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2014-02-04(Tue)

フィラデルフィア/判例を作る事の重要さ

1993年アメリカ
フィラデルフィアデンゼルワシントンとトムハンクスの共演。エイズ患者であり、また同性愛者である弁護士ベケットをトム・ハンクスが演じ、彼がエイズで同性愛者であることで、表向きは無能であると、不当に解雇した事務所を相手取り、訴訟を起こす。その弁護をする弁護士ミラーをデンゼルが演じる。世間の同性愛者に対する偏見と、エイズによる正しい知識が、現在ほど理解されていない時代で、人権をかけた戦いに挑み、間違いを法廷で覆すというストーリーです。凄いのはエイズにより、外見が変貌した主役が、トムハンクスに見えないところ。出演者を知らずに、法廷で戦う彼を途中から見たら、きっとトム・ハンクスとすぐには気づかないかもしれません。死期の近い主人公はエイズであるということ以外は、家族と恋人に愛され、幸せな男でした。残り短い時間を何故、命を消耗して戦う必要があったのでしょうか。

(あらすじ)
一流法律事務所に務めるベケットは、その腕を上司に認められ一目置かれていた有望な弁護士だった。彼は上司から、昇進を約束され、さらに事務所の威信に関わる新たな訴訟問題を任されることになった。しかしその上司はベケットの顔の痣に気づく。上司はその痣が過去に知るエイズ患者のものと同じであり、ぶつけた痣とは違うことを知っていた。ベケットは早速その訴訟問題に取り組み、訴状を作成し訴訟の前日事務所に保管した。しかし出廷当日にそれがデスクから無くなり、さらにPC内ハードディスク内のデータも跡形も無く消えていた。出廷寸前で予想外の場所で見つかり、どうにか事なきを得たが、重要な書類を紛失したと突然の解雇を言い渡される。
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ベケットの恋人役にアントニオ・バンデラス    バンデラスはまるで女房のように演じてます。  握手の後ミラーは・・

まもなくミラーの元にベケットが訪れた。ミラーは彼がエイズと知ると握手していた手を離し、急に離れながら僅かにホコリを払うような仕草をして言動もよそよそしくなる。ベケットの用件は不当解雇を告訴をしたいというものだったがミラーは断った。ベケットと握手をしてしまったミラーは、感染が心配になり行きつけの医者のところに行きHIVについてどのような病気なのか、どのように感染するのか確認をする。

それから少しして、ミラーは図書館に行くと、偶然ベケットを見かける。訴訟を引き受ける弁護士が見つからない彼は、自分の不当解雇を自分で弁護すると決め資料を集めていた。彼をエイズであると知った図書館の職員が迷惑そうに「個室に移ったらどうか」としつこく排他しようとする様子を見て、彼は以前、自分がこの職員と同じ態度でベケットを扱っていたことを恥じ、積み上げてある本で自分の顔を隠す。

フィラデルフィア

しかし、あまりにもしつこい職員のベケットに対する態度に怒りを覚えたミラーは、ベケットの前に立ち彼を庇うのだった。これをきっかけに、ミラーはベケットを弁護することを決める。それは同時にミラー自身も偏見と誤解の眼差しを受けることのはじまりでもあった。

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裁判では様々な証言の後、陪審員は理にかなった結論を出します。彼らの重要さも見事に表現されています。しかし実のところ、この作品は裁判の結果に集点を置いたものではないような気がしました。裁判中、焦点をあてたのは「法は好きか」という質問にベケットは「めったにあることではないけれど正義の一部となれる」と答えた事。それを聞いた元上司達の顔色は見逃せない。彼らは「エイズだから解雇した」とは天と地が逆になったとしても言うはずなどないが「プロである彼ら」だからこそ目が覚める一瞬だったのでは、と思わせる瞬間です。

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残された僅かな時間を静かに、又は落胆して、ただ時を過ごすのではなく、やらなければればならないと思うことを法廷でやりとおす。これはフィクッションですが、この裁判が彼の名誉だけの為の訴訟ではない事を表しています。正義の判例を作ることの重大さ、その積み重ねは、世間が正しく物事を認識することへと導いていく。ということを作品の作り手は伝えたかったのではないでしょうか。ストーリーの最後、主人公は死への恐怖はなく、一番愛している人間に見守られながら、安らかに死んでいく。そして葬儀の日、親しい人たちが集まっている中、子供のころの彼のビデオが流れ、暖かく優しい感覚を残しながら、物語は静かに幕を閉じます。


(あとがき)
裁判での駆け引きはやはり映画を直接観るに限るでしょう。いうまでもなく二人の見事な演技で、法廷物であってもダレることはありません。これは1993年の映画で20年も前のものですが、当時のこの病の方の苦悩は計り知れないものだったのだろうと想像します。この映画は当時のそんな人たちにとって、世間からの誤解や偏見を僅かながらでも軽減する役割を果したのかもしれません。

フィラデルフィア (1枚組) [DVD]

[監督]
ジョナサン・デミ

[出演]
アンドリュー・ベケット トム・ハンクス
ジョー・ミラー弁護士  デンゼル・ワシントン
ウィーラー社長     ジェイソン・ロバーズ (2000年12月26日/満78歳没)
ベリンダ弁護士    メアリー・スティーンバーゲン
ミゲール         アントニオ・バンデラス
サラ・ベケット      ジョアン・ウッドワード
ボブ・サイドマン     ロン・ボーター
ウォルター・ケントン  ロバート・リッジリー
ガーネット裁判長    チャールズ・ネイピア
リサ・ミラー       リサ・サマーラー

★受賞★
[第66回アカデミー賞]主演男優賞(トム・ハンクス)/歌曲賞
[第44回ベルリン国際映画祭銀熊賞](男優賞:トム・ハンクス)
[第51回ゴールデングローブ賞]主演男優賞(トム・ハンクス) (ドラマ部門)/歌曲賞



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Radjan Therapy毎日レビューや書評を書いています。/フィラデルフィア
「この国で、いわゆる普通に育てば、あまりホモと、その生き方について考える事はない。オカマは変人だと教えられる。ママみたいな格好してナヨナヨして『子供は近づくな! 犯されちゃうぞ!』ってね。それが一般的なイメージだ」働き盛りだと思っていたら、もう九回のウラ。サッカーでいえば後半のロスタイム。そんなベケットの終幕を描いた作品です。「もうすぐ死ぬかもしれない」そんな中で、尋問の練習をするシーンがあります。しかしベケットは答えません。オペラは聞くかい?などと大切な尋問が控えているのに、オペラを解説し、泣き出すのです。

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