アクセスランキング
2013-12-13(Fri)

シビル・ガン 楽園をください/ ミズーリの戦う男達

1999年 アメリカ
Ride with the Devil舞台は1861年のアメリカ・ミズーリ州。南部11州が連合政府を結成。南北戦争が勃発する。その中で実在した組織、南側のゲリラ部隊に入隊した男達の物語。彼らは南部兵として前線に出ると、故郷を守れないとあえて正規軍にはいらず、限定した地域(ミズーリ州とカンザス州の境界あたり)で侵略してくる北軍や、北軍寄りの略奪者を相手に戦った。しかし、彼らは、洋画タイトルRide with the Devil「悪魔に同乗する」と言う意味のごとく、家族を殺された主導者の復讐の呼びかけに士気高まり、ローレンスの町になだれ込んで、武器を持たない大勢の男性と少年を惨殺してしまう。しかし、これは決して当初の彼らの意図では無かったはずでした。そんな渦中にいた男達の心境と、その後の心の旅立ちを描いた作品です。

[あらすじ]
ドイツ系移民のジェイクは、隣のジャックと親友同士であり平和な日々を過ごしていた。北軍が侵略してくることを予測したジェイクの父親は、ドイツ人には無関係と言って息子ジェイクをセントルイスへ非難させようとする。ドイツ系移民は北部寄りのドイツ人軍隊の入隊する事が一般的であった為、ジェイクは入隊を望んだが。息子を守りたい父親はそれを許さずセントルイスに行くことを命令した。その夜、ジェイクは、ジャックの家が襲われていることに気づく。襲撃してきたのはローレンスの町から来た北軍のゲリラ狩りをしている兵士だった。ジャックの父は息子を寸前で逃がした。ジェィクとジャックが落ち合ったその場所からジャックの父親が敵に殺されるのを目撃。彼らはそのまま逃亡する。

一年後、二人は南軍派のゲリラ部隊に入っていた。北軍に入るべきジェイクがジャックと行動を共にするには南軍ゲリラとなるという選択が自然の流れだったのでしょう。彼らは北軍の軍服を着用し敵の目を欺きながら戦っていた。ある日、二人はリーダーのブラック・ジョンと他の仲間と共にジャックの父親を殺し、自分達の村でゲリラ狩りをしていたローレンスの兵士5人を見つけ殺した。二人にとってはジャックの父親の敵討ちとなったが、情け容赦ないピットは北軍の兵士を断れずに酒を飲ませていた、店の主人まで殺してしまう。

lloopsk_20131213014633d1f.jpg
ジョージとホルト                    女性を外に出すまで銃撃中止。          頬を撃ち抜かれるターナー

彼らの生活は、各地域の野営地を渡り歩き、冬になると森の中で冬篭りをする。ゲリラとはいえ「故郷を守るために戦う男達」として地元の住民は彼らに協力的だった。冬が迫っていたある野営地で、二人は金髪のジョージと彼の奴隷、黒人のホルトと出会い、森の中で4人で冬を越すことになります。ジョージはホルトを奴隷としてではなく親友として扱っていた。そんな中、食料を運んでくれる村の女性スーリーとジャックは恋に落ちる。ジャックはスーリーとの結婚を考えていた。しかし、村は襲撃を受け、向かったジャックは撃たれて命を落としてしまう。
ジェイクとホルトは行き場をなくしたスー・リーをケイプの親戚に預け、再び野営地に向かいます。

1447.jpg

二人は仲間と再び落ち合う。先に森を出ていたジョージ。その間にホルトはジェイクと何時も一緒にいるようになっていた。以前なら、ジョージがいつもホルトと一緒だったのですが・・。ジョージは何か言いたげでありながらもホルトに対して何も言わなかった。一方、ブラックは、身内の女性が北軍の収容所の建物の崩壊事故により亡くなり、復讐に燃えていた。彼は集団の指導者クァントリルの襲撃隊を呼び合流。クァントリル襲撃隊の指揮者アンダーソンも自分の身内を亡くしており復讐を目論んでいた。彼らは、ゲリラを統率しローレンスの町になだれ込むのです。

1447_20131213023454fe7.jpg
嫌味を言うピット                   ホルトに何か言いたげなジョージ         アンダーソン

