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2013-11-27(Wed)

グッドフェローズ/人差し指で得た憂鬱な俗世間

1990年 アメリカ
グッドフェローズ1950年代~実在したマフィアの男をモデルに製作されたアメリカン・ギャング映画。
最初に観たとき、この映画の物語の内容が実話と知ったのは、映画のエンディングで。
少し驚いて、再び見直してみた作品でした。題名の「グッドフェローズ」は、いい仲間という意味。 しかし主人公は自分の命惜しさに最終的に仲間を売ります。そうしないと仲間に殺されてしまうので、どっちもどっちなんですけど。日本の古いやくざ映画のような一本筋のあるようなものでは御座いません。極めて軽薄な奴らが登場する娯楽映画です。まずは主人公の冒頭のセリフが印象的。「俺は大統領よりもギャングになりたかった」と。たちまち、その世界に引きずり込まれます。

[あらすじ]
主人公のヘンリーは子供の頃からマフィアに憧れ12歳で地元のボス、ポーリーの使いっ走りを始め、13才になったときには近所の大人の誰よりも稼ぎマフィアのメンバーの一員として成長した。 大人になるまでの彼が、その世界の掟、仲間たちとの関係、如何にして金を稼ぐのか、等々その日常を主人公のナレーションによって展開していく。冒頭から相棒のトミーがナイフでジミーが拳銃で別ファミリーの幹部を殺すシーンがあったが、そんなことなどすぐにかき消してしまうように、いっぱしのマフィアになるまでの過程は目が離せない。そんな彼も、21歳になったときには女に惚れる。ヒステリックで気の強い、いかにもこんな人種が現実に選びそうと絵に描いたような女性だ。 二人の出会いの後は、彼女の視点からも当時の心境や、結婚後の生活が描かれており、これが作品をさらに面白くしている。

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妻の名はカレン。当初ヘンリーの職業を知らずに結婚したが次第にその世界になじんでいく。彼女の視点から他の仲間の妻たちの日常も語られる。いつも同じ仲間で集まり親戚どうしのような同じ顔ぶれ、常に密着しており、まるでちょっと変わったファミリー劇場のようなシーンも続く。

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一方、男達は、殺し埋めた幹部の死体をまた掘り起こし別の場所に埋めるというシーンがあり、ヘンリーは、翌日、車に付いた死臭を消すために「スカンクをはねた」と言ってトランクを洗う横を「ひどい臭いー」と妻と子供が横切る。そんな日常が物語の中盤まで続く。

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しかし後半になると物語はガラリと変化する、1978年、彼らは、ケネディ空港での大金強奪を計画し犯罪史上空前の600万ドルを強奪。(ルフトハンザ事件)この後、物語は一気に「軽快なテンポ」に変化し転げ落ちるようにラストまで突き進んでいく。

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ピンクのキャデラックとピアノバラードからはじまるシーン。・・音楽が映像と共に脳裏に焼きつき・・思わず舌を巻いてしまいます。

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鍵を握る実行犯達や、分け前を求めた奴はジミーの手によって次々殺されていく。家族ぐるみの付き合いをしていたはずの奴らの死体が次々見つかる中、FBIの調査は行き詰まっていた。ある日ヘンリーは麻薬捜査班に逮捕され安堵する。何故なら、ルフトハンザ事件の口封じの為に今度は自分が殺される事を知っていたから。刑務所の中であっても例外ではない。カレンは母親の家を売り保釈金を用意して彼は保釈された。隠していた麻薬を売り逃げようとするが・・。家には当てにしていたブツは無かった。

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万時休す。好き放題やってきた男が、八方塞り。死の恐怖に怯え、情けなく、泣きます。泣きます。


「一番助けてほしい人が、一番助けてほしい時に、笑顔で殺しにやってくる」



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[あとがき]
ヘンリーは証人保護制度を受けることを選択し、ジミーとポーリーをFBIに売り渡します。裁判で、とぼけた目線で人差し指で彼らをさす様は、気の咎めなど無いことを見せ付ける。(だって、しょうがないじゃーん。ってね。)ポーリーとジミーは服役したが、ヘンリーは監獄にも行かず、身の安全も保障された。名前も住む場所も変えて生活は一変。並んだことのない行列に並び、トマトケチャップでパスタを食らう、と不満気味。そして、この「くそ面白くねェ」が一生続く。と文句を垂れる。エンディングテーマは これまた軽快で皮肉ったタッチのマイウェイ。最後までこのノリでやって欲しいという期待だけは裏切らない。悲哀の感情などスッパリ切り捨て、欲深く、誘惑に弱く、往生際が悪く、賢く生き残る。「ゴッドファーザー」がいかに華麗で美しく撮られている作品だったかと改めて思い起こしてしまう。決してご縁はしたくない世界ですが、映画としてどちらが好きかと問われた場合、リアルな人間描写が身近に感じてしまう「グッドフェローズ」にハイ、一票。

