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2015-08-05(Wed)

君と歩く世界/心閉ざす男が愛を乞うまで

2012年 フランス/ベルギー
君と歩く世界両足を失ったシャチの調教師の女性と、格闘が取り得の粗野な男との物語。飾り気のない素顔のマリオン・コティヤールが良いです。でも、それ以上に個性的な味を出していたのは相手方のマティアス・スーナールツでした。ベルギーの俳優で『ブラック・ブック』にも出演していたよう。填まってます。近年の、このようなヒューマンドラマの類の中では、かなり高評価したい作品。単に恋愛映画とは言い切れない感覚を齎していて、二人の心理が繊細に表現されています。心の傷、生活困、プライド、セックス。美化しないリアリティさに、気持を揺さぶられます。こんな中で二人は互いの距離を縮め、やがては同じ道を歩いていくのですが、そこにたどり着くまでの過程は、僅かな甘さもありません。 けれど、最後は言葉では言い表せない心地よさを残す作品です。

[あらすじ]
離婚し、無一文で5歳の息子サムを引き取ったアリ。仕事もなく姉アナを頼ってアンティーブにたどり着いた。弟と甥っ子を迎え入れたアナには、優しい夫がいたが生活は余裕がなかった。アリは直ぐにナイトクラブの用心棒の仕事に就きます。仕事の初日、暴力を受けていた気の強い女を自宅まで送り届けることに。彼女の名はステファニー。アリは彼女を、まるで「娼婦のようだ」と言った。ステファニーの自宅に着き、打撲した手を冷やしている時に、彼女が実はマリンランドのシャチの調教師だと知る。同棲していた男もいた。アリはステファニーに電話番号