アクセスランキング
2012-11-18(Sun)

太陽の帝国/ウェールズの子守唄

1987年 アメリカ
HLP-11753s_20130916222718a6b.jpgこの作品は第2次大戦中の中国を舞台に、イギリス人の少年が親と離れ離れになり、力強く生きていく過程を描いたもので、昔から大好きな映画です。監督・製作はスティーヴン・スピルバーグ。主演の少年役がクリスチャン・ベール。彼は4000人の中から選ばれた子役でした。1997年ぐらいに初めてビデオでこの作品を見たときに、きっとこの子は大物俳優になると思い、日本語サイトで調べまくったのでした。しかし当時は見つからず、「もったいない、いま何しているのだろう」と気になり気になり十何年。ある日、再び彼を発見する。映画は沢山観ているけれど、俳優には全く興味が無かった為、キャスティングを見ることもなかった私は、2009年のターミネーター4まで彼の活躍に気づかなかったのです。彼を発見したのは映画館でした。「今度のジョン・コナー役、凄くいいじゃない。 あれ?なんだか見覚えが・・?」・・・・・と一瞬、息が止まった。「おっおっきくなってる!」と。クリスチャン・ベールを発見した感激とオドロキ。この頃になると日本語サイトでも「クリスチャン・ベール」で検索で出てくるわ出てくるわ。こんなことになっていたのねと、とても嬉しかったです。彼は、この作品の子役のあと少しお休みして勉学に励み、脇役や悪人などの下積みをしていたのです。アメリカン・サイコの異常者演じたのも彼でしたが、・・・過去に観ていたのに、気づきませんでした。しかも、既にパパ。 比較的、早い年齢で結婚していたので、小学生ぐらいの娘さんまでいました。「ジム少年」のまま時が止まっていた私にとっては、三重の驚きだったのです。よく考えたら、この作品をはじめて観たときには、既に彼はとっくに成人していたのです。当たり前でした。(恥ずかしい・・) そんなクリスチャン・ベールは、ターミネーター4の公開の翌年、オスカー俳優となり、「私の予想は当たった」と、勝手に自己満足に浸ったのです。
そんな、クリスチャン・ベールの子供時代の演技をまだ観ていない方。一見の価値有りですよ。

これは、実在するイギリスの小説家J・G・バラードの体験をつづった半自伝的小説の映像化。両親と共に中国に住んでいた裕福なイギリス人の子供ジェイミー(ジム)が主人公で、純粋な子供目線で戦争に翻弄される人々の光景が映し出されている。過酷な運命を懸命に生きていくジム少年に何度も泣かされました。「何度見たら泣かなくなるのだろう」と、かれこれきっと50回以上の再生。(ワタクシ息子がいるせいか、この年齢の男の子に弱いのです)泣きの「ツボ」にどっぷり填まっているところに、スクリーンに映っている本人はキャッキャッと笑っていたりする。子供ならではの逞しさと、環境に順応してしまう純粋さが巧みに表現されています。少し時を置いたと思われるシーンでは、僅かに身長が伸び、カタコトの日本語を喋るようになると、その成長振りに、見ているこっちの世界が明るく変化していることに「ハッ」とさせられる。こんな感覚になるのは子を持つ母親だけなのか、当時の友人たちにお勧めしてみたけれど極端に評価が割れた。どうも、万人が同じ感覚になるわけではないようだ。

 
 伊武雅刀が演じるナガタ軍曹に土下座するシーン。
 「ボクタチはトモダチデスヨネ センソウノセイ」
 
実はここのシーンだけで20回以上は泣けました。
 これだけ同じシーンで泣ける自分がおかしいのでは?と
 思ったほど。(流石に今はもう泣きません)しかし、このあと
 別のシーンでこれを再度やってくれちゃうところが子供らしい?
 いや(スピルのジョーク?)同じ手はくわねよ~的な日本軍人。
 観ているこっちは・・汗)「・・・」まぁいいか、子供だからね・・。

 なのに次に見たときにも同じシーンで涙が出る私って
 ・・・・・・・・・一体どうなってんの、私の脳・・・・・・・・・・

 大人と子供の狭間、微妙な年齢のこの少年は
 零戦を愛し、日本兵に敬礼し、零戦で帰りの分の
 燃料を積まずに飛び立つ日本兵を収容所から見守り
 清らかな歌声で送り出す。
 
