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2013-04-14(Sun)

ナイロビの蜂/新薬の裏に覆い隠された犠牲者たち

2005年 イギリス
The Constant Gardener鋭い視点でアフリカの現状を抉り出したジョン・ル・カレのサスペンス小説を映像化。

2日後に帰るはずの妻は無残な遺体となって彼のもとへ戻る。
彼は妻の死の真相を知るべく、彼女が通った道をたどる。そして解明した真実。
彼は最後まで妻を追った。彼女が「やろうとしたこと」と「死」までも・・

庭弄りの好きなもの静かな男、ジャスティン・クエイルは英国外交官、アフリカへの滞在が決まっていた。女性弁護士だったテッサは一緒にアフリカへ連れていってほしいという。彼は「どうやって?」彼女曰く肩書きは「恋人でも、妻でも、愛人でも」。彼は彼女と結婚しナイロビで暮らすことを選んだ。テッサは現地の黒人医師のアーノルドと共にスラムの医療施設の改善の為、救援活動に励んでいた。やがて彼女は妊娠、現地の人々と同じ医療施設で子供を生むことを希望していたが、そこで死産をしてしまう。彼女はわが子の死を悲しむ間もなくある疑惑を掴むことになる。

テッサは隣にいた少女、ワンザの生まれたばかりの赤ん坊にお乳をあげている。ワンザの弟は姉に付き添っている。テッサは見舞いに来ていたジャスティンの友人、サンディに告げた。 
「あの少女は死にかけてる。もし、私があの少女が殺されたといったら?」

彼女の疑惑は、大手製薬会社がアフリカの貧しい人々を使い新薬の実験をしてる事だった。しかもその新薬には問題があった。テッサはレポート作成し、公的な書類として送る。

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テッサはアーナルドと自分がやっている事をジャスティンに語らなかった。妻を信頼している彼はそれを気にはなりながらも深く詮索もすることもなかった。それでも心配した彼はアーナルドとやってることをやめてほしいと告げるが彼女は譲らず口論となる。
彼は数日後「ロキ」へ旅立つ妻を見送った。しかし悲劇は起きてしまう。

 テッサに対する外部の様々な中傷の中、
 妻はいったい何をしようとしていたのか?
 妻は自分を本当に愛してくれていたのだろうか?
 自分と結婚したのは単に目的の為ではないのか?

 そんな回想をしながら彼は妻の死を突きとめていく。
 妻は目的の為に自分の友人と守るつもりのない
 卑しい駆け引きをしてしたことを知る。
 妻は遺書を残し生死をかけ出かけていた事を知る。

 彼は気づきます。彼女の自分への愛は生前ふたりの何気ない
 会話の中にあった。彼女の本当の思いが証明されたとき
 妻の無残な遺体を見ても泣かずに耐えた彼は
 初めて大きな声で泣くのです。


 
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妻の死を追っているうちに彼もまた背後に絡んだ製薬会社の陰謀を知る。国内には大勢のHIVの感染者、ワイロに流され歪んでいる政府、死が日常的になってるこの国では、誰も1人の死に対し関心も疑問も持たない。それを逆手にとり製薬会社が行う新薬の人体実験。
彼は妻がやろうとした事を果たし、そして妻が死んだ場所へ向かう。

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[あとがき]
悲しい結末です。命を引き換えにした逆転劇。最後、何故、彼は死ななければならなかったのか。と当初は疑問だったのですが、よく考えてみると、アフリカの様々な問題は現代も終わってはおらず、この国の現実を伝えるには、「ジャスティンの死」というエンディングは不可欠だったのかもしれません。これは物語の最後に語られており、単に涙物にするだけの目的ではないということに気づきました。

下記は既に起きた「新薬の人体実験」2009年1月31日の記事です。
ファイザー製薬ナイジェリアの子どもに違法な治験、11人が死亡/ 患者番号[0069]、年齢:10歳、性別:女
本人にはまったく知らせずに重病の子どもたちに実験段階の薬を投与、実際に1996年の臨床実験では11人の子供が死亡している。他にも脳損傷を負った子どもや重症の関節炎になった子供もいる、という内容。あの環境下にいる人々が訴訟を起こせるなんてほんの一握りの運のある人でしょう。つまり「氷山の一角」と考えるのが現実的ではないでしょうか。

製作にあたっては、相当な有力者の協力と根回しもあったのでは、と考えます。さらにスタッフさんや出演者の方々、特に主演の二人は普段とは到底かけ離れた生活。現地では1人つづテントを渡されたそうです。シャワーもままならなかっただろうと思われます。最後の舞台「トゥルカナ湖」までは車で3日の距離、機材の運搬には飛行機も使ったと思われますが、このような劣悪な環境下の中で数日間の滞在は免れなかっただろうと想像します。撮影後の2004年、この映画製作がきっかけとなり映画のクルーたちが、"ザ コンスタント ガーデナー トラスト(Contant Gardner Trust)"を設立。撮影周辺地域に淡水タンクとシャワーブロックを建築し、学校への資金を提供。地元の診療所への、より容易なアクセスを可能にする為の橋も建築している。また、この映画の収益はこのNGOに寄付されていて、現在でもナイロビ近郊のスラムの住民を助けているそうです。尚、この作品に出演している子供たちや現地人は、エキストラではなく実際にそこに住んでいる人々です。狭い地域にぎっしりと並ぶ錆びたトタン屋根、広大に広がるゴミの山、劣悪な生活環境と、汚れた水。アフリカの現状を少しだけ垣間見ることもできます。沢山の方に観ていただきたい作品。世界で起っていることを認識することにより、将来自分に出来る何かが見つかるかもしれません。


ナイロビの蜂 [DVD]

[監督]
フェルナンド・メイレレス
[出演]
ジャスティン   レイフ・ファインズ
テッサ      レイチェル・ワイズ
サンディ     ダニー・ヒューストン
ペレグリン    ビル・ナイ
アーノルド    ユベール・クンデ
ロービア     ピート・ポスルスウェイト

★受賞★
2006年米国アカデミー賞助演女優賞(レイチェル・ワイズ)
2006年ゴールデングローブ賞助演女優賞(レイチェル・ワイズ)
2006年BAFTA編集賞受賞
※ノミネート※
[2006年米国アカデミー賞] 脚色賞・作曲賞・編集賞
[2006年ゴールデングローブ賞]作品賞ドラマ部門・監督賞



★外部関連記事★

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