とは別人に見えます        妻のデボラさん


2015年クラウンのCMに出演 歌まで披露してくれています。

★受賞★
第70回ゴールデン・グローブ賞 『レ・ミゼラブル』 主演男優賞 (コメディー/ミュージカル) 

[出演作品]
1994年 Law of the Land
1995年 Correll/Blue Heelers
1996年 Snowy River: The McGregor Saga
1999年 Erskineville Kings/Paperback Hero
2000年 X-MEN
2001年 ニューヨークの恋人/恋する遺伝子/ソードフィッシュ
2003年 X-MEN2
2004年 ヴァン・ヘルシング/ヴァン・ヘルシング アニメーテッド
2005年 ロスト・ストーリー ~現代の奇妙な物語~
2006年 ハッピーフィート/マウス・タウン ロディとリタの大冒険/プレステージ/ファウンテン永遠につづく愛/タロットカード殺人事件/X-MEN:ファイナル ディシジョン
2008年 彼が二度愛したS/Uncle Jonny/オーストラリア
2009年 ウルヴァリン: X-MEN ZERO
2011年 X-MEN: ファースト・ジェネレーション/リアル・スティール/雪花と秘文字の扇
2012年 Butter/ 不思議の国のガーディアン/レ・ミゼラブル
2013年 Movie 43/ウルヴァリン: SAMURAI
2014年 X-MEN: フューチャー&パスト/ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密
2015年 チャッピー


★外部関連記事★

映画.com レ・ミゼラブル インタビュー劇場公開日2012年12月21日
愛妻に励まされ、ジャン・バルジャン役の重責を全うしたヒュー・ジャックマン 今年8月にシリーズ続編「ウルヴァリン:SAMURAI」の撮影のため、日本を訪れていたヒュー・ジャックマンが、主演最新作「レ・ミゼラブル」のプロモーションのため再来日した。世界43カ国で上演され、27年間というロングラン記録を打ち立てたミュージカルの最高峰を映画化した作品。舞台からキャリアをスタートさせ、今やハリウッドのトップスターとして人気を集めるジャックマンが、喉から手が出るほど欲しかったというジャン・バルジャン役・・

2013-04-01(Mon)

クリクリのいた夏/のどかな湖畔の暮らしに満たされる仲間たち

 1999年・フランス
Les Enfants du marais
クリクリは小さな女の子、お婆さんになった彼女は子供の頃の記憶を語ります。

[あらすじ]
クリクリには二人の兄と無神経で怠け者の父のリトンがいます。彼は一緒に住んでいる女性がいるのに昔に出て行った女房パメラを忘れられずにいる。隣に住むガリスは独身の35才の男性。彼はリトンと彼の子供たちの面倒をよくみていた。リトンとガリスはいつも一緒にいて、ガリスはいつかここを離れたいと思いつつも離れられずにいる。

そもそもガリスがここにたどり着いたのは12年前。第一次大戦が終わってあてもなくあちこち旅をしていた。フランス片田舎のたまたま通りかかったこの沼地のほとりの小屋の前で、具合悪そうにしている老人を見かける。ガリスはこの老人を家の中に入れ介抱することに。


この老人は言います。
それはこの物語で伝えたいことのほとんどを語っているよう。




 わしはどこも悪くはない。~92歳でね。それがわしの病気さ。
 腹が減っているならパンとチーズがある。

 隣のリトンの女房は料理そっちのけでいつも髪をといて
 めかし込んでいる。浮気な女さ。
 でもリトンなは幸せ、パメラの顔さえみていれば。

 どこからきた?歩き詰めか、これからどこへ?
 
 ここは美しい、住んだらどうだ。居心地が良く自由気ままだ。
 他人の家にとまらずにすむ。わしの小屋と船を受け継げ。
 沼地の自然は豊かだ。住むものを養ってくれる。
 わしは幸せに生きた。誰にも仕えず自由に。



翌朝、老人は息を引き取っていた。隣のリトンはやってきた「パメラが行ってしまった。爺さんは?」「彼も逝ってしまったよ」

この沼地での生活は老人の言ったとおり食べていくのには困らない程度の現金収入をもたらしてくれた。山で花を摘み、カタツムリとカエルを捕獲し、沼では魚釣り、うなぎの捕獲を、そして町で売る。歌を歌ったり、石炭を運んだり。こんな二人の生活が羨ましくていつも尋ねて来るお金持ちで仕事をしたことのないお洒落な読書家のアメデ。

