アクセスランキング
--------(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2017-04-15(Sat)

ジャージーボーイズ/ザ・フォー・シーズンズのミュージカル映画

2014年 アメリカ
007.jpg
1960年代のアメリカで人気のあったロック・バンド、ザ・フォー・シーズンズの伝記作品です。彼らの物語は、2005年にアメリカの劇場でミュージカルとして登場後、ブロードウェイに進出、そして映画化となりました。予想以上に驚きと満足感が得られた作品です。ミュージカル映画とはいえ、セリフを歌にしてストーリーが進行するわけではありません。では、どの分類?と考えると、やっぱり、ミュージカルなんです。気持ちよく「聴ける」一品。一番驚いたのは、監督のクリント・イーストウッドの作風の幅の広さです。つまり、「こんなのも作れるのだ」と。作品中で時折、バンドのメンバーが、自らナビゲートをするんですが、なかなか斬新です。映像はセピアカラーを強めにして古い時代を演出。歴史的なヒット曲が生まれた背景には、どのような事があったのか。主役となっているフランキー・ヴァリの類稀な歌声と、その声にマッチングな曲を作るボブとの運命的な出会い。 グループ内の確執や私生活まで再現。おまけに登場人物にジョー・ペシが出てくるんですね。『グッドフェローズ』でアカデミー助演男優賞を受賞した、あのジョー・ペシです。俳優の「は」の字もなかった十代の頃に、彼らと親密であったこと、何十年経っても、そのうちのメンバーの一人と、関係を継続していること。人生って面白いって思ってしまいました。彼らの曲は次々ヒットし成功を収めますが、全て順調だったわけではありません。ヴァリは、メンバーの脱退や不幸を乗り越え、ソロでの活動もスタートさせます。ドラマの締めくくりに「君の瞳に恋してる 」を、バラードでしっとり歌い上げ、バッグのカーテンが開くと、オーケストラが登場。誰もが知っているサビは気分を高揚させてくれます。これで、映画は幕を閉じるのかと思ったら、さらに20数年後、ロックの殿堂入りを果たし、白髪だらけの4人が再び再開するところまで飛ぶ。互いに肩を抱きあうシーンに、ストーリの節々で彼らが語っていた、ジャージー州出身の男のポリシーを垣間見るのです。

009.jpg

4人が集結して舞台で歌うところまでで、フルコースをデザートまでたいらげた気分なのに、さらにオマケが付いてきます。フルーツ乗せのバケツババロア出されたような気分。てんこ盛りの大サービスです。歌とラストのダンスが終了すると、映像を静止せず、ポーズを決めた俳優さんたちを静止させて、一人一人を撮っていく。こんな舞台っぽい雰囲気づくりって粋です。監督の才能とキャリアの賜物ですね。そうそう、監督ご自身も、1秒程出演していました。お茶目ですね♪ 御年86才、クリント・イーストウッドの新しいものへの挑戦は、まだまだ続きそうです。

010.jpg
管理人はダンスする爺が好きです。(前面右、クリストファー・ウォーケン

 

ザ・フォー・シーズンズは知らなくても、彼らのヒット曲の何曲かは知っている、又は、聞いたことがある。というぐらい有名です。素晴らしい声を持つ主人公、フランキー・ヴァリと仲間たちのヒューマンストーリー。きっと、この映画を観たら、彼らの曲が、今まで以上に、素敵に聴けるのではないでしょか。

ジャージー・ボーイズ [DVD]


[監督]
クリント・イーストウッド

[出演]
フランキー・ヴァリジョン・ロイド・ヤング
ボブ・ゴーディオ エリック・バーゲン
ニック・マッシマイケル・ロメンダ
トミー・デヴィートヴィンセント・ピアッツァ
ボブ・クルー(プロデューサー)マイク・ドイル
ジップ・デカルロ(マフィアのボス)クリストファー・ウォーケン
メアリー・デルガド(妻)レネー・マリーノ
フランシーヌ・ヴァリ(娘/17歳時)フレイヤ・ティングレイ
ジョー・ペシジョーイ・ルッソ
ロレインエリカ・ピッチニーニ
ジョー・ロングロブ・マーネル
アンソニー・カステルチオ(フランキーの父) ルー・ヴォープ
メアリー・リナルディ(フランキーの母)  キャサリン・ナルドゥッチ
ウェイトレスフランチェスカ・イーストウッド(クリント・イーストウッドの娘)


※有名どころのハリウッド俳優が、クリストファー・ウォーケンぐらいしかいないと思っていたら、舞台俳優ばかりを起用していたそうです。しかも、ヴァリ役のジョン・ロイド・ヤングは彼自身、ブロードウェイデビュー作であり、この役を演じた俳優さん。トニー賞他、数々の賞を受賞しているんです。堅固なキャスティングでした。 それと、ちょっとだけ、娘さん出演してましたのね。フランチェスカさん。思わず見なおしてしまいました。




[フォー・シーズンズとフランキー・ヴァリ]
012.jpg
フランキー・ヴァリは1934年5月3日生まれ、フォー・シーズンズのリード・ヴォーカル。ファルセットの歌声で知られている。ニュージャージー州ニューアークで理容師の家で育ち、7歳の頃、フランク・シナトラの公演を観て以来、歌手を志すようになる。業界で自立するまで父親と共に理容師として働いた。1951年、トミーと他の2名で結成されたバラエティ・トリオとしてプロとしての活動を開始。ヴァリの歌を聴いた彼らがヴァリをグループに引き入れた。1952年後期、トリオは解散。ヴァリとトミーはニュージャージー州ニューブランズウィックにあるザ・スタンドのバンドの一員となった。ここではヴァリはベースと歌を担当。1953年、フランキー・ヴァレイという名で1枚目のシングルを発表する。その後、ヴァリとトミーはザ・スタンドの座付きバンドを辞めたのち、他のメンバーと「バリエイトーンズ」を結成。1956年、バック演奏のオーディションでニューヨークのレコード会社のピーター・ポールの目に留まり、RCAレコードのオーディションを受けることとなる。そして「フォー・ラヴァーズ」と名を変え、何枚かのシングルとアルバム1枚分の楽曲をレコーディング。1956年、『You're the Apple of My Eye 』を発表したが、そこそこのヒットで終わる。ここまででメンバーは度々入れ替わっている。1959年、キーボード奏者で作曲家のボブがメンバーに加わった。翌年、「フォー・シーズンズ」と改名。そして1962年の『シェリー』を始めとして、その後、次々とヒットを飛ばすこととなったが、わずか3年後の1965年、ベース奏者で編曲者のニックが脱退。そして映画でも描かれているように、トミーも金銭面での問題を起こして脱退。ヴァリは多忙なこの頃に、娘もドラッグで失ってしまう。その後もフォー・シーズンズはメンバーの入れ替わりこそ激しかったが、現在でも活動を続けている。また、ヴァリはソロでの活動でも成功を収めている。1990年に、ロックの殿堂入りを果たし、1960年から1966年までのメンバーの、ヴァリ、トミー、ニック、ボブが舞台に上がった。1999年にはヴォーカル・グループの殿堂に殿堂入りした。世界中で1億枚以上の売り上げを誇り、現在でも最も売り上げの高い音楽グループの1つとされている。




★外部関連記事★

And This Is Not Elf Land/トミー・デヴィート語る
トミーの奥さんと娘さんは、初めてブロードウェーでJBを見たとき、泣いてしまったそうです。「パパがあんな酷い描かれ方をしているなんて!」(気持ちはわかる…)でも、トミーは「あのミュージカルのお陰で、俺には多額のお金が入ったんだ!お前たちは、俺に金が入るのが気に入らねえのか!?」と一蹴しました。(好きだな~!それでこそトミー・デヴィートだよ!!)トミーは、JBは自分のキャラクターがなければつまらない話になっていただろうということは十分に理解しているのでした。(そのとおりです)





スポンサーサイト
2014-11-20(Thu)

シャドウハンター骨の街/邪悪なる者の野望を阻止せよ

2013年 アメリカ
51Nj.jpg世界中でベストセラーとなった小説の映画化。ジャンルは「ファンタジー」。でも、舞台は現代。なので著者は現代作家なのですが、結論から先に言ってしまうと、おそらく「小説のほうが面白いはず」というのが観終わったときの感想です。つまり、本番の前座的印象を受けてしまった作品。TVシリーズで充分だったのではと思いました。ダメだしを羅列しますと、ドラマ構成がイマイチで心理表現が浅い。一番の見せ場のシーンが(画面)が飛びすぎてぐちゃぐちゃ。なのに、お金は掛け過ぎ。「トワイライトサーガー」を意識している感じを受けますが、完成度が低くてあまりトキメキません。続編があるのかと思わせるように纏めているので、ホントに続編やるの?と調べたら、一度中断になっていて、再開したらしいです。次のお話「灰の街」が本番なので、続きは本作のような勿体無いことにならないように、手抜き無しで製作して欲しいです。面白要素が満載なお話のはずだと思うので。

物語は「妖魔」「吸血鬼」「人狼男」「魔女」「魔法使い」そして半分天使の「シャドーハンター」が登場する。シャドーハンターは世界を守るべく邪悪世界からくる「妖魔」と戦う戦士です。シャドーハンターになるには人間がモータルカップという「聖杯」に自分の血を注ぎ、それを飲むことで、強く特種な能力をもつようになるという設定。主役は母親と二人暮らしの17歳の少女「クラリー」。彼女は自分が生まれながらのシャドーハンターである事を知りません。母はクラリーを守るために、定期的に魔法使いに記憶と力を封印してもらっていましたが、成長するにつれ、それも防ぐことが出来なくなってきます。娘にそれを伝える時期と判断した母親は、その寸前に何者かによって誘拐されてしまうのです。母親が最後に言った謎の言葉「ヴァレンタイン」を手がかりにクラリーは母親を探しに出るのでした。

41xAKVSkaLL.jpg
サイモンは何故ジェイスが見えるのか?  この自己紹介っマジ?ゲームのしすぎ?    ジェラシーオーラ全開のアレク

味方は、クラリーがいつも一緒で仲良しのサイモン。クラリーが(人間には見えないはずのシャドーハンター)が見えるのを知り、彼女に接触してきたハンターのジェイス。同じくハンターでジェイスに片思いのアレクとその妹のイザベル。それと、クラリーを小さな頃から知っている、魔法使いのマグナス。そして母の彼氏(?)のルークは、クラリーが子供の頃から父親のように接し、母娘を守ってきた男ですが、実は人狼男。(クラリーはそれを知りません) ママンのジョスリンは過去に、「ヴァレンタイン」から奪った「聖杯」をあるところに隠していました。狙われている彼女はサイモンと一緒にジェイスに導かれ、シャドウハンターの拠点「研究所」へ。やがて仲間達と行動を共にし、謎が次々解き明かされていきます。

