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2015-10-01(Thu)

永遠のマリア・カラス/ディーヴァへの想い

2002年 イタリア/フランス/イギリス/他
永遠のマリアカラス世界的に有名なオペラ歌手、マリア・カラス。これは彼女の生誕80周年を記念して作られたもので、伝記映画ではなく、生前、彼女と交流のあった監督フランコ・ゼフィレッリが、彼女の晩年の一時期を架空で描いた創作映画です。古い雰囲気を演出するためか、1980年代の頃の映画のような画質で、あえて映像の鮮明度を落としているような感じで作られてます。マリア・カラスは、20世紀最高のソプラノ歌手と言われていた女性ですが、声の絶頂期は僅か10年ほどであり、難役を歌い続け声を酷使したことに加え、ダイエットや1960年ぐらいから海運王「オナシス」と恋仲になり、何年も続いた不摂生な生活により、声量は失われていったといいます。次第にオペラの出演は減っていき、1974年の日本公演が最後の公式な舞台となったのですが、これが散々な出来で失意に陥り、隠遁して人々の前に姿を現さなくなります。 そして、この公演から僅か3年後の53歳で亡くなっています。 監督は彼女が隠遁していた、この僅かな期間の出来事として、彼女がプロデューサーに説得され、絶頂期の頃の彼女の歌声に、本人が口の動きを合わせて、オペラ映画「カルメン」を作り上げるという内容のものを制作したのです。その過程の中で、吹き替えを使うことへの心の葛藤や、妥協を許さない天才としての本能、周りと協調などしないヒステリックな性格など、彼女がどんな女性であったのかというのを再現しています。カラスを知っている人物だから、予測できうる展開でストーリーを作り上げたのでしょう。映画の中での歌劇「カルメン」は、これだけで、まるまる一本作ってほしいと思うほど魅力的でしたが、そこはメインではないでので、さほど長い時間を取っておらず、もっと観たいという名残惜しさが残りました。「恋に生きる女」としても名の上がる情熱的なカラスを演じたファニー・アルダンのエロババアぶり?(失言ww)も良かったです。スペインの妖艶な男優もでてきました。今でも世界中の人を魅了し続けるマリアカラス。もし彼女が生前中に、このようなオファーが実際あったとしても、本物ではないという偽りを許せなかったのではないでしょうか。上手く歌えなかった時の彼女の言動や行動は、まるで失敗作を砕く芸術家と同じだという印象を受けます。実際、声の調子が悪い時に、大勢の観客を残したまま、ステージを降りてしまったこともあった方でした。生声で歌い続けてきたカラスは、この作品中でも結局「カルメン」をお蔵入りにしてしまうのですが、現代となっては、もし現実に、こんな作品が制作できていて残っていたら素晴らしかったでしょうね。カラスの歌声とファニーの熱演で作られたこの「永遠のマリア・カラス」は、そんな夢が少しだけ実現したと思えるものでした。ちなみに、この3年後の2005年には『マリア・カラス 最後の恋』が制作されています。ケネディ大統領の奥様だったジャクリーンに愛しいオナシスを取られてしまって・・云々・・といった人生劇。若き頃からのカラスについて知りたいという方には、こちらの作品もおすすめです。

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永遠のマリア・カラス [DVD]

[監督]
フランコ・ゼフィレッリ
[出演]
マリア・カラス  ファニー・アルダン
ラリー・ケリー  ジェレミー・アイアンズ
サラ・ケリー   ジョーン・プローライト
ミッセル     ジェイ・ローダン
マルコ      ガブリエル・ガルコ



◆内部関連記事◆

こちらにも登場しているマリア・カラス→グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札

★内部関連記事★

イタリア映画紀行/永遠のマリア・カラス CALLAS FOREVER
オナシスと別れた後、パリで隠遁生活を送っていたカラスに何度か舞台への復帰を呼びかけたりしたのだが、たえず拒否されたことも事実。本作は、もしそのときカラスがYESといってくれたなら、という作品です。実際のところカラスの世間一般のイメージは全盛期の素晴らしいカラスや、映画に出てくるような誇り高いカラスというイメージよりも、恋にも破れ、歌姫としても盛りを過ぎて人間嫌いになって引きこもった孤独な女性というのが、世間の彼女に対するイメージだったのではないでしょうか。そう、この映画は、そんなカラスではなく、偉大なカラスを後世に伝えるためにゼッフィレッリが執念で作った映画なのではないでしょうか?


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