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2014-02-10(Mon)

アンナ・カレーニナ/貴族世界の檻

2012年 イギリス
アンナ・カレーニナロシア帝国時代のレフ・トルストイの小説で、何度も映像化されてきた有名な物語です。2012年に公開されたこの映画は、ジョー・ライト監督と、キーラ・ナイトレイの三度目のタッグで製作されたもの。この作品は、演劇を鑑賞しているような、面白い作風に仕上げていて、カット無しで何シーンも場面が変化したり、カメラ移動だけでストーリーをつなげていったり、カーテンを開けたら、別の場所へ移動していたりと、凝った演出技法が物語を簡潔明瞭にしていて、長編小説の映画であるにも関わらず、限られた時間で判りやすく、しかも官能的に撮られています。模型電車を使っているところも面白い。目に飛び込む映像はロイヤルブルーからグリーンの中間色が多く、白・青・緑の世界のなかで、背徳の恋に狂う主人公アンナの、あからさまな「女の性」が映し出されています。彼女の恋の相手のアーロン・テイラーが演じるヴロンスキーは宝塚の男役みたいな雰囲気で、作品の主要カラーのロイヤルブルーがよく似合っていました。キーラより、彼のほうを綺麗に撮っているように感じました。そして、アンナの夫のカレーニン役にはジュード・ロウ。髪の毛が薄くなったとはいえ、まだまだ男前ですが、妻を寝取られた男を演じ、そのソフトな語り口からカレーニンの人間像を見事に表現しています。舞台となっている1900年代初頭までのロシア帝国時代の世情は、不貞で離婚した場合、罪を犯したほうはその後、正式な結婚は認められず、子も私生児となるという問題もあり簡単ではありませんでした。さらに貴族にとって離婚は社会的名誉が著しく傷つく事であり、カレーニンも別れに同意することができない状況が続く中、彼女は縺れて梳きようのない複雑な糸を、自ら引きちぎるように命を絶つという不幸な結末をたどります。けれど、この作品で真に伝えたいことは、同時進行で起きた、もうひとつの恋との比較。答えを観客に促しているようです。
階級も財産も全て捨てたリョーヴィンの兄、ただ一人の女の為に。1479546_558598970881653_820526863_n.jpg
リョーヴィンは病気の兄に医者にかかり静養を薦めるが、妻のマーシャも一緒にと望む兄に、同意できない事で兄は彼の勧めを拒絶する。

[あらすじ]
政府高官カレーニンの妻アンナは、兄夫婦に会うためモスクワに向かう。このとき、到着した駅で将校のヴロンスキーに会うが、彼がアンナの兄嫁の妹キティと恋仲である事を知る。彼が気になりつつも、兄のところへ向かった。彼女は兄夫婦から誘われ舞踏会に行くことになる。

同じ頃、キティに想いを寄せていた地方の地主リョーヴィンは彼女に求婚するが、ヴロンスキーからの結婚の申し込みを期待していた彼女はその申し出を断ってしまう。失意のリョーヴィンは、領地に戻りその想いを断ち切るかのように好きな農業経営に熱心に取り組んでいく。

舞踏会に行ったアンナは、再びヴロンスキーと顔を合わせることになる。彼はアンナをダンスに誘い踊りだすと、惹かれあう二人の様子は、はたから見ても疑わしく見えるほどであった。その様子をキティはショックの眼差しで見つめる。我に返ったアンナは感情を押し殺しペテルブルクの自宅へ戻った。しかし、ヴロンスキーはキティとの仲に終止符を打ち、アンナを追ってきてしまう。最初は感情を隠していたアンナも、ついには本心を言葉にしてしまい、二人の関係は深まる。やがて、アンナはヴロンスキーとの子を宿し、カレーニンとの離婚を望んだ。

当初、世間体を気にしたカレーニンは二人の関係を知ってもそれを終わらせるよう促した。しかし、アンナが妊娠した事で離婚を宣言。
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だが、彼女が息子を連れて行くことを許さない。カレーニンは離婚してアンナが一人で出て行くまで家に帰らないと屋敷を出て行った。