51Nj_2014111908504920e.jpg
ジョナサン顔怖い(ヴァレンタイン)        ママの所に行く!とそんなに簡単じゃありません  取ってつけたようなバッグミュージックが・・;

かつてヴァレンタインもシャドーハンターであったが、その野心から「聖杯」を使い、体内に妖魔を取り込み世界を支配しようと企んでいた。彼は既に妖魔の血を取り入れているので、妖魔を操ることができますが、再び聖杯を手に入れ、更なる野望を抱いていました。ママンをさらったのは彼の手下どもです。(コメディ役者みたいな演技です)。ママンは捕まる寸前に魔法使いから貰ったのであろうと思われる薬を飲んで意識を失います。母親探しの手がかりを見つける最中、サイモンが吸血鬼にさらわれたり、クラリーとジェイクはラブリーモードになってサイモンとアレクが嫉妬したりという恋愛描写があったり、彼らが危ないところを、変身したルークを先頭にした人狼男の集団に助けられたりします。やがて、クラリーは偶然にも自分の秘められた能力を見出すと、隠してある聖杯のありかがわかってしまうのです。そして、仲間と共に向かい、やっとのことで聖杯を手に入れます。持ち帰った聖杯を、事に詳しい研究所の先生ホッジに見せます。しかしホッジは、密かにヴァレンタインが自身にかかっている呪いを解くかわりに、聖杯を渡すという交換条件を交わしていました。こともあろうに、ホッジはその場でヴァレンタインを呼び出して聖杯を渡してしまうのです。

ゲームのボスキャラ登場みたいなときの音楽と共にヴァレンタイン登場~そして、クラリーとジェイクは出生の秘密を知ることになる?のです。
41xAKVSkaLL_20141119205643e51.jpg
クラリーはヴァレンタインから逃げ出す      妖魔を呼び寄せる五芒星を形作るヴァレンタイン       ホッジの入れ知恵

てなことで・・ヴァレンタイン「わーははは!おまいらは兄妹なのじゃ!」記憶を呼び覚ましてやろう。・・って、デコくっつけて「おっぉおっぉぉお」って・・・ひらけゴマ~?みたいな・・( ̄Д ̄;;ベタすぎてギャグにしか見えない!さらに、浮かんでるアレに気をとられて、ジェイスに反撃されるヴァレンタイン。ボケすぎでしょーーなんでこんな脚本?(折角のジョナサンの演技が・・涙)

41xAKVSkaLL_20141120061543c33.jpg
まーっ!この後、ジョナがジェイミー君と一騎打ちをやることになるなんで♪(ジェイスVSヴァレンタイン)このシーンは良かった♪

51Nj_2014112006341615a.jpg
ハンター達も妖魔と戦う                          ・・・・なんでこの立ち位置?幼稚園児でもわかるこの次のクラリーの行動。

てなことで、ヴァレンタインさんサヨナラ~♪o(*・▽・)ノ"
クラリーはママンを取り戻し、聖杯を守り、ヴァレンタインを同時限のどこかに飛ばしてやりました~。


[あとがき]
これ以上書くと、ツッコミみが止まらないので、この記事はこれでおしまいにします。次作では、吸血鬼に噛まれて、眼鏡が要らなくなっちゃったサイモンはどうなるのでしょう?そもそも何故、彼はハンターが見えていたのでしょう?彼はもしかしたら何かに?変身するのかもしれません。そして、ジェイスとクラリーは血が繋がった兄妹と思いこんでいるままです。どうなるのでしょう。ルーク役のエイダン・ターナーはいい演技でした。この作品自体が彼によってだいぶ救われているように思えました。次の活躍が楽しみです。ジョスリンママンとヴァレンタインを含めた過去のお話も出てきそうですね~。ついでに、今度はママンも活躍してほしい。などなど、作品の出来はどうであれ続きが気になります。映画派の私は原作は見ずに、次回「灰の街」の完成と公開を楽しみに待つことにします。※管理人はジョナサン・リス・マイヤーズのファンのため彼のキャプチャ多いです。


著者/カサンドラ・クレア
シャドウハンター ブルーレイ&DVD セット (初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
[監督]
ハラルド・ズワルト
[出演]
クラリー・フレイリリー・コリンズ
ジェイス・ウェイランドジェイミー・キャンベル・バウアー
アレク・ライトウッドケヴィン・ゼガーズ
イザベル・ライトウッドジェマイマ・ウェスト
サイモン・ルイスロバート・シーハン
ヴァレンタイン・モーゲンスターン ジョナサン・リス・マイヤーズ 
サミュエル・ブラックウェルロバート・メイレット
エミール・パングボーンケヴィン・デュランド
マグナス・ベインゴッドフリー・ガオ
ジョスリン・フレイ レナ・ヘディ
ルーク・ギャロウェイ/人狼 エイダン・ターナー
アラリック/人狼 ハリー・ヴァン・ゴーカム
マダム・ドロシアCCH・パウンダー
ホッジ・スタークウェザージャレッド・ハリス


★外部関連記事★

Laissez-moi rire!!/シャドウハンター 骨の街/ 辛口注意!
キャラクターは良いし(ヒロインかわいい)、設定もわりと好きだし、アクションも映像も綺麗。悪くはない。悪くはないんですがものすごく物足りなかったです。レビューで「原作を読んでないと置いてけぼりかも」という声があって事前に読んでいきましたが、まさにその通り。映像化したい部分を撮ってみました感があって、ストーリーの不在を感じました。これは原作を読んでないと結局何だったのかがわからないまま迷子になるかもしれません。ファンタジーは世界観をきっちり構築するのがミソなのに、そこを疎かにしたが為に浅いふんわりした仕上がりになっているんでしょう。世界観を理解するうえで大事な部分が描かれてないのは正直致命的だと思います。三部作で作るにしても、というか三部作にするならば一作目はもっと世界観構築の為の描写を入れるべき


2014-09-26(Fri)

ジャンヌ・ダルク/戦意の気息

1999年 フランス/アメリカ
ジャンヌ・ダルク(まえがき)イギリスとフランスの100年戦争終結の先導者となった、「ジャンヌ・ダルク」の物語です。時代は15世紀、ヴァロア家4代目「狂気王」シャルル6世は精神に異常をきたし国を統治できなかったため、国内ではその摂政の座をめぐり、弟のオルレアン公が率いるアルマニャック派と、従兄弟のジャン1世が率いるブルゴーニュ派とが対立。この混乱を期とし侵略してきたイングランドにより、フランスは北部の多くの領地を奪われていた。その渦中、シャルル6世の王大子4人が次々死んでしまうと、5男のシャルル(のちのシャルル7世)が王太子となった。彼は国内の混乱を収めるべく、ブルゴニュー派との和平交渉を試みたが、交渉の席において王太子を支持しているアルマニャック派がジャン1世(無怖公)を殺害してしまったことで交渉は決裂。父を殺された息子のフリップ3世(善良公)はこれによりイギリスと手を組んでしまい。王大子フィリップと全面的に対立。ブルゴニュー派の後押しもあり、シャルル6世妃イザボーはイングランドとの「トロワ条約」にサインをしてしまう。この条約はシャルル6世の娘カトリーヌとヘンリー5世が婚姻を結び、シャルル6世の王位はその終生まで認めることとし、その後はイングランドのヘンリー5世、またはその息子ヘンリー6世が後継者になるとしたもので事実上イングランド・フランス連合王国を実現するものであり、イングランドにとっては圧倒的に有利な条約だった。当然、王太子シャルルとアルマニャック派はこの決定を不服とし、イングランド連合軍に抵抗するが、シャルルの廃嫡を認めたトロワ条約は三部会で承認される。すると、1422年8月ヘンリー5世は赤痢で急死、同年10月にはシャルル6世も死去したため、事態は再び混迷をはじめる。イングランドはトロワ条約に則り、生まれたばかりのヘンリー6世をイングランド王位とフランス王位に就けた。これに対し王太子はシャルル7世を名乗り抵抗を続けていた。 しかし、フランスの多くの地がイングランドとブルゴーニュ公国での支配下となっており、そのひとつ、先祖代々が戴冠式を行っている「ランス」も、ブルゴーニュ領地内にあった為、シャルル王太子は戴冠式を行うことも出来ず、侵略してくるイングランド軍にも対し、打つ手がなかったという状態だった。

(あらすじ)
シャルル王太子の敵国イングランドはパリとルーアンを占領すると、フランスの戦略上の要衝地でもあったオルレアンを包囲。この地はフランス中心部への侵攻を防ぐ最後の砦であり、陥落が時間の問題であった。そんな危機的状況下に現れたのが「軍を駆逐し王太子をランスへと連れて行きフランス王位に就けよ」と、神より啓示を受けたと接近してきた、わずか17歳の田舎娘「ジャンヌ・ダルク」だった。

img3390683874788_2014092414375897b.jpg

当時、王太子シャルルはシノン城にいた。ジャンヌは彼に謁見するため訪れたが、シャルルは彼女が本当に神に使かわされた者であるのかと、自分の席に他の貴族を座らせ、自身は他の貴族の中に紛れ込んでいた。ジャンヌはそれを見破り、シャルルも他の貴族達もこれに驚いた。こうして王室ではジャンヌが本当に神の使いなのかと様々な審議と調査がなされ、さらに神からの印を提示せよとの要求にもジャンヌは答え周囲を納得させた。シャルルは「神の啓示」を信じ、王太子の義母ヨランド・ダラゴンもジャンヌが神の使者だと認め、彼女の要求どおり軍を与えた。こうしてジャンヌは、オルレアン目指し出発する。フランスの兵たちもジャンヌが神に使わされた者であると信じ戦いに望んだ。ジャンヌは先頭で旗を振り、兵隊の士気を鼓舞。イングランド軍に勝利してオルレアンを解放するという快進撃を果す。勢いに乗ったフランス軍は、イングランド軍に連戦連勝し、占領されていた領土を次々と取り戻していった。この連続の勝利に民衆は喝采を送り、多くの者が彼女の戦功を認め支持した。そして、1429年、王太子は取り戻したランスの地で「シャルル7世」として戴冠式を挙げる。

hanachanono-img600x450-1397116858c6exsa18021_20140924153427aa3.jpg

しかし、王になった途端、シャルル7世は安心し戦いに非協力的になってしまう。 彼はブルゴーニュ派やイングランドと話し合いによる和平交渉を進めようとしていた。ジャンヌは攻撃に行くべきだと進言した。しかし、すでに王となった彼には、ジャンヌは用済みの存在となっていたのだった。ジャンヌは王の考えを無視し戦いを続ける。パリに向かって、侵攻を進めるが戦局は困難を喫した。シャルル7世はこの戦闘でジャンヌが要求した援軍を送ることをしなかった。ジャンヌはパリを目前にしながらあと一歩のところで退却する。ジャンヌはシャルル7世に改めて兵を要求するも叶わず、少ない兵で侵攻を続けるが、案の定ブルゴニュー派に囚われてしまう。

img3390683874788_2014092500460973d.jpg

シャルル7世はジャンヌの身代金を払うことはしなかった、かわりにイングランドが彼女を買い受けてしまい、ジャンヌは敵に引き渡される。宣教師達の中には公平な裁判をしようとした者もいたが、イングランドがそれを許さなかった。理不尽な裁判と、男達の策略により陥れられ、ジャンヌは19歳で火刑に処される。