ローレンスでは戦う相手などいなかった。攻め込んだ彼らは町の男性と少年を次々殺した。
そんな中メンバーの一人の男が言う。「こんな戦いがあるか?」


1447_2013121302480064c.jpg

ジェイクはピットに殺されそうになる老人と子供を庇った事でピットと対立。  隊がローレンスの町を出ると、その後を敵が迫る。

lloopsk_20131213025826c70.jpg

北軍と戦闘になり銃撃の最中、ジェイクは敵ではなくピットに故意に足を撃たれてしまう。ホルトはピットを狙ったが敵の弾にあたり、咄嗟にジョージはホルトに駆け寄るとジョージは運悪く敵の銃弾にあたり致命的な傷を負いそのまま死んでしまう。

1122336_20131213032049ddd.jpg

負傷した二人は傷を治す為、ケイプとブラウン牧場へ。スーリーは、なんと、子供が生まれていた。彼らは自らの今後を模索する。ローレンスで虐殺を行った南部ゲリラの隊に戻るという選択肢はもうない。戦争は終わりが見えていたが、ケイプは正規軍で戦うと出て行った。ジェイクとホルトはお互いの体の傷が癒えるまでたっぷりと時間はあった。やがてホルトは母親を探す旅に出ることを決めた。そしてジェイクは・・。

お世話になったブラウン牧場を後にして3人は旅立ちます。旅の途中、生き残り北軍に追われているピットとターナーに遭遇する。ジェイクはピットを警戒したが、ゲリラは既に壊滅しておりピットは、もう争いの意図などないようだ。彼は生まれ故郷ニューポートに向かうという。北軍が大勢いて殺されるとジェイクは忠告するが、ピットは聞かなかった。ターナーも運命を共にするという。冷酷で陰険なピットではあるが、ターナーは彼の別の何かを知っていたのだろうと想像させます。この物語には故郷を目指すピットの身辺の話は一切出てきません。しかし、敵の母親の手紙を読んだときに、顔色も変えずセリフも無かったけれど、手紙から一番近いポジションにいたのはピットであり、このシーンでは、彼がスクリーンの中心にいたことを、この作品を観たことのある人は気づいたでしょうか。

1122336_20131213034706e39.jpg

[あとがき]
男の友情などと一言では表現できない彼らの心情や、決して女を殺さないという男の鉄則。人を虫ケラのように殺す残忍なピットでさえ例外ではありません。そして監督のアン・リーは、伝えたいことをあえて隠し、想像する糸口だけを残しているようにも思えました。詩情溢れる人間ドラマでもあり、南部男の心意気も気持ちいい。完璧な印象ではないけれど、とても良い作品だと思います。


[Pit who acted by Jonathan Rhys-Meyers]
01-10.jpg

シビル・ガン 楽園をください [DVD]

[監督]
アン・リー
[主な出演者]
ジェイク・ロデルトビー・マグワイア
ジャック・ブル・チャイルズ スキート・ウールリッチ
ピット・マッキーソンジョナサン・リース=マイヤーズ
ブラック・ジョンジム・カヴィーゼル
ダニエル・ホルトジェフリー・ライト
スー・リー・シェリージュエル(シンガーソングライター)
オートン・ブラウントム・ウィルキンソン
ジョージ・クライドサイモン・ベイカー
アルフ・ボーデンマーク・ラファロ
ライリー・クロフォードトーマス・ギリー
ターナー・ ロールズマシュー・フェイバー
ケイプジョナサン·ブランディス(2003年11月12日/満27歳没)

Jonathan Brandis
  メインキャストの男性、実は、美形俳優ばかり使っています。
  特に、ケイプ役 ジョナサンを上回る美形!と思って調べたら、なんと彼もジョナサン。
  残念なことに27歳で自殺し、この世を去っています。子役の頃からTVで活躍していて、
  キャリアは同年代の中では一番長かったはずなのに・・
  映画の出演はこの作品が最後だったようです。
  いい役どころだったのに・・残念。
  (ネバーエンディング・ストーリー第2章の子役でした)


