アクセスランキング
--------(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2014-05-20(Tue)

プラトーン/正義と悪の不透明な境目

1986年 アメリカ
Platoon.jpgこの作品タイトルの「プラトーン」とは、軍隊の編成単位で30名~60名程で構成された小隊の呼称。アメリカとソ連の冷戦の代理戦争と言われたベトナム戦争を舞台として、実際にこの戦争に偵察隊員として出向き、その惨状を目の当たりにした監督オリバー・ストーンが、前線で戦う男達の姿を、架空の人物を用いて描いている。多くの賞を受賞し、反戦映画として代表的な一本です。

[あらすじ]
主人公のクリス・テイラーは恵まれた家庭の息子だった。彼は、底辺層の若者だけが職と金を求めて次々とアメリカ合衆国軍に徴兵していく社会に反発し、通っていた大学を中退しベトナム戦争に志願した。国の為と、理想を掲げ戦地に臨んだ彼は、カンボジア国境付近の、アメリカ陸軍第25歩兵師団に配属された。この時期のカンボジア国内の国境付近には、カンボジア国王のシアヌークが北ベトナム軍を駐在させていた。テイラーたちの敵は、このカンボジアに駐在している北ベトナム軍ということになる。当初、彼は戦地での経験で学ぶことが多いだろうと考えていたが、そんな志などあっというまに崩れ去ってしまう。想像を超える過酷さと、死への恐怖。彼もまた、他の兵士達と同様に次第に生き残ることだけに必死になっていく。勇敢に戦い国に帰還するという目的などもろくも崩れ去ってしまうのです。
そんな現実から逃避するかのように、兵士たちの間では、ドラッグが蔓延している。テイラーはそんな環境にも次第に慣れてゆく。さらに「プラトーン」(小隊)内は分裂していた。小隊長のバーンズと班長のエイリアスが対立し、ただならぬ気配であったのだ。ある日、北ベトナム人が逃げ込んだ近くの村の扱いをめぐり、その対立は決定的なものとなる。村の近くで仲間を殺され怒りに燃えるバーンズは無抵抗のベトナムの民間人を虐殺する。その虐殺を止めたエイリアス。

hanachanono-img450x600-1395123938oxszqn66813_201405200527279fd.jpg

また、その村にいた少女をレイプしようとした兵士達を止めたテイラー。上官は見て見ないフリ。この作品に登場する人物達は一見、善人と悪人がはっきりしているように見えます。エイリアスは、バーンズの虐殺行為を軍法会議にかけると告発の意思を示しますが・・。

悪い事など判りきっているバーンズの仲間達は彼をけしかける。「軍曹がなんとかしてくれるさ。」分裂状態の隊の士気など高まるはずもなく、さらに上官は正しい判断ができない。そして厄介ごとを排除したいバーンズは、人気のない場所でエイリアスと鉢合わせすると、彼を銃で撃つのです。その後、テイラーは森でバーンズに会うのですが、エイリアスは死んだと聞かされる。ヘリに乗りこんで間もなくすると、負傷したエイリアスが敵に追われ、ヘリコプターを追いかけてジャングルから走り出してくるのを目撃する。しかし、彼を助けることが出来ずエイリアスは力尽き、最後は天を仰ぎ大地に倒れこんだのです。この時テイラーはこれがバーンズの仕業であると確信しバーンズに強い殺意を抱く。エイリアスの死はテイラーを変えます。仲間を殺されて怒るバーンズと同じように。その後の戦闘の最中、テイラーはバーンズに殺されそうになるのですが、「判断力が欠落し自分だけ穴ぐらに隠れている愚かな上官」の空爆命令により、仲間が戦っている頭上に爆弾が落とされるのです。幸いにも、バーンズに殺される寸前だったテイラーは、これで命拾いをしたわけですが・・・。その後テイラーは一線を超える。この「一線」はバーンズもかつて超えた一線だったはず。物語の最後、バーンズは死に、ティラーは移送されるヘリの中で、この体験から、これから自分に何ができるかを考えるのです。

hanachanono-img600x450-1397938549vsaxn47671.jpg

[あとがき]
見終えて思ったことは、バーンズを一言で「悪」と決め付けることはできないということ。仲間の死に怒る彼の表情、爆薬を受けた仲間の体から噴出する無数の弾を何とかしようと、衛生兵と叫びながら素手で弾を取り出そうとする姿。どうにもならないのに。この作品は、彼をただの悪人としてはいないところがポイントとなっている気がします。両手を挙げて天を仰ぐ、エイリアスの最期にも匹敵します。戦争が彼を変えてしまった。「邪魔するものは仲間でも殺す」そんなバーンズの最期は堂々としたものだった。彼は隊を統率し引っ張ってきた。任期を終えることを心待ちにしているほかの兵士の中において、本気で戦った彼は戦争によって自身の中の多くのものを「捨ててきた」のだろう。そんな姿が、もの悲しく映った。

hanachanono-img450x600-1395123938oxszqn66813_201405200630383b1.jpg

戦争から生き残り帰還したテイラーはエイリアスでもありバーンズでもあります。そしてテイラーはそれを自覚しています。彼らの敵は北ベトナム軍だけではなかった。 戦地において、心を病ませる本当の敵は軍の内部にあり、それに流されてしまう、あるいは見失ってしまう自分自身だと伝えている。 テイラーは「反戦運動に繋がる行動」を観客に示し、物語は静かに幕を閉じます。最後のテイラーのセリフは、当時のベトナムの地を去る時のオリバー・ストーンの思いそのものだったのでしょう。きっと自分自身を重ねていたのだろうと感じます。

プラトーン〈特別編〉 [DVD]

[監督]
オリバー・ストーン

[出演] 
クリス・テイラーチャーリー・シーン
バーンズ2等軍曹トム・ベレンジャー
エイリアス3等軍曹 ウィレム・デフォー
バニーケヴィン・ディロン
ハロルドフォレスト・ウィテカー
レッド・オニールジョン・C・マッギンリー
ラーフランチェスコ・クイン
ハリス大尉 デイル・ダイ
キングキース・デイヴィッド
フランシスコーリー・グローヴァー
ウォルフ中尉マーク・モーゼス
ウォーレントニー・トッド
ジュニアレジー・ジョンソン
ガードナーボブ・オーウィグ
ガーター・ラーナージョニー・デップ
  検索用/チャーリー・シーン/トム・ベレンジャー/ウィレム・デフォー/ケヴィン・ディロン/フォレスト・ウィテカー
★受賞★
[第59回アカデミー賞]  作品賞、監督賞、編集賞、録音賞
[第44回ゴールデングローブ賞]  ドラマ部門作品賞受賞/監督賞/助演男優賞(ベレンジャー)
[第41回 英国アカデミー賞] 監督賞、脚本賞
[第2回 インディペンデント・スピリット賞]監督賞、脚本賞



ベトナム戦争(資本主義VS.共産主義の対立)
ベトナムの独立と統一をめぐる戦争。ホー・チ・ミンが建国した社会主義のベトナム民主共和国(北ベトナム)と、これを認めないアメリカなどの資本主義国がベトナム南部にベトナム共和国(南ベトナム)を作り、北ベトナム側にはソ連・中国などの共産主義陣営が支援、南ベトナム政府側にはアメリカなどの資本主義陣営がそれぞれ支援し、1960年前後から1975年まで続いた戦い。アメリカでは徐々にその犠牲の大きさから、ベトナム反戦運動が活発化する。アメリカ政府は撤退を決定し、1973年に撤兵が完了した。その後、1975年にサイゴンが陥落して南ベトナムが敗戦。翌年に南北が統一された。



◆内部関連記事◆

アメリカ軍撤退後に起きた隣国「カンボジアの悲劇」→キリング・フィールド

★外部関連記事★

マスコミに載らない海外記事/もうひとつのアメリカ史”: オリバー・ストーンとオバマとベトナム戦争
主としてベトナム戦争を扱うエピソード7では、画面に釘付けにされてしまった。ストーンは、戦争を生々しく描き出して、ベトナムで兵士だったことで彼が感じていた罪悪感を償っている。・・息子がミライに行った母親が、あるジャーナリストに言った言葉。“私は軍に良い子を渡したのですが、軍は人殺しを返してくれました。”だがアメリカ国内で何が起きようとも、ベトナムで起きたことには到底かなわない。お互いさま等とというもの等全く存在せず、そういうものがあったと発言するのは非常識だ。アメリカ合州国がベトナムやカンボジアやラオスで行なったことは、20世紀における最悪の残虐行為に比肩する。

スポンサーサイト
ブログ内検索
ブログ内ページランキング
外部アクセス元ランキング
プロフィール

ちゃのりん

Author:ちゃのりん
映画から歴史を探るのが好きです。
俳優&映画紹介と、ノンフィクション映画の実在の人物像も探ります。


★好きな俳優★

ジョナサン・リースマイヤーズ

ssssj.jpg


お気楽ブログ55011enn_20150420222943fef.jpg


アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
168位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
洋画
15位
アクセスランキングを見る>>

にほんブログ村 映画ブログ 外国映画(洋画)へ
にほんブログ村 歴史ブログ 世界史へ

新作映画情報「ぴあ映画生活」ドラマ
アクセスカウンター



RSSリンクの表示


お役立ち
ブログ翻訳
favorite
・★前田有一の超映画批評★

・映画ライター渡まち子の映画評

・死ぬまでに一度は行ってみたい場所

・イナダ・ラングエイズ研究財団(ILFAR)稲田頼太郎

・NPO法人イルファー稲田頼太郎
(One Coin のご寄付を!)

・薬屋のおやじのボヤキ

・世界飛び地領土研究会
・欧州:世界遺産めぐり

・不思議館 古代の不思議

・KIKIの今日

・面白いおすすめ映画20選!騙されたと思って観て欲しい【最新版】

カテゴリ
最新トラックバック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アクセスランキング
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。