[あとがき]
この作品のジャンヌ・ダルクは、史実とはかけ離れているように思います。映画中では、彼女の心理描写として、「自身の良心」と対話をするシーンを取り入れていますが、その良心は彼女に自身の自惚れや思いあがりなどを認めさせて精神的に落としいれています。さらに、彼女はヒステリックで、感情の起伏が激しく、大勢の人々や兵士達に支持されたとは思えないような人物として表現されているように思えます。従って、戦いに挑む様にも兵士達に支持されている事が不自然に映るのです。戦闘シーンもジャンヌが喚いているセリフのセンスのなさに、白けてしまう部分もあり、さらに死刑台で体が焼かれるシーンを執拗に延々と撮影していることも、後味の悪さ極まりないです。また、作品中では戴冠後のシャルル7世が、和平交渉を進めて、ジャンヌが愚かにも、王の意を無視して勝手にパリに攻め込んで捕まったとなっていますが、実際にはそうではなく、ジャンヌは休戦すべきではないと判断し王に訴えるも、一旦、王の命に従い休戦しているのです。案の定、この休戦中に敵は和平交渉をすると見せかけて軍備を蓄えます。判断を誤ったのはシャルル7世でした。そしてブルゴーニュ公国との和平交渉に失敗したフランスは、再びジャンヌの兵をパリに向かわせたが、ブルゴーニュ公国軍には既に6,000人の援軍が到着しており、一方ジャンヌの軍には援軍は送られませんでした。彼女は兵士たちにコンピエーニュ城塞近くへの撤退を命じ、自身はしんがりとなって戦いぬく決心をします。これこそ聖女たる所以です。圧倒的な数の敵の兵士の前でジャンヌは矢を受け、捕らえられてしまう。ジャンヌは、常に「神」を前面に押し出し、フランスの指揮をとりましたが、それが当初から、戦いのための手段として緻密に計算し利用したものなのか、または精神的な疾患であったのか、それとも単なる思い込みだったのか、知る由もありませんが、いずれにしても、人々を魅了し、兵士の士気を上げて、次々と勝利したのは紛れもない事実です。ジャンヌの功績は、後年の多くの歴史人と歴代の英雄達も認める神話的形象なのです。そのカリスマ性をとことん追求して、「フランスを救った英雄」として描いていたら、たとえ最後は死刑台に登ったとしても、もう少しは、聖人たる所以を感じさせる作品に仕上げることができたのではないかと思うのです。実は作品の撮影当時、監督のリュック・ベッソンと主演のミラ・ジョボヴィッチは夫婦でしたが、公開の年に離婚しています。だから、ひょっとすると製作中は二人の関係は、かなり険悪だったのかもしれませんね。まるで、奥様に対する恨みが、出ちゃってるのかしら??・・とも感じられる、お粗末な仕上がり。史実のジャンヌが気の毒と思ってしまいました。

ジャンヌ・ダルク [DVD]


[監督]
リュック・ベッソン

[出演者]
ジャンヌ・ダルクミラ・ジョボヴィッチ
ジャンヌの良心ダスティン・ホフマン
シャルル7世ジョン・マルコヴィッチ
ヨランド・ダラゴンフェイ・ダナウェイ
ジル・ド・レヴァンサン・カッセル
デュノワ伯チェッキー・カリョ
アランソン公パスカル・グレゴリー
ドーロン デズモンド・ハリントン
ラ・イル リチャード・ライディングス
ジャンヌ〈幼少時代〉 ジェーン・バレンタイン
検索用/ミラ・ジョボヴィッチ/ダスティン・ホフマン/マルコヴィッチ/フェイ・ダナウェイ



[ジャンヌの裁判と死後]
10550818_885731464789431_1575978067476541207_n.jpg0013_20140927051903cef.jpg
当時、魔女は「非処女」とされていた。フランスがジャンヌを受け入れたのは、彼女が処女であったため魔女ではないと判断したというのも要因のひとつである。ジャンヌが牢に拘禁中、卑劣にもイングランドの宰相ベドフォード公ジョンの策略により、彼女を異端者として死刑にする為、レイプさせ、(作品中ではレイプシーンは省かれています。)男の服を与え、彼女はそれを身を守るため着用し、火刑となった。彼女が没してから、22年後、百年戦争は終結し、その数年後に、裁判のやり直しが提唱され、復権裁判が開始された。男物の着衣を身にまとう事は異端とされたがジャンヌは拘禁されていたため例外とされた。1456年7月、異端者の烙印を取り下げられ無実と殉教が宣言された。それから約500年後の1909年、ローマ教皇ピウス10世によって聖人に認定され、聖列に加えられた。


[シャルル7世(勝利王)]
tyanoo-img569x480-14009448434loe5845232.jpgヴァロア朝第5代のフランス国王。在位1422‐61年。シャルル6世の10番目の子で五男であるが、母イザボー・ド・バヴィエールは夫シャルル6世が発狂した後、王弟オルレアン公ルイと関係を持ち、トロワ条約でイングランド王ヘンリー5世の王位継承を認め、王太子シャルルがシャルル6世の子ではない事を示唆したという。イザボーはアルマニャック伯ベルナール7世、ジャン無怖公との関係も噂され、反対派から「淫乱王妃」と呼ばれていた。シャルルはその出生の疑惑に長い間悩んできた。トロアの和約では王位継承権を否認され、治世当初は非合法の王として、ブールジュを拠点にギュイエンヌを除く南フランスを統治するのみであった。しかし、幸運にもジャンヌ・ダルクの出現によって、フランス国王として正式に戴冠されることとなる。後に「フランスは女(イザボー)によって破滅し、娘(ジャンヌ・ダルク)によって救われた」との言葉が流布した。シャルル7世はジャンヌがコンピエーニュの戦いで捕虜となった時、ブルゴーニュ公にジャンヌをイングランド軍に引き渡した場合、王太子側の捕虜のブルゴーニュ派に対しても同様の扱いをするという脅迫紛いの特使を送ったという。しかし多額の身代金を惜しんだのか、あるいは国庫が底をついていたのか、一説では「小娘一人の命で済めば安いもの」と言ったか言わないか真実は判らないが、いずれにしてもジャンヌを見殺しにしたという側面からは歴史家達の評価は低い。シャルル7世はその後、ブルゴーニュ派と和解し、ブルゴーニュの兵と共にフランス軍は着実に勢力を伸ばし、1449年にはイングランドからルーアンを奪回、翌年にはフォルミニーの戦いでイングランド軍を破ってノルマンディーを奪回した。さらに1453年のカスティヨンの戦いでギュイエンヌを奪回し、彼はフランスにおけるイングランド領の大半を奪取すると共に、百年戦争に終止符を打った。シャルル7世はその後、荒廃した国内の復興に励み、財政の再建や官僚機構の整備などを行ない高い評価を得ている。しかし晩年は王の退位を謀っていた息子ルイ11世との対立に苦しみ、51歳で死去した。一説には息子との争いで毒殺を恐れ食事を拒み餓死したのではないかとも推測されている。

※ヴァロア家はシャルル7世の孫、7代目君主シャルル8世で本流は断絶する。王位はヴァロア家3代君主シャルル5世の玄孫ヴァロワ=アングレーム家のフランソワ1世に移り、その息子アンリ2世の(当初は)庶子とされた子孫がヴァロア家の末裔、首飾り事件の「ジャンヌ・ド・ヴァロワ=サン=レミ」に繋がる。(ヴァロワ=アングレーム家も5代続くが、僅か14年程度で断絶している)



◆内部関連記事◆

ヴァロア家の末裔もジャンヌ、でもこちらは悪女?→マリー・アントワネットの首飾り


★外部関連記事★
しづのをだまき/映画「ジャンヌ・ダルク」
ジャンヌ・ダルクについては10歳のころ「オルレアンの少女」(シラー原作か)をカバヤ文庫で読み鮮烈な印象を受けた。20歳ごろバーナード・ショーの「聖ジョーン」これは皮肉とユーモア満載で、悲壮感はなく、とても面白かった。独・英のジャンヌと違うのは、仏らしい合理主義が出ていて、ジャンヌは声や幻も「自分の見たい、聞きたいと望むものを見て、聞いたのだ」と納得するし、幼いとき突然傍らに刀剣が出現したというのも、その可能性を様々な例を挙げて、奇跡ではないと説明している。主演女優ミラはウクライナのキエフ生まれの23歳で、当時監督の妻でもあった。自分の名前すら書けない単純無知な田舎娘を演じるのにピッタリだと見込まれたわけだが、この映画の後、ほどなく離婚している。

2014-05-27(Tue)

上海の伯爵夫人/光りを失った男の純愛 その1

2005年 イギリス/アメリカ
上海の伯爵夫人日中戦争勃発1年前の中国、故郷の内戦により上海に亡命したロシアの「伯爵夫人」と、火災で妻と息子、更に事故で娘を亡くし、自身も失明した、かつては腕利きの外交官だった男のロマンス。歴史背景が色濃く再現され、その流れのなか消滅しつつある貴族たちの爵位の呼名が、儚く耳に残ります。 レイフ・ファインズは当然ですが、真田広之の演技に驚かされた作品でした。

[あらすじ]
男の名は「トッド・ジャクソン」、アメリカ人である。彼はある日、クラブで日本人「マツダ」と知り合った。ジャクソンは自分のバーを作りたいと考えており、クラブの話を始めると彼と意気投合した。外の世界から隔離された「夢のバー」だ。それに必要なのは、まずは理想的な女性だとマツダに語る。マツダが先に帰った後、盲目になってから、人の話し声がよく聞こえるようになっていた彼の耳に入ってきた会話のなかで、店内のホステスの中に、かつてロシアの「伯爵夫人」だった女性がいることを知る。彼女の名前は「ソフィア」。この当時、伯爵夫人のホステスなど、珍しいことでもなく、ジャクソンは彼女の存在を、特に気にもしなかった。
ソフィアの夫は既に他界しており、彼女は愛娘カティアと、夫の妹、義母と叔母夫婦と暮らしていた。当時、大勢のロシア人の貴族や官僚、資本家などのブルジョアジーが国外へ亡命し上海にも逃げてきたロシア人は多かった。ソフィアはホステスとして働き、一家の暮らしを支えていた。当時の上海にはかつて「伯爵」「伯爵夫人」と呼ばれていた貴族達が、中国人の下でみすぼらしく労働したり、女性ならばホステスとして生きていく事も止むを得ない事だった。しかし彼女の親族達は「貴族の肩書き」では食べていけないという事を全く判っておらず、ソフィアの事を「ふしだらな女」と辛くあたっていた。



hanachanono-img600x450-1397114321zdetfm14616.jpg

そんな彼女は店内で、盲目のジャクソンが、二人組みの悪党に狙われている事に気づく。彼女は彼が襲われないよう、それとなく自分のお客であるかのように腕を組んで店を出て行くことを促します。ジャクソンは自分の夢をかなえる、理想の女性だと直感し店をオープンさせる見込みをつけると、ソフィアが必要であると彼女をスカウトした。そして夢のバー「白い伯爵夫人」をオープンさせた。二人はその関係を仕事上だけと取り決め、お互いプライベートな事に触れることはなかった。こうして1年が経過した頃、上海を離れていたマツダが店に訪れた。

hanachanono-img600x450-1397064673s3fsbe6944.jpg

バーは繁盛し、マツダにはジャクソンが理想としていた世界を作り上げたように見えた。しかしジャクソンは「政治的緊張感」が足りないと言う。店を出たマツダは最初は理解できなかったが、後にそれがどういうことか気づく。そして彼は再び店を訪れ、「共産党関係者」「国民党関係者」「中国軍人」「日本貨物船の船員と日本の実業家」彼らを店に呼び寄せることを手助けすると告げた。こうして最終的な店作りがマツダの協力によって実現した。まるで二人で模型都市でも作るかのように・・。ジャクソンは、外の世界ではバラバラの彼らを、店の中ではバランスよく配置した。ジャクソンは彼らを呼び寄せる事ができるマツダが、一体何者なのか問いかけたが、彼は、はっきりとは答えなかった。

ある日、ジャクソンが、カフェでラジオを聴いている横を、ソフィアと娘カティアが通りかかった。仕事以外では一切の関わりを絶っているソフィアは、そのまま通り過ぎようとしたが、カティアがこの盲目の男が、母親の勤務先のクラブの人だとわかってしまう。何故、母親が何も声を掛けず通り過ぎたのか理解できなかったが、彼女はジャクソンのところへ駆け寄り彼に懐いた。彼も亡くなった娘の姿を重ねた。

hanachanono-img450x600-1395123938oxszqn66813_20140527012359852.jpg
カティアが言う「おじさん、ママと私を船で蘇州に連れてって」以前、他の子が蘇州へ船で行くのを見た彼女にとっての憧れの船の旅だ。

外の世界では、共産党と国民党の対立、日本軍の不穏な動きも強まっている。そんな世界を遮断したバーの中は、ジャクソンにとって理想世界だった。一方、マツダは、外の世界に、より大きなキャンパスを描いていたが、バーの中は、自分の責任を忘れ、語り合う充実した空間だった。そんなあるとき、かつて部下の息子でジャクソンを慕っていた青年が店に訪れた。このとき、彼からマツダが何者なのか聞いてしまう。その答えは明確な物ではなかったが、「マツダが現れた場所」は、その後日本軍がやって来て占領する・・・というものだった。

hanachanono-img600x450-1397064673cih5da6944.jpg

あるとき、特権階級を忘れられない叔母夫婦は用もないのに領事館に行った。すると昔の教え子に偶然再会。それを切欠に香港行きを手配してもらうことが出来た。しかし金が要る。イギリス領である香港に行けば、安定した暮らしができると愚かな義母と義妹は思い込んでいた。ソフィアは義妹にお金が必要だと言われ、金を用意し義母に渡した。無論お金の出所はジャクソン。彼はソフィアの様子に気がつき、理由を言わなかった彼女にお金を渡したのです。ジャクソンはそれが渡航費用であり、お金を渡せば彼女は戻ってこないことも察知していた。さらに同時期に日中戦争が勃発。いずれにせよ上海を脱出しなければ危険な状態となる。しかし義母らは、ソフィアの旅券だけを買わなかった。彼女のクラブ勤めは伯爵家の汚点だから上流階級の人々に受け入れてもらえない。ソフィアは上海に残ること、それがカティアの将来の為と言われ、娘だけを連れて行かれた。見捨てられた彼女は娘との別れに悲しみ、部屋で泣き崩れていた。それを知った下の階に住んで親しくしていたユダヤ人のサミュエルは娘を取り返して、一緒にマカオへいこうとソフィアを説得した。こうして二人は港へ向かう。

tyanoo-img523x419-1347094963koarok81563.jpg

一方ジャクソンは混乱の中、店に行った。他のところにもう夢はない。そんな彼の前にマツダが現れる。マツダにとってもこのバーで過ごした、彼との時間はかけがえのないものであった。そして、この世界を理解していた唯一の人物である。しかし彼の、外の世界での、より大きなキャンパスは、「白い伯爵夫人」を消失させるものだった。マツダはジャクソンを安全な場所に連れ出そうとするが、ジャクソンは拒んだ。マツダは、店を去る前に、ジャクソンに「白い伯爵夫人」は命尽きるが、あなたは、別の世界を作るべきではと伝えた。そして、その伯爵夫人が数分前に港に向かっていたのを見かけたと伝えた。こうしてマツダはジャクソンに最後の道を示してバーを立ち去った。

hanachanono-img450x600-1395123938oxszqn66813_20140527025438d95.jpg

ジャクソンは、ひとつの望みを賭けて、手探りで港を目指し歩き出した。彼はその耳でカティアの居場所を探り、彼女を見つけ、ソフィアとも再会。マカオの船に乗り込んだのです。そして、彼は自分の望みを伝えます。今度は、契約でもなく、友情関係でもありません。混乱の最中、かけがえのないひとつの家族が生まれたのです。その様子は、いつか、カティアが港にあった箱の中で見た映像と同じ光景でした。

hanachanono-img600x450-1397938549vsaxn47671_201405270240102f2.jpg

とても良い脚本です。これを手がけたのは長崎県出身の日系イギリス人作家「カズオ・イシグロ」という方。日系人だった事でさらに驚きました。彼は小説では多くの賞を受賞していて、いくつかの作品が映画化されています。当作品は日本人の中国侵略時代が舞台なので、あまり日本人受けしないかもしれませんが、真田広之が演じるキーマン「マツダ」が、レイフのような一流俳優と肩を並べても、全く見劣りしない事が嬉しかったです。また、ナターシャ・リチャードソンの母親のような愛情を表した演技も合っていましたね。若くして亡くなられている事が寂しいですが・・。ところで、ソフィアを虐めた親族たちの末路はというと・・・実は、納得できるようにしてあります。ポルトガル領であったマカオは、この当時、戦禍に巻き込まれることはありませんでした。一方、ソフィアを見捨てた親族が向かった、イギリス領の香港は、この4年後に、日本軍がイギリス軍を放逐し占領します。唯一、ソフィアに優しかった、ボケてた叔母は早く老衰で亡くなっていればいいなと思いました。(フィクションなので、日本侵略前にお迎えがきたことにしましょう) 何故ならその後、「外国人収容所」「強制労働」という現実が待っているからです。


[監督]
ジェームズ・アイヴォリー
[出演]
トッド・ジャクソン          レイフ・ファインズ
ソフィア・ベリンスカヤ伯爵夫人 ナターシャ・リチャードソン (2009年3月18日/満45歳没)
マツダ                真田広之
グルシェンカ            マデリーン・ポッター
ピョートル・ベリンスキー公爵   ジョン・ウッド
ヴェラ・ベリンスカヤ公爵夫人  ヴァネッサ・レッドグレイヴ
オルガ・ベリンスカヤ        リン・レッドグレイヴ (2010年5月2日/満67歳没)
カティア・ベリンスカヤ       マデリーン・ダリー
サミュエル              アラン・コーディナー



★外部関連記事★

株式日記と経済展望/映画 『上海の伯爵夫人』 上海の夢が戦乱で泡と消える映画
それはそれとして、望外の喜びもあった。真田広之の堂々たる紳士振りだ。目を疑うほどに素晴らしい演技で、魅了させてくれた。なにしろ、あの、レイフ・ファインズに一歩も引けを取らず、それどころかファィンズを圧倒さえしていた。真田の秀逸な演技を観るだけでも充分な価値がある。真田の役どころは、上海で暗躍する謎の日本人だ。酒場で元外交官のレイフ・ファインズと語り合い、友情を深め、次第に盲目のレイフの心の中にまで忍び入り、やがてはレイフを翻弄するまでになる。この難しい役を、真田は見事なまでに演じ切った。映画を観る前までは正直なところ、これほど重要な役だとは想像だにしていなかったので、驚きと喜びが入り混じった視線で食い入るように眺めていた。レイフといえば、英国の中年紳士を演じさせれば右に出る者がいない、優雅な俳優だ。その男を相手に、真田は正々堂々互角に渡り合っているのだから、凄い。
 

2014-01-07(Tue)

終戦のエンペラー ボナー・フェラーズ/日本の行方を変えた名もなき将校

2012年 アメリカ
終戦のエンペラー小学生低学年の頃、母に尋ねたことがある。「どうして日本は戦争に負けたのに日本でいられたの?」と。母はこう答えた。「戦争が終わり、マッカーサーというアメリカ人がきて、天皇陛下は彼に「戦争の責任は全て自分にあり、その命で行われた限り、他にはただ一人の戦争犯罪人はない。」と、天皇は死刑を覚悟してマッカーサーにそう言ったから、今でも日本があるのよ。」

当時、子供だった私は「天皇とは何か」なんて全く理解などできなかったが、この作品は、子供の頃の私と同じように天皇の存在の意味が理解できないアメリカ人が、戦後の天皇の扱いを決定するまでの流れを描いている。主人公は実在した情報将校であるボナー・フェラーズというアメリカ人。敗戦直後にマッカーサー元帥と共に、彼の副官として来日した。彼は学生時代、日本の女子英学塾留学生と交流があり日本に関心を深めていた。当時、フェラーズが友人と会うと記して頻繁に出かけていた事、その女子留学生が帰国後も彼女に会いに来日していた事にも着目し、映画の製作者は恋愛が絡んでいる可能性がある事を想像し、この部分をフィクションとして作り上げている。しかし歴史の記録の中で個人の恋愛感情まで記録されるわけは無くすべてフィクッションとは言い切れない可能性も秘めているということも、頭の片隅におきながら鑑賞しました。

フェラーズは、この戦争の真の責任者を探るべく任務を受けその調査をしていきます。すなわち、この戦争における昭和天皇の役割を明確にするための調査だったのです。期限は10日間。物語はシナリオどおり淡々と流れ面白いかと言うと歴史物なのでそうではない。けれどクライマックスで子供の頃、母に聞いていた想像通りの情景が映し出されたときに感動の涙が一粒。そして作品を観た後に改めて、国が存在することの幸せと、日本人は天皇と同じ種の精神を持つという誇りを感じました。日本人なら一度は見ておいたほうがよい映画です。そしてこれから生まれてくる子供達への贈り物のような作品でもあると思います。
18-85_201401080248264a8.jpg
昭和天皇 昭和64年1月7日崩御 感謝と哀悼の意を込めて。 


終戦のエンペラー [DVD]
[出演]
ボナー・フェラーズマシュー・フォックス
ダグラス・マッカーサー トミー・リー・ジョーンズ
島田あや 初音映莉子
鹿島西田敏行
高橋羽田昌義
昭和天皇片岡孝太郎
木戸幸一伊武雅刀
関屋貞三郎夏八木勲
近衛文麿 中村雅俊
東条英機火野正平



(昭和天皇とダグラス・マッカーサー)
18-85_201401080520269c8.jpg1945年8月15日昭和天皇による玉音放送をもちポツダム宣言受諾を表明。大東亜戦争は終結した。9月27日、昭和天皇は、敗戦国の国家元首としてマッカーサーが滞在するアメリカ大使館に出向き会談した際、マッカーサーは昭和天皇の真摯な姿勢に感銘を受ける。当時、連合国のソ連とイギリスを中心としたイギリス連邦諸国は、天皇を「戦犯リスト」の筆頭に挙げ「処刑すべき」という声が上がっていた。しかし、マッカーサーは、もし天皇を処刑した場合、日本に軍政を布かなくてはならなくなり、ゲリラ戦に陥る可能性を予見していたため、ソ連やイギリスの意に反し天皇を丁重に扱うことで、安定した占領統治を行うつもりだった。

マッカーサー自身は、天皇が、敗戦国の多くの君主がそうするように戦争犯罪者として起訴されないよう命乞いをするのではないかと予測していたが、昭和天皇は命乞いをするどころか「戦争の全責任は私にある。私は死刑も覚悟しており、私の命はすべて司令部に委ねます。しかしながら罪のない8000万の国民が、住む家も着る物も食物も無く苦しんでおります。温かい閣下のご配慮を持って、どうか国民が生活に困らぬようご高配を賜りますように」と述べられました。

マッカーサーはこの時の事を『回想記』にこう記している。「死をともなうほどの責任、私が知り尽くしている諸事実に照らしても明らかに天皇に帰すべきではない責任まで引受けようとされた。この勇気に満ちた態度に、私の骨の髄までもゆり動かされた。私はその瞬間、私の眼前にいる天皇が、個人の資格においても日本における最高の紳士である、と思った」と。そして、この時マッカーサーは、こう返答したという。「かつて、敗戦国の元首で、このような言葉を述べた人物は、世界の歴史にも前例がないことと思う。私は陛下に感謝したい。占領軍の進駐が事なく終ったのも、日本軍の復員が順調に進行しているのも、これ総て陛下のお力添えである。これからの占領政策の遂行にも、陛下のお力を乞わねばならぬことは多い。どうか、よろしくお願いしたい」マッカーサーは、立ち上がり昭和天皇の前へ進み、天皇の手を握りしめて、「私は、初めて神の如き帝王を見た」と述べた。会見後、マッカーサーは、自ら昭和天皇を玄関まで見送った。
こうして、マッカーサーは、ソ連やアメリカ本国からの「天皇を処刑すべき」という主張を退け、自ら天皇助命の先頭に立つこととなる。

当然の事ながら、戦後間もない日本人は飢え、苦しんでいた。12月頃、昭和天皇は当時の農林大臣に「国内で多数の餓死者を出すようなことは耐え難い」と、皇室の御物の目録を大臣に渡し「これを代償としてアメリカに渡し、食糧にかえて国民の飢餓を一日でもしのぐようにしたい」とおっしゃった。こうして、マッカーサーの元へ御物の目録が差し出されると、それに感激したマッカーサーは、「自分が現在の任務についている以上は、断じて日本の国民の中に餓死者を出すようなことはさせない。かならず食糧を本国から移入する方法を講ずる」と請け合ったという。それからはどんどんアメリカ本国からの食糧が移入されるようになり、飢えた国民に食糧が届けられるようになった。

6年後マッカーサーは、大統領から更迭を指示され日本を離れた。1955年重光外相は安保条約改定に向けダレス国務長官との会談の為、アメリカへ渡った。このとき、昭和天皇は「もし、マッカーサー元帥と会合の機会もあれば、自分は米国人の友情を忘れたことはない。 米国との友好関係は終始重んずるところである。特に元帥の友情を常に感謝して、その健康を祈っている、と伝えてもらいたい」と外相に伝えた。重光外相はニューヨークにいたマッカーサーを訪ね、昭和天皇の言葉を伝えた。マッカーサーは、「私は陛下に出会って以来、戦後の日本の幸福に最も貢献した人は天皇陛下なりと断言するに憚らないのである」と語った。さらに、マッカーサーは昭和天皇と初めて会見した日のことを重光外相に、こう語った。「もし国の罪を贖うことが出来れば進んで絞首台に上がることを申し出るという、この日本の元首に対する占領軍の司令官としての私の尊敬の念は、その後ますます高まるばかりでした。陛下は御自身に対して、いまだかつて恩恵を私に要請したことはありません。とともに、決して、その尊厳を傷つけた行為に出たこともありませんでした。どうか日本にお帰りの上は、私からの挨拶と親しみの情を陛下にお伝え下さい。その際、自分の心からなる尊敬の念をも同時に捧げて下さい」とその思いを語った。



★外部関連記事★

正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現 陛下のお言葉と全国ご巡幸
天皇陛下のご聖断が遅かったのではない。そもそも天皇陛下には御一人で御決断を下される権限は付与されていなかった。アメリカは、最初から何が何でも原爆を投下するために、日本に和平を決断させないような工作をしていた。米国は、日本にポツダム宣言を受諾させないために意図的に降伏条件を不明確にした


2013-12-13(Fri)

シビル・ガン 楽園をください/ ミズーリの戦う男達

1999年 アメリカ
Ride with the Devil舞台は1861年のアメリカ・ミズーリ州。南部11州が連合政府を結成。南北戦争が勃発する。その中で実在した組織、南側のゲリラ部隊に入隊した男達の物語。彼らは南部兵として前線に出ると、故郷を守れないとあえて正規軍にはいらず、限定した地域(ミズーリ州とカンザス州の境界あたり)で侵略してくる北軍や、北軍寄りの略奪者を相手に戦った。しかし、彼らは、洋画タイトルRide with the Devil「悪魔に同乗する」と言う意味のごとく、家族を殺された主導者の復讐の呼びかけに士気高まり、ローレンスの町になだれ込んで、武器を持たない大勢の男性と少年を惨殺してしまう。しかし、これは決して当初の彼らの意図では無かったはずでした。そんな渦中にいた男達の心境と、その後の心の旅立ちを描いた作品です。

[あらすじ]
ドイツ系移民のジェイクは、隣のジャックと親友同士であり平和な日々を過ごしていた。北軍が侵略してくることを予測したジェイクの父親は、ドイツ人には無関係と言って息子ジェイクをセントルイスへ非難させようとする。ドイツ系移民は北部寄りのドイツ人軍隊の入隊する事が一般的であった為、ジェイクは入隊を望んだが。息子を守りたい父親はそれを許さずセントルイスに行くことを命令した。その夜、ジェイクは、ジャックの家が襲われていることに気づく。襲撃してきたのはローレンスの町から来た北軍のゲリラ狩りをしている兵士だった。ジャックの父は息子を寸前で逃がした。ジェィクとジャックが落ち合ったその場所からジャックの父親が敵に殺されるのを目撃。彼らはそのまま逃亡する。

一年後、二人は南軍派のゲリラ部隊に入っていた。北軍に入るべきジェイクがジャックと行動を共にするには南軍ゲリラとなるという選択が自然の流れだったのでしょう。彼らは北軍の軍服を着用し敵の目を欺きながら戦っていた。ある日、二人はリーダーのブラック・ジョンと他の仲間と共にジャックの父親を殺し、自分達の村でゲリラ狩りをしていたローレンスの兵士5人を見つけ殺した。二人にとってはジャックの父親の敵討ちとなったが、情け容赦ないピットは北軍の兵士を断れずに酒を飲ませていた、店の主人まで殺してしまう。

lloopsk_20131213014633d1f.jpg
ジョージとホルト                    女性を外に出すまで銃撃中止。          頬を撃ち抜かれるターナー

彼らの生活は、各地域の野営地を渡り歩き、冬になると森の中で冬篭りをする。ゲリラとはいえ「故郷を守るために戦う男達」として地元の住民は彼らに協力的だった。冬が迫っていたある野営地で、二人は金髪のジョージと彼の奴隷、黒人のホルトと出会い、森の中で4人で冬を越すことになります。ジョージはホルトを奴隷としてではなく親友として扱っていた。そんな中、食料を運んでくれる村の女性スーリーとジャックは恋に落ちる。ジャックはスーリーとの結婚を考えていた。しかし、村は襲撃を受け、向かったジャックは撃たれて命を落としてしまう。
ジェイクとホルトは行き場をなくしたスー・リーをケイプの親戚に預け、再び野営地に向かいます。

1447.jpg

二人は仲間と再び落ち合う。先に森を出ていたジョージ。その間にホルトはジェイクと何時も一緒にいるようになっていた。以前なら、ジョージがいつもホルトと一緒だったのですが・・。ジョージは何か言いたげでありながらもホルトに対して何も言わなかった。一方、ブラックは、身内の女性が北軍の収容所の建物の崩壊事故により亡くなり、復讐に燃えていた。彼は集団の指導者クァントリルの襲撃隊を呼び合流。クァントリル襲撃隊の指揮者アンダーソンも自分の身内を亡くしており復讐を目論んでいた。彼らは、ゲリラを統率しローレンスの町になだれ込むのです。

1447_20131213023454fe7.jpg
嫌味を言うピット                   ホルトに何か言いたげなジョージ         アンダーソン

ローレンスでは戦う相手などいなかった。攻め込んだ彼らは町の男性と少年を次々殺した。
そんな中メンバーの一人の男が言う。「こんな戦いがあるか?」


1447_2013121302480064c.jpg

ジェイクはピットに殺されそうになる老人と子供を庇った事でピットと対立。  隊がローレンスの町を出ると、その後を敵が迫る。

lloopsk_20131213025826c70.jpg

北軍と戦闘になり銃撃の最中、ジェイクは敵ではなくピットに故意に足を撃たれてしまう。ホルトはピットを狙ったが敵の弾にあたり、咄嗟にジョージはホルトに駆け寄るとジョージは運悪く敵の銃弾にあたり致命的な傷を負いそのまま死んでしまう。

1122336_20131213032049ddd.jpg

負傷した二人は傷を治す為、ケイプとブラウン牧場へ。スーリーは、なんと、子供が生まれていた。彼らは自らの今後を模索する。ローレンスで虐殺を行った南部ゲリラの隊に戻るという選択肢はもうない。戦争は終わりが見えていたが、ケイプは正規軍で戦うと出て行った。ジェイクとホルトはお互いの体の傷が癒えるまでたっぷりと時間はあった。やがてホルトは母親を探す旅に出ることを決めた。そしてジェイクは・・。

お世話になったブラウン牧場を後にして3人は旅立ちます。旅の途中、生き残り北軍に追われているピットとターナーに遭遇する。ジェイクはピットを警戒したが、ゲリラは既に壊滅しておりピットは、もう争いの意図などないようだ。彼は生まれ故郷ニューポートに向かうという。北軍が大勢いて殺されるとジェイクは忠告するが、ピットは聞かなかった。ターナーも運命を共にするという。冷酷で陰険なピットではあるが、ターナーは彼の別の何かを知っていたのだろうと想像させます。この物語には故郷を目指すピットの身辺の話は一切出てきません。しかし、敵の母親の手紙を読んだときに、顔色も変えずセリフも無かったけれど、手紙から一番近いポジションにいたのはピットであり、このシーンでは、彼がスクリーンの中心にいたことを、この作品を観たことのある人は気づいたでしょうか。

1122336_20131213034706e39.jpg

[あとがき]
男の友情などと一言では表現できない彼らの心情や、決して女を殺さないという男の鉄則。人を虫ケラのように殺す残忍なピットでさえ例外ではありません。そして監督のアン・リーは、伝えたいことをあえて隠し、想像する糸口だけを残しているようにも思えました。詩情溢れる人間ドラマでもあり、南部男の心意気も気持ちいい。完璧な印象ではないけれど、とても良い作品だと思います。


[Pit who acted by Jonathan Rhys-Meyers]
01-10.jpg

シビル・ガン 楽園をください [DVD]

[監督]
アン・リー
[主な出演者]
ジェイク・ロデルトビー・マグワイア
ジャック・ブル・チャイルズ スキート・ウールリッチ
ピット・マッキーソンジョナサン・リース=マイヤーズ
ブラック・ジョンジム・カヴィーゼル
ダニエル・ホルトジェフリー・ライト
スー・リー・シェリージュエル(シンガーソングライター)
オートン・ブラウントム・ウィルキンソン
ジョージ・クライドサイモン・ベイカー
アルフ・ボーデンマーク・ラファロ
ライリー・クロフォードトーマス・ギリー
ターナー・ ロールズマシュー・フェイバー
ケイプジョナサン·ブランディス(2003年11月12日/満27歳没)

Jonathan Brandis
  メインキャストの男性、実は、美形俳優ばかり使っています。
  特に、ケイプ役 ジョナサンを上回る美形!と思って調べたら、なんと彼もジョナサン。
  残念なことに27歳で自殺し、この世を去っています。子役の頃からTVで活躍していて、
  キャリアは同年代の中では一番長かったはずなのに・・
  映画の出演はこの作品が最後だったようです。
  いい役どころだったのに・・残念。
  (ネバーエンディング・ストーリー第2章の子役でした)


ジョナサン·ブランディス



[クァントリルの襲撃隊とアンダーソン]
ウィリアム・クァントリルはアメリカ合衆国のゲリラ戦指導者であり南北戦争が勃発すると南軍に身を投じ大尉として「クァントリルの襲撃隊」と呼ばれるゲリラ部隊を率い、カンザス州やミズーリ州で北軍と北軍寄りの人間に対し、残酷なゲリラ活動を続けた。当時、この地域で最も傑出したゲリラ指導者だった。1863年初期、後にクァントリルにかわりゲリラ指導者となるアンダーソンはジャクソン郡に行って、クァントリルの隊に加わった。アンダーソンはゲリラ戦の腕を上げ、クァントリルの信頼を得た。アンダーソンの姉妹達は北軍支配下の領域で情報を収集して南部ゲリラを助けていた。しかし、北軍はゲリラの動きを挫こうと考え、彼女らを逮捕し他の多くの女性達とともに、カンザスシティにある建物に投獄した。。その拘禁中に建物が倒壊しアンダーソンの姉妹の一人が死んだ。その建物は北軍兵によって意図的に破壊工作が行われていたという噂が広まった為、アンダーソンはそれが仕組まれたことだったと確信し、その復讐に掛けることになった。その矛先となったのがローレンスの町であった。

同年8月クァントリルの襲撃隊はローレンスで住民を襲い虐殺。アンダーソンは指導的な役割を果たした。その後、アンダーソンとクァントリルは対立する。アンダーソンはクァントリルを殺人事件に巻き込み、南軍当局に逮捕させた。その後アンダーソンは襲撃隊の指導者としてミズーリ州に戻り、州内で最も怖れられるゲリラとなった。1864年9月、アンダーソンはミズーリ州セントラリアへの襲撃で旅客列車を捕獲し、列車の中にいた北軍兵を殺し、さらにその日遅くに北軍民兵隊100名以上を待ち伏せし殺した。これはセントラリア虐殺と呼ばれることになり、南北戦争中でも最大級かつ残酷なゲリラ活動となった。その1か月後、アンダーソンは戦闘中に殺された。一方、クァントリルは1865年5月、ケンタッキー州で北軍の奇襲を受け死亡した。

南部ゲリラは略奪や暴行をほしいままにしたと伝えられているが、もともと人権意識が低かった当時の軍隊と比較しても、クァントリルの襲撃隊だけが飛びぬけて凶悪な部隊であったとは言い切れないという見方がされている。尚、映画中ではアンダーソンが一部だけ登場したが、クァントリルは登場人物の会話の中で名前が出るだけである。その為、ゲリラ全体の動きがわかりずらくなっている印象を受ける。




◆内部関連記事◆
南北戦争の終結と奴隷解放を同時に行ったその方法とは→リンカーン ダニエル・デイ=ルイス


★外部関連記事★

読書と映画 読んだ本、見た映画について感想を書いています。【洋画:歴史】 シビル・ガン 楽園をください
「自由は人から与えられるものではないんだよ。」他人から与えられるのではなく、自らが勝ち取ったものにこそ価値がある、そんなアメリカ的思想を感じるやりとりでした。アメリカの黒人が、南北戦争以降、公民権運動などで自由と人権を・・・

2013-09-21(Sat)

灼熱の魂 ルブナ・アザバル/戯曲『焼け焦げるたましい』

2010年 カナダ
Incendies.jpg社会的、歴史的背景が強い映画かと思ったらサスペンス的で人間ドラマ的要素のほうが強い作品でした。未見の方は詳しいあらすじと結末は見ないで視聴されたほうがいいかもしれません。なので、以下、簡単なあらすじになります。結末はご想像で、又は観てみて下さい。

カナダに住んでいた双子の兄妹はある日、母ナワルとプールサイドにいましたが、ある事をきっかけに母親の意識が突然朦朧となり、まもなく亡くなった。公証人が開示した彼女の遺書には「棺に入れず全裸でうつぶせの状態で埋葬し墓石はなし、私の名前はどこにも刻まないこと」というものだった。但し、彼ら双子の「父親」と「兄」を探し出し、夫々に手紙を渡すことができれば、自分の墓に墓石を置き、名前を刻んでも良いという内容だった。双子の兄弟はこのとき初めて、死んだはずと思っていた「父親」の存在と知りえなかった「兄」の存在を聞かされた。双子の兄シモンは母はイカレてる捉えていた為、彼らを探し出す事に消極的だった。しかし、妹のジャンヌは若き日の母の写真を頼りに亡命前にいたレバノンに、母のルーツを探るべき旅立った。そこでジャンヌが知った、母親の悲しく壮絶な人生・・・。

内戦時代より少し前のレバノン。宗教対立の中、母、ナワルは禁じられた恋により子を身ごもっていた。しかし彼女の兄弟に、ナワルと恋仲であった男は殺されてしまう。その後出産。ナワルの子は孤児院へ。この子が、彼らの「兄」である。村に居られなくなったナワルは祖母の言いつけにより村を出て大学へ行くが、すぐに内戦が始まってしまう。大学は閉鎖。山の中に非難を促されるがナワルは息子を探しに旅立った。しかしナワルが息子と会えることは無かった。孤児院は焼かれていたのだ。その後、ナワルは罪を犯し服役。ジャンヌは自分達が刑務所で生まれたことを知る。ショックを受けた彼女はシモンに知らせ、彼もレバノンに到着した。兄妹はさらにその先の物語を探っていくが、この調査の先にさらに驚愕の事実があった。

ナワルは息子は死んだという徹底的な証拠がないまま、社会民族党への怒りにより人を殺します。しかし、復讐をしたことで人生の歯車は狂い数奇な運命をたどることになります。登場人物の人間描写は、決して美しくはありません。行方がわからなかった「兄」という人物は、自身の母親を思う気持ちが表現されてはいましたが、彼は川に「いつものように」わが子を捨てようとしました。「痛いところ取り」が多すぎて、なんともいえない感情になります。そして題名から想像していたとおりのイメージの作品でした。映像は、瓦礫や赤茶けた土、ボロボロに剥がれた壁。けっして美しくは無いものが、絵画と間違えそうなぐらいに、美術的に撮られているところも多く、しっかりした作りのストーリー。
にもかかわらず、私は感情移入できませんでした。もし自分だったら?・・記憶を閉じ込めて墓場まで持って行くだろうと思うから。
(それじゃぁ小説にも映画にもならない・・・ですけどね)

墓石には名前が刻まれます。そしてその前に立つ男。

登場人物達はみな冷静です。視聴している我々のほうが衝撃を隠せないような作品です。運命のいたずらとはいえ、双子の兄弟が傷つくことを知りつつも、非常な事実と自分が母親であることを伝えたのは彼の傍に居てあげられなかった、母の懺悔の想いではなかったのかと感じました。男性には語ることさえ、許されないようにも思える難しい作品です。理解することなど到底不可能なのですから。

灼熱の魂 [DVD]

[監督]
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
[出演]
ナワル       ルブナ・アザバル
ジャンヌ      メリッサ・デゾルモー
シモン       マクシム・ゴーデット
公証人ジャン    レミ・ジラール
アブ・タレク    アブデル・ガフール・エラージズ



★外部関連記事★

★Movies that make me think★灼熱の魂 (原題:Incendies) <2010/加=仏> ★★★★★
フランス語のカナダ映画はほとんど観たことがなく、英語のカナダ映画は割と軽いという印象のが多いので、本作もそんな感じかと気軽に構えていたら、とんでもない衝撃にガツンとやられた。 レバノン出身のカナダ国籍の演劇人ワジディ・ムアワッドの戯曲を映画化したもので、そのオリジナルの舞台は「焼け焦げる魂」というタイトルで日本でも上演されている。

2013-09-15(Sun)

シェルブールの雨傘/実写版ヨーロッパバービーの恋物語

1964年 フランス
Les Parapluies de Cherbourg「カトリーヌ・ドヌーヴ」が主演の名作。1950年代後半から1960年代のフランスが舞台となっているミュージカル映画。映像はパステルカラーでコーディネイトされつくされて、ヨーロッパバービーのような世界。二人のデートにはカラフルな傘、劇場にダンスホール。そして彼女の家とお店。どこを見てもその明るい色彩に魅了される。そんな映像を背景にして歌われる名曲、同じタイトルのテーマソング。これだけでもこの作品の価値がありますが、セリフが一言も無して作られている。それが独自な世界を作っている作品。もしセリフが一言でも入っていたら現実世界に近づいてしまうから、これはこれでいい。絵に書いたような単調なストーリだけれど、製作から50年を経ているにも関わらず、新鮮味を感じる作品です。

物語は互いに相手を想いながらも、報われなかった恋を描いたもの。二人は当時起こっていたアルジェリア戦争によって離れ離れになり、それぞれ別々の道を歩いていく。数年後、偶然再会した二人の時間はとても短く彼女は幸せかと声に出して彼に尋ねた。男は彼女の近況を聞くことも無く、すぐそこにいる娘のそばにも行かなかった。彼は自分に与えられた道を大事にしていくことで物語は幕を閉じる。残酷とも誠実ともとれる彼の言葉は彼女にとって悲しい事だっただろう。気持ちはあの頃のままだとしても、この先に二人のストーリーの続きがあってはならない。彼は少ない言葉と態度でそれを伝えた。ラストシーンは息子と戯れる彼の姿。この少女カラーのバービー的メロドラマの主人公は、この男のように思えた。

123ssj.jpg

シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]



 [監督]
  ジャック・ドゥミ

 [出演]
 ジュヌヴィエーヴ・エムリ  カトリーヌ・ドヌーヴ
 ギィ・フーシェ         ニーノ・カステルヌオーヴォ
 エムリ夫人          アンヌ・ヴェルノン
 エリーズおばさん       ミレーユ・ペレー
 ローラン・カサール      マルク・ミシェル
 マドレーヌ            エレン・ファルナー

 ★受賞★
 カンヌ国際映画祭 グランプリ

 ※歌は全て吹替えによるものです。



★外部関連記事★

りのりこ日記 シェルブールの雨傘にみる壁紙術
これは主人公の家の居間ですが、どうですか、この壁紙コーディネート。私はこんな提案できません。でも、フランスではありますね、こういうことする人が結構。そして、古い家具や大きな照明や額縁などと合わせて、そんな壁紙に負けない空間を作っています。ちらっと左奥の部屋も見えますが、これまたすごい色づかいです。でも、人がきれいに見えたり、インテリアが映えたり、映画を見ていると圧倒されるんです。

2013-09-11(Wed)

シャイン ジェフリー・ラッシュ/精神障害を持つ実在の天才ピアニストの物語

1996年 オーストラリア
20060317011432_201309100656006fa.jpg実在の天才ピアニストであり精神病患者である『デイヴィッド・ヘルフゴット』をジェフリー・ラッシュとノア・テイラーが演じ、ジェフリーが主演男優賞を総なめにした作品。高評価なのは知っていたがシンプルなタイトルとジャケットで何故か未見だったもの。物語は後半の折り返し地点のシーンから始まり、その現在と彼の少年期からの物語を交互に映し出していく構成で作られている。何故、天才と期待された彼が障害者となってから、こんなに孤独な状況になったのか?青年期まで一見、健常者と変わらなかったのに、これ程変化させる病気とは何なのか?という疑問を持ちながら鑑賞しました。

メルボルンに生まれたデイヴィッドは幼少の頃より父親からピアノを習っていた。彼の才能に気づいた音楽教師がその才能を育てたいと申し出ます。家庭が貧しく父はそれを拒否しましたが息子がラフマニノフと演奏することが彼の夢でもあり、結局父はその教師の元へ行き「レッスン代は支払わない」と言いデイヴィッドを託した。個人レッスンを受けるようになり、やがて青年になった彼は音楽コンクールで受賞。アメリカ留学の招待を受けます。しかし父親は反対し招待状を燃やしてしまいます。このときのデイヴィッドのショックは言うまでもありません。その後、再び大きな音楽コンクールで2位を獲得したデイヴィッドに、今度はイギリス留学のチャンスがめぐってきます。この時も父は反対しますが、あきらめきれなかったデイヴィッドは、二度と家族に会うことはできないと言い放つ父の言葉にも屈せずイギリスへと旅立ちます。

ロンドンに留学したデイヴィッドは有能な恩師にも恵まれ、ピアノの腕前も上達。青年として成長していく一方で彼の病気の兆候は少しづつ現れ始めていた。そんなある日、デイヴィッドのコンクールへの出場が決定する。彼は幼い頃から父親にいつか弾きこなすように言われていた、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を選曲した。厳しいレッスンを経て出場。精神を研ぎ澄まし素晴らしい演奏をした彼は、演奏終了後舞台で倒れてしまう。そして、次のシーン。診察台の上に横たわるデイヴィッドの頭には、脳波を調べる機材が・・。


 十数年後、デイヴィッドは精神病院にいた。医者にピアノを弾いたため病気に
 なったと診断されていた彼はピアノを長いこと弾いていなかったが、ある日、
 かつて彼のファンだったという年配の女性に引き取られます。しかしすぐに彼
 の行動を持余した女性は、彼女の知人(引受人)のアパートの一室に放りだす。
 その部屋には汚れて鍵盤があちこち剥がれたボロボロのピアノがありました。
 彼は再びピアノを弾き始めます。あまりにも長く弾いている為か、他の部屋の
 住人に罵倒されたりもします。そんなある日、一日中ピアノを弾いている彼に
 引受人は散歩を薦めます。その隙にピアノに鍵を掛けられてしまいます。
 散歩に出た彼はというと、迷子になり家に戻れなくなっていました。そして、
 彼はワインバーに入り込みますが、そこにいた女性が彼を障害者と理解し家
 まで送ってくれたのです。こんな出来事が彼の人生の転機となりました。 



部屋に帰るとピアノは鍵を掛けられ弾くことが出来ません。翌日、どうしてもピアノを弾きたい一心の彼は、例のワインバーに行き、客が大勢いる中、ピアノを勝手に弾き始めます。天才の弾くピアノ、あっという間に店はそれが評判となり大繁盛。話題となり新聞に彼の記事が載ります。それを見た父は一度だけ彼の前に姿を現します。親子の再会は、お互いに必要としているのに物悲しくあっけなく終わります。

20060317011432_201309110446478a8.jpg

ある日、店の女性の友人の占い師の女性と出会い、その彼女にプロポーズをします。彼女は婚約者がいましたがデイヴィッドを選びました。彼はありのままの自分で結婚の意思を伝え、人生を切り開いたのです。そして妻となった彼女の支えにより再び彼のリサイタルが開かれました。演奏を終えた会場にはかつての恩師や家族が大勢の観客と共に拍手を送っている。しかしそこには、もう父の姿はありません。
そして歓声を浴びる彼の目には涙が・・・。 



この作品の一番の見所は何といっても『ラフマニノフ』の演奏シーンでしょう。映像とピアノ音楽を融合させ彼の精神状態を幻想的に表現させる場面は芸術的です。作品の作りとしても『ラフマニノフ』の演奏で倒れてからその後の十数年がバッサリ省略されており、さらに細かいところの割愛も多く、無駄なシーンやセリフが一切ありません。しかし大事なことだけはしっかり伝えており、見ごたえがあります。ピンポイントとして、息子と父親のメガネを取り上げており、メガネが彼らのその時期の状況を表しているところも見逃せません。物語は父親との確執を主に取り上げられており、父親はアメリカ行きもイギリス行きも反対したことに対し、何故この親は息子の夢をかなえようとしないのかと疑問に思いました。金銭面の理由もあったのかもしれません。しかしそれ以上に彼の精神病が関係していたのかもしれません。父親は彼の精神病の予兆を察知していたようです。父は息子が成功する事を心の底から願いつつも、自分の手から離れる事が許せない心境と彼を世間にさらし本人が傷つくかもしれない恐れとの葛藤がそんな矛盾を生み出したのかもしれません。私には健常者である父親の精神のほうが病んでいるようにも見えました。それでも、彼にピアノを教えたのは父。ピアノがなければただの障害者で孤独な人生を歩んでいたかもしれない息子に父は最良のものを残しました。、精神医学が現在程、解明されていない当時「ピアノをやったから病気になった」と医者に言われるも、結局のところ、彼はピアノによって救われているのです。そして彼のようなケースは、親身になって保佐する人がついていなければ、才能は時の波に埋もれてしまう可能性もある事もこの映画は伝えているようにも思えます。同時に、精神障害者にとって本当に必要なものは何か。という事を考えさせられました。彼にとってはそれは伴侶であり彼女と人生を共にする事で、再び輝きを取り戻すことができたのです。
何かが欠落していて、生きていくのが困難なとき、それを補い合う人がいることの素晴らしさ、というのをつくづく感じた作品でした。

シャイン [DVD]
すべては愛に―天才ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットの生涯

[監督]
スコット・ヒックス
[出演]
デイヴィッド・ヘルフゴット       ジェフリー・ラッシュ
デイヴィッド・ヘルフゴット(青年期)  ノア・テイラー
デイヴィッド・ヘルフゴット(少年期) アレックス・ラファロウィッツ
ピーター・ヘルフゴット(父)      アーミン・ミューラー=スタール
ギリアン                 リン・レッドグレイヴ
セシル・パーカー            ジョン・ギールグッド

★受賞★
[アカデミー賞] 主演男優賞(ジェフリー・ラッシュ)
[ゴールデン・グローブ賞] 主演男優賞(ジェフリー・ラッシュ)
[英国アカデミー賞] 主演男優賞(ジェフリー・ラッシュ)/音響賞



デイヴィッド・ヘルフゴット
20060317011432_20130911053743fb1.jpg 
  1947年 オーストラリアのメルボルン生まれ。

  留学したイギリスでは、ラフマニノフのピアノ協奏曲第三の演奏を含め大学で数々の賞を
  受賞。しかし彼の師匠のパースと作家キャサリンスザンナプリチャードの死亡によって
  病気が悪化する。(統合失調感情障害
  
  1970年に帰国し最初の夫人クレアと1971年に結婚。しかし結婚生活が破綻し、
  その後、精神病棟に収容され10年以上にわたり、向精神薬や電気痙攣療法
  などの精神療法を受ける。

  1984年妻のジリアンと再婚。~国内だけでなくヨーロッパでも演奏活動を行った。
  現在はニュー・サウスウェールズ州ハッピー・ヴァリーにジリアン夫人と暮らし、
  自宅「ヘヴン」にて演奏会を続けている。

 ※映画は脚色されており、事実とは一部異なる箇所があります。

デイヴィッドと妻のジリアン










★外部関連記事★

ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番

 可愛いヘルフゴットさんに注目               もう少し聞きたい?

2013-07-25(Thu)

女王ファナ/夫の屍とカスティーリャを彷徨した姫

2004年 スペイン
444777889_20130725054404.jpg16世紀に狂女と呼ばれた実在した姫様の物語です。夫を失った後、老いて亡くなるまでの47年間、幽閉されて生涯を送った。ハプスブルグ家の嫁であり、カスティーリヤとアラゴンの王権を持ち、スペイン両王の娘にして神聖ローマ皇帝5世の母。生まれながらに地位と名誉を持っていたが、嫉妬を引き金に精神が欠落した女の人生を描いている。

1496年、フアナ王女は16歳でハプスブルク家のブルゴーニュ公フィリップの元へと嫁ぎます。これは国益のための政略結婚であったが、18歳の夫のフェリペは美男子で、彼女はたちまち彼の虜になった。二人は大変仲がよかったが、やがてフィリップは、フアナに浮気の現場を目撃される。夫を愛し過ぎていた彼女は嫉妬のために、精神が錯乱して数々の奇行が始まる。浮気現場のベッドのにおいを嗅ぎ、夫との関係が疑わしい侍女の頭を刈り上げたり、衣装箱に閉じ込めたり、夫の首にナイフを近づけたり、醜い侍女ばかりを付けるようになったり。狩りに行った夫に尾行をつける、夫を嫉妬させる為に幼なじみの騎士を利用して彼を陥れる、ハサミを脚に突き立てるなどの数々の凶行を繰り返す。嫉妬に狂っている時のファナの数々の行動には夫のフィリップもうんざり・・・。

さて・・二人のこの先の運命は・・フアナ王女は生涯幽閉、フィリップは亡くなります。
こんな「悲劇」の終幕になるまでを描いた愛憎劇。



物語は脚色により史実とは異なる部分が多いです。狂人をモチーフにしている脚本なのだから、嫉妬 怒り 狂気 の感情をもっと激しく表現して欲しかったというのが感想。やったことをサラリと流してしまったような作りが残念。「愛と憎しみは紙一重」的な激しいファナを見たかったです。侍女の髪を切るなら鬼のような形相でハサミを持って追い回すとか。記録からイメージするファナより、この作品の彼女は大人しいです。また、夫の死後、その遺体について彼の故郷に運ぶが「遠くて運べませんでした」なんて事になっちゃってるけれど、ここは史実どおりのほうがインパクト強いでしょう。エロチックな映像が思いのほか多かったのですが、それよりも彼女が幽閉されるまでの政治的な背景が乏しく、コチラに時間を使って欲しかったと思いました。なので、歴史映画としての出来栄えは最低。でも、中世のヨーロッパは近親婚が多い為、「歴史上の知っている誰か」と繋がっているのを発見する事も多く、そういう側面からみれば少しは面白いかもしれません。ファナは先日投稿したエリザベスゴールデンエイジに登場する有名な「無敵艦隊」のスペイン王フェリペ2世の祖母になります。またファナの兄弟の一番下の妹は、キャサリン・オブ・アラゴン(スペイン名はカタリーナ)でイングランド王ヘンリー8世の最初の妻でした。ファナはヘンリー8世の義理の姉だったことになります。キャサリンはチューダーズ <ヘンリー8世 背徳の王冠>に登場しています。

女王フアナ [DVD]

[監督]
ビセンテ・アランダ
[出演]
フアナ      ピラール・ロペス・デ・アジャラ
フェリペ     ダニエレ・リオッティ
アルバロ     エロイ・アソリン
ド・ヴェイル伯爵 ジュリアーノ・ジェンマ


夫を狂愛しすぎた女王 フアナ( 1479年11月6日 - 1555年4月12日)カスティーリャ女王「狂女王フアナ」の異名で知られる人物


444777889_20130725035138.jpg1479年カスティーリャ女王イサベル1世の夫で共治王であるフェルナンド2世がアラゴン王に即位。カスティーリャ・アラゴン連合王国(スペイン王国)が成立する。
この年にフアナは次女として生まれた。知性豊かで信心深く真面目な少女であった。

1496年にハプスブルク家のマクシミリアン1世の長男で、ネーデルラントの領主の、
ブルゴーニュ公フィリップと結婚。フアナの兄フアンもフィリップの妹マルグリットと翌年に結婚しており兄弟同士の二重結婚であった。夫フィリップは「美公」「端麗公」という通称通りでフアナは惹かれ、二人は愛し合い、2男4女をもうける。しかし真面目なフアナは夫の不実を許すことが出来ず人目をはばからず激昂することもしばしばで、フィリップの心は離れていった。夫への猜疑心に駆られ次第にフアナの精神状態は不安定になっていく。

1497年兄フアンが夭折し彼の妻マルガリータは男児を死産。翌年、姉のイサベルが亡くなり2年後その子供も相次いで亡くなる。このように王位継承権のある兄弟と子が次々に亡くなったため、フアナがカスティーリャの王位継承者に指名された。

1501年フアナは夫フィリップとともにカスティーリャに渡る。しかしフィリップは翌年には臨月の妻を一人残し、故郷に帰ってしまった。フアナはショックで精神状態が悪化。子どもの養育も困難となり子供達は、かつてのフアナの兄嫁マルグリットや父フェルナンド2世に育てられた。彼女が王女に即位した後に生まれた四女のカタリナのみ手元に留め置かれた。カタリナ出産後フアナは夫のいるフランドルに戻る。

1504年11月に母イサベル1世が死去、フアナは再度カスティーリャに渡る。ブリシンゲン港より海路で出発。歴史家レイモン・ド・ブランカフォールによれば、嵐に遭った折、当時の習慣により同乗させていた売春婦たちを積荷と共に海に流そうとしたとき、フアナは「足手まといを海に捨てなければいけないのならば、まずはこの女達を食い物にした殿方から始めましょう。それに彼女達を船に乗せた者どもも。もちろんその点では公爵殿下(フィリップ)も言い訳は許されません。なぜなら今私たちは、悪事を働いた者であれば、それが王であろうと平民であろうと等しく罰を下される方に慈悲を乞おうとしているのですから」と言い放ったという逸話がある。

帰国しフアナはカスティーリャ王位に就いた。夫のフィリップは「カスティーリャ王フェリペ1世」を名乗り、妻との共同統治を主張したが、議会では「王の配偶者」としか認められなかった。フィリップはカトリック両王と敵対していたフランスに接近したり、フランドルの貴族たちにカスティーリャの土地を分け与えたりしたため、国内の貴族達を敵に回し支持を失う。フアナは夫の愚行には従わず国内貴族たちの支えとなった。

123698_20130725035153.jpg1506年フィリップは突然死する[毒殺説も有]。これによりフアナは完全に正気を失う。夫を埋葬せず棺を運び出し半年~1年以上[諸説有]馬車でカスティーリャ国内をさまよい続けた。彼女は、度々棺を開けて「復活」を信じ夫の遺体にキスをした。王室礼拝堂のあるグラナダを目指したとも。そうすれば夫が復活するとそそのかした占い師がいたからだとも言われている。1508年、フアナは父王によって国内の城館に幽閉。「狂女」と呼ばれる。父死去後、長男カールが迎えられスペイン王カルロス1世として政務を代行。フアナは死ぬまで退位を拒み続けた。

彼女の精神障害は遺伝的な要素もさることながら、政治的な思惑の中で翻弄され精神を圧迫したことが大きいと思われ彼女自身、自分の行動を自覚している節もあったようである。歴史研究者によると彼女は正気を保っていたが父はイサベルの死後は前女王の夫という立場でしかなく国の統治に関与できなかった為、娘が正気をなくしていれば自分が後見人として統治できると意図的に「フアナが狂った」という噂を流したという説もある。
1877年フランシスコ・プラディーラ作「狂女王フアナ」[プラド美術館]



★外部関連記事★

アンダルシアの古都グラナダの王室礼拝堂 カトリック両王の後継者となった女王フアナ
精神を病んでいた女王フアナが亡くなり、古都グラナダの王室礼拝堂に埋葬された(上の画像が女王フアナのお墓)のは、西暦1555年のことだった。つまり、あのスペインの黄金時代の君主カルロス1世(カール5世)が正式に単独で王となったのは西暦1555年のことなんだね。実質的には祖父のアラゴン王フェルナンド2世が亡くなった西暦1516年から彼が君主として統治していたんだけど。

ブログ内検索
ブログ内ページランキング
外部アクセス元ランキング
プロフィール

ちゃのりん

Author:ちゃのりん
映画から歴史を探るのが好きです。
俳優&映画紹介と、ノンフィクション映画の実在の人物像も探ります。


★好きな俳優★

ジョナサン・リースマイヤーズ

ssssj.jpg


お気楽ブログ55011enn_20150420222943fef.jpg


アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
183位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
洋画
18位
アクセスランキングを見る>>

にほんブログ村 映画ブログ 外国映画(洋画)へ
にほんブログ村 歴史ブログ 世界史へ

新作映画情報「ぴあ映画生活」ドラマ
アクセスカウンター



RSSリンクの表示


お役立ち
ブログ翻訳
favorite
・★前田有一の超映画批評★

・映画ライター渡まち子の映画評

・死ぬまでに一度は行ってみたい場所

・イナダ・ラングエイズ研究財団(ILFAR)稲田頼太郎

・NPO法人イルファー稲田頼太郎
(One Coin のご寄付を!)

・薬屋のおやじのボヤキ

・世界飛び地領土研究会
・欧州:世界遺産めぐり

・不思議館 古代の不思議

・KIKIの今日

・面白いおすすめ映画20選!騙されたと思って観て欲しい【最新版】

カテゴリ
最新トラックバック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アクセスランキング
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。