ジョナサン·ブランディス



[クァントリルの襲撃隊とアンダーソン]
ウィリアム・クァントリルはアメリカ合衆国のゲリラ戦指導者であり南北戦争が勃発すると南軍に身を投じ大尉として「クァントリルの襲撃隊」と呼ばれるゲリラ部隊を率い、カンザス州やミズーリ州で北軍と北軍寄りの人間に対し、残酷なゲリラ活動を続けた。当時、この地域で最も傑出したゲリラ指導者だった。1863年初期、後にクァントリルにかわりゲリラ指導者となるアンダーソンはジャクソン郡に行って、クァントリルの隊に加わった。アンダーソンはゲリラ戦の腕を上げ、クァントリルの信頼を得た。アンダーソンの姉妹達は北軍支配下の領域で情報を収集して南部ゲリラを助けていた。しかし、北軍はゲリラの動きを挫こうと考え、彼女らを逮捕し他の多くの女性達とともに、カンザスシティにある建物に投獄した。。その拘禁中に建物が倒壊しアンダーソンの姉妹の一人が死んだ。その建物は北軍兵によって意図的に破壊工作が行われていたという噂が広まった為、アンダーソンはそれが仕組まれたことだったと確信し、その復讐に掛けることになった。その矛先となったのがローレンスの町であった。

同年8月クァントリルの襲撃隊はローレンスで住民を襲い虐殺。アンダーソンは指導的な役割を果たした。その後、アンダーソンとクァントリルは対立する。アンダーソンはクァントリルを殺人事件に巻き込み、南軍当局に逮捕させた。その後アンダーソンは襲撃隊の指導者としてミズーリ州に戻り、州内で最も怖れられるゲリラとなった。1864年9月、アンダーソンはミズーリ州セントラリアへの襲撃で旅客列車を捕獲し、列車の中にいた北軍兵を殺し、さらにその日遅くに北軍民兵隊100名以上を待ち伏せし殺した。これはセントラリア虐殺と呼ばれることになり、南北戦争中でも最大級かつ残酷なゲリラ活動となった。その1か月後、アンダーソンは戦闘中に殺された。一方、クァントリルは1865年5月、ケンタッキー州で北軍の奇襲を受け死亡した。

南部ゲリラは略奪や暴行をほしいままにしたと伝えられているが、もともと人権意識が低かった当時の軍隊と比較しても、クァントリルの襲撃隊だけが飛びぬけて凶悪な部隊であったとは言い切れないという見方がされている。尚、映画中ではアンダーソンが一部だけ登場したが、クァントリルは登場人物の会話の中で名前が出るだけである。その為、ゲリラ全体の動きがわかりずらくなっている印象を受ける。




◆内部関連記事◆
南北戦争の終結と奴隷解放を同時に行ったその方法とは→リンカーン ダニエル・デイ=ルイス


★外部関連記事★

読書と映画 読んだ本、見た映画について感想を書いています。【洋画:歴史】 シビル・ガン 楽園をください
「自由は人から与えられるものではないんだよ。」他人から与えられるのではなく、自らが勝ち取ったものにこそ価値がある、そんなアメリカ的思想を感じるやりとりでした。アメリカの黒人が、南北戦争以降、公民権運動などで自由と人権を・・・

スポンサーサイト
ブログ内検索
ブログ内ページランキング
外部アクセス元ランキング
プロフィール

ちゃのりん

Author:ちゃのりん
映画から歴史を探るのが好きです。
俳優&映画紹介と、ノンフィクション映画の実在の人物像も探ります。


★好きな俳優★

ジョナサン・リースマイヤーズ

ssssj.jpg


お気楽ブログ55011enn_20150420222943fef.jpg


アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
165位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
洋画
13位
アクセスランキングを見る>>

にほんブログ村 映画ブログ 外国映画(洋画)へ
にほんブログ村 歴史ブログ 世界史へ

新作映画情報「ぴあ映画生活」ドラマ
アクセスカウンター



RSSリンクの表示


お役立ち
ブログ翻訳
favorite
・★前田有一の超映画批評★

・映画ライター渡まち子の映画評

・死ぬまでに一度は行ってみたい場所

・イナダ・ラングエイズ研究財団(ILFAR)稲田頼太郎

・NPO法人イルファー稲田頼太郎
(One Coin のご寄付を!)

・薬屋のおやじのボヤキ

・世界飛び地領土研究会
・欧州:世界遺産めぐり

・不思議館 古代の不思議

・見ないなんてもったいない!【つまらない映画】の楽しみ方教えます

・KIKIの今日

カテゴリ
最新トラックバック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アクセスランキング