 そんな彼の扱いに困惑するナガタ軍曹。

 冒頭から流れる主人公が歌う曲は、
 ←ウェールズ語の子守唄"Suo Gan"。

 ジェームス・レインバード(James Rainbird)による
 美しいボーイソプラノはよりこの作品を引立たせている。
 「我が子よ母に抱かれ眠りなさい」という内容の歌詞です。
 この曲は、様々なシーンで使われているが、左にUPした
 シーンが一番印象的です。

 言葉の通じない特攻隊員の少年(片岡孝太郎)との交流も
 和やかで心温まる、しかし、スピルは容赦ない・・・。
 日本兵としてガッツ石松さんが登場したり、運転手として
 登場した山田隆夫さんとの絡みなどはとてもコミカルだ。
 
 アメと鞭の使い分け、スピル技とでも言うのだろうか。
 しかし、突っ込みどころがひとつだけ、白い着物を着て
 踊る日本人登場?ここだけは失敗だね。

このような、中立的な観点で描かれている反戦映画は、多数の人に賛同されることは難しいようです。どちらの側にも立たないということは、どちらからも反感を買ってしまうということなので。この作品においては、著者であるJ・G・バラードが子供の頃に見た記憶を映像化したものと一歩引いて、国にとらわれず、広い視野で鑑賞して欲しいです。この作品以外でも、同じようなことがいえるのは2005年の「ミュンヘン」でしょう。素晴らしい作品であるのに、あまり評価されてはいません。しかしスピルはそれを承知で挑戦しているように感じます。これらの作品はきっと、少し先の未来で評価されるのではないかと思うのです。スピルバーグ監督にはこれからもその挑戦を続けてもらいたい。

1420130b4ce0b7982d0ec1bdcbdd6cea.jpg
                      アメリカの空爆中に屋上に出て飛行機を見て興奮しはしゃぐジェイミー。
            「苦しみや悲しみが蓄積された中からでてしまう笑い」をスピルバーグは表現したのではないかと感じます。

最後のシーンで母親に抱かれた彼の安堵の表情は、何年経っても記憶に刻まれ忘れることが出来ません。
もし、「あなたにとって、宝物のような作品をひとつだけあげてください」と聞かれたら、私は迷わず「太陽の帝国」と答えます。

★太陽の帝国★

[監督]
スティーヴン・スピルバーグ
[出演]
ジェイミー      クリスチャン・ベール
ベイシー      ジョン・マルコヴィッチ
フランク        ジョー・パントリアーノ
ローリング医師  ナイジェル・ヘイヴァース
ビクター夫人    ミランダ・リチャードソン
ナガタ軍曹     伊武雅刀
特攻隊員の少年  片岡孝太郎
日本兵(上官)   ガッツ石松
日本兵(運転手)  山田隆夫



★内部関連記事★

・同じ時期に中国にいたイギリス人ジャーナリストの実話→チルドレン・オブ・ホァンシー 遥かなる希望の道


★外部関連記事★

●太陽の帝国のスポットを探る:井上@打浦橋@上海さんの旅行ブログ
「太陽の帝国」はスピルバーグの映画が有名ですね。真珠湾攻撃があった頃の上海が舞台の実体験の基づく小説です。作者はJ・G・バラードというイギリスのSF小説家です。主人公はジム少年・・・・J・G・バラード本人です。

スポンサーサイト
ブログ内検索
ブログ内ページランキング
外部アクセス元ランキング
プロフィール

ちゃのりん

Author:ちゃのりん
映画から歴史を探るのが好きです。
俳優&映画紹介と、ノンフィクション映画の実在の人物像も探ります。


★好きな俳優★

ジョナサン・リースマイヤーズ

ssssj.jpg


お気楽ブログ55011enn_20150420222943fef.jpg


アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
215位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
洋画
20位
アクセスランキングを見る>>

にほんブログ村 映画ブログ 外国映画(洋画)へ
にほんブログ村 歴史ブログ 世界史へ

新作映画情報「ぴあ映画生活」ドラマ
アクセスカウンター



RSSリンクの表示


お役立ち
ブログ翻訳
favorite
・★前田有一の超映画批評★

・映画ライター渡まち子の映画評

・死ぬまでに一度は行ってみたい場所

・イナダ・ラングエイズ研究財団(ILFAR)稲田頼太郎

・NPO法人イルファー稲田頼太郎
(One Coin のご寄付を!)

・薬屋のおやじのボヤキ

・世界飛び地領土研究会
・欧州:世界遺産めぐり

・不思議館 古代の不思議

・KIKIの今日

・面白いおすすめ映画20選!騙されたと思って観て欲しい【最新版】

・歴史上の人物の選択から自分の人生を考え直す

カテゴリ
最新トラックバック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アクセスランキング