グッドフェローズ [DVD]

[監督]
マーティン・スコセッシ
[出演]
ヘンリー・ヒル      レイ・リオッタ
ジミー コンウェイ    ロバート・デ・ニーロ
トミー・デヴィート    ジョー・ペシ
カレン・ヒル       ロレイン・ブラッコ
ポール・シセロ     ポール・ソルヴィノ
フランキー・カーボーン フランク・シベロ
ビリー・バッツ      フランク・ヴィンセント
モーリー・ケスラー   チャック・ロー
シセロ           フランク・ディレオ
スタックス        サミュエル・L・ジャクソン
カレンの母        スザンヌ・シェパード
トミーのママ       キャサリン・スコセッシ
ヴィニー         チャールズ・スコセッシ
サンディ         デビ・メイザー
ロージー         イリーナ・ダグラス
スパイダー        マイケル・インペリオリ

★受賞★
[アカデミー賞] 助演男優賞(ジョー・ペシ)
[ヴェネツィア映画祭]銀獅子賞 監督賞



ヘンリー・ヒル(1943年6月11日 - 2012年6月12日)

12393_2013112713013240a.jpgシチリア出身の母親とアイルランド出身の父親のもとで生まれる。少年期に父親が亡くなり、彼一人で母と2人の弟の面倒を見てきた。12歳のときにニューヨーク五大ファミリーの一つのルッケーゼー一家のポーリー・ヴァリオの下で賭博業を手伝いマフィアの世界に入った。22歳のときにユダヤ系のカレン・フリードマンと結婚。お互いの両親が反対したが2人で入籍した。その後、窃盗、恐喝など、あらゆる犯罪に手を染め1978年にジミー・バークたちとルフトハンザ強奪事件の計画を立て成功させる。当時、ポーリーは薬に反対していたので、ヘンリーは彼に薬取引をやっていないと嘘をついていた。しかし麻薬で捕まったことで、ボスのポーリーに見捨てられ、一家から破門された。ポーリーは妻のカレンに餞別として3000ドルを渡した。その時ポーリーは泣いていたという。拘置所での取り調べの間、FBI捜査官はヒルに対し、ルフトハンザ強奪事件に関わって殺された大勢の人間の死体写真を見せ「ここを出たらお前の命もない」「実刑を受ければ25年ないし終身刑の可能性がある」等の文句でプレッシャーを与え続けた。実際にこの頃には、かつての仲間から「情報を知りすぎている危険人物」と見なされ、命を狙われていた。彼は妻とその母に保釈金を用意してもらい刑務所を出たが、今度はルフトハンザ事件で捕まってしまう。一生刑務所暮らしかFBIと取引するしかなかった。1980年5月アメリカ合衆国司法省組織犯罪撲滅班と取引し妻と子と共に証人保護制度に入る。裁判でこれまで犯した犯罪について証言し、かつての仕事仲間は有罪を受けた。1989年にカレンと離婚。その後、ヒルは名前を変えカリフォルニアの某所に住んだ。作家ニコラス・ピレッジにより「ワイズガイ / Wiseguy」(邦題は「グッドフェローズ」)がノンフィクション本として出版され彼自身も世間に知られることになる。2009年頃には2つのレストランを経営していた。2012年6月、心臓疾患の為、ロサンゼルスの病院で亡くなる。享年69歳。



◆内部関連記事◆

ロバート・デニーロ主演のクライムコメディ(証人保護制度もの)→マラヴィータ/(出没注意)なめてかかったら死にます。


★外部関連記事★

映画感想 * FRAGILE グッドフェローズ(GOODFELLAS)/ジョー・ペシ最凶
ちっちゃな頃から悪ガキで 15で不良と呼ばれたよ・・ロバート・デ・ニーロはちょっと影が薄いかな。お仕事きっちりやる担当だよね。「派手なキャデラック買うな! ミンクのコート買うな店に返してこい! お、おまえらチャラチャラしてんじゃねー! 状況わかってんのかコラー! ブッ殺す!」ジョー・ペシが殺されたことを知って妙に大げさに泣くところとかいいですよね。すごい心こもってない。「イタリア人どうしの問題だから俺たちにはどうにもできない」どうにもできないし、どうにもする気がない、殺されても仕方がないと思ってる。だって、殺されるだけのことやっちゃったんだから。

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