駄目男なリトンは3人の父親でありながら父親らしいことが出来ず、そればかりかガリスの事ばかり当てにしている。仕事も怠けがちで、ガリスに怒られてばかりいるけど全然懲りない。ガリスがいなかったら生きて行けない・・・こんな状態だからガリスは旅立てない。リトンはそれを知っていて彼がいつ旅立つか判らず不安なのである。

ある日、粗野なリトンは。酒場でボクサーのジョーを怒らせてしまい、ジョーはあまりにも暴れたせいで、
警察に捕まり、その日の試合に出られず、服役。恋人も家も財産もボクサーの資格も失い、リトンを恨みます。

そして、ある日、沼に孫と船を浮かべに来た大富豪ぺぺとめぐり合います。ペペは昔ここで育ちここで生活していました。
彼は「沼の生活の方がはるかに豊かだった」と言うのです。経済的な豊かさがあっても、必ずしも幸せとは限らない。
この地に郷愁を感じている彼との仲も深まります。

同じ頃ガリスはマリーという女性に恋をするのですが、やっと彼女が家まで来て彼女との距離が近くなったと思った矢先に、リトンの子供を助けに行ったせいで、彼女は帰ってしまうのです。この時ばかりは彼はリトンを恨みますが、すぐにリトンは「子供が・・・」と泣きついてくるのです。「うるさい自分でやれ!」といいながらも彼は面倒みてしまう。その後、メイドである彼女のいる屋敷を訪ねますが一度目は屋敷の一家とニースヘ同行。二度目に尋ねた時には彼女はニースで恋をして薬屋に嫁いでしまっていました。

数ヶ月後、出所したジョーは恨みを晴らしに沼地へやってきてリトンを撃とうとしたが、クリクリがをジョーを沼に突き飛ばしました。泳げなかった彼は溺れ、とっさにリトンは助けようとしますが伸ばした木の枝が折れてしまい、それを見つけたガリスがタイヤのチューブで彼を助けます。そのときにリトンもチューブのロープを引っ張って足を骨折。殺そうとしていた男が命の恩人になったわけです。リトンとジョーはその後、一緒に仕事をし、一緒に戦場に行き、そして一緒に戦死するのです。

ガリスはというと、ある春の日に旅立ち、その後の消息は判りません。ボクサーのジョーが現れリトンの友人となったおかげで、彼はこの地を離れる決心がついたのでしょう。クリクリの心の中では、彼はニースの地へ行って、「薬屋の妻を奪ったのでしょう。」と閉められている。これは、自分たち兄弟と父親の面倒をよくみてくれたクリクリの切なる願いだったのでしょう。

[あとがき]
沼のほとりで音楽を聞きながらワインを飲むガリスとリトン、それに読書家のアメデと大富豪のペペ。リトンを恨んでいたのに友人となった元ボクサーのジョー。幼いクリクリの目に映った男たちの友情。自然と共存した生活は単なる物資だけの豊かさだけではなく、人との出会いとその心も繋げてくれる。そこから生まれた友情は、年月を経ても、過去の記憶の景観の美しさと共に記憶に蘇る、とクリクリは私たちに語りかけています。一見、何のことは無い、親睦ドラマですが、なんだか懐かしくもあり、美しい生き方のひとつの事例を提唱しているようにも感じる作品でした。

クリクリのいた夏 [DVD]

[監督]
ジャン・ベッケル
[出演]
ガリス        ジャック・ガンブラン
リトン        ジャック・ヴィルレ
アメデ        アンドレ・デュソリエ
ぺぺ         ミシェル・セロー
ジョー       エリック・カントナ 
マリー       イザベル・カレ
老人         ジャック・デュフィロ
老年期のクリクリ シュザンヌ・フロン
幼少期のクリクリ マルレーヌ・バフィエ


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Slow Dream 映画や本とも、運命の出会いってきっとある!めぐりあったことが嬉しい♪
第一次世界大戦後、復員兵ガリスは、ふと立ち寄った沼地に住み着いてもう・・12年を迎えようとしていた。
いつかは旅立ちたいと思うガリスだけれど、酒好きで生活力のない隣家のリトンと彼の子どもたちが心配でたまらない。豊かな沼地の自然は彼らに日々の糧を与えてくれるけれど、暮らしを支えるために・・

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