息子を手放したくないアンナは屋敷に居続け子供を出産した。しかし、このお産で重態となる。いっそアンナが死んでくれればいいと思っていたカレーニンだが、許しを請うアンナに会うと、寛大な態度で彼女を許す。しかしアンナは回復すると再びヴロンスキーを求めてしまう。

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彼女は屋敷を出て行き、ヴロンスキーのもとへ・・二人は南の国に旅立った。

キティとリョーヴィンを気にかけている兄夫婦は・・。
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リョーヴィンはキティと結婚し、領地の農村で新婚生活を始める。まもなく行方がわからなくなっていた兄を見つけると兄は病気で瀕死の状態だった。リョーヴィンは兄の妻を「罪の女」と言い、兄から離し、キティにも会わせず彼の看病をしようとしたが、キティは自ら、リョーヴィンの兄の看病にあたり、そして彼の妻を追い出すことはせず、彼女と一緒に看病を始めた。その様子を見たリョーヴィンの心は・・・。

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帰国したアンナを待っていたのは、彼女の不貞を知った社交界の人間達の冷淡な仕打ちであった。社交界にいられなくなってしまった二人はヴロンスキーの領地に移った。しかし次第にヴロンスキーは母の使いで一緒に居られる時間が少なくなっていく。さらに自身の離婚の話も進まない。さらにアンナはヴロンスキーの母親が宛がった花嫁候補の女性に彼の愛情が移ったのではないかと思い絶望する。そして失意のまま駅に向かい列車に身を投げる。

一方、兄を看取ったリョーヴィンは、キティとの間に子供を授かり質素でありながらも幸せな家庭を築いていた。雇っている小作人と共に畑仕事をするリョーヴィンは農夫達にも慕われていた。そんな彼は、一人の農夫の言葉で、ある事に気が付く。

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[あとがき]
貴族社会に囚われ、自分の感情のままに生き、愛した人を信じる事もできなくなり、思い通りにならず癇癪を起こし、絶望し死んだアンナ。高い身分にも関わらず、農村で質素に生きるリョーヴィンの妻となったキティとの対比。恋に翻弄されるよりも、誰かの為に生きていくことのほうが尊いという事を印象付けられます。アンナにおいては息子や夫や生まれてきた娘の為、その想いを記憶の片隅にしまって、家族の為に生きていけたなら、きっと救われたのだろう。と思う一方、そんなふうに生きられなかった事を否定することもできません。本能のまま突き進むのも人の証なのでしょう。ちなみにリョーヴィンのモデルは、原作者自身、「トルストイ」のようです。質素な生活を好み、奥様に恨み言を言われてはいたようですが・・。このような作品を生み出した彼の人生がどのようなものであったのか、機会があったら詳しく調べてみたいと思いました。

アンナ・カレーニナ (字幕版)

[監督]
ジョー・ライト
[出演]
アンナ・カレーニナ       キーラ・ナイトレイ
アレクセイ・カレーニン     ジュード・ロウ
ヴロンスキー伯爵        アーロン・テイラー=ジョンソン
アンナの兄・オブロンスキー  マシュー・マクファディン
オブロンスキーの妻・ドリー  ケリー・マクドナルド
コンスタンティン・リョーヴィン ドーナル・グリーソン
キティ               アリシア・ヴィキャンデル
ベツィ皇女            ルース・ウィルソン
ソロキナ嬢            カーラ・デルヴィーヌ
ヴロンスカヤ伯爵夫人     オリヴィア・ウィリアムズ
リディア・イワノヴナ伯爵夫人 エミリー・ワトソン



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ニューヨーク徒然日記/映画: アンナ・カレーニナ
トルストイの名作を華麗に映画化した作品。19世紀末のロシアの爛熟した社交界を舞台に、登場人物たちがまとう衣装は、アカデミー衣装デザイン賞受賞も納得の豪華絢爛さ。ナイトレイはどちらかと言えば個性的な顔立ちの女優さんだと思うが、ここでは美しさを存分に発揮していて、虚飾に満ちた貴族社会の中で、誠実に生きようとするアンナ役を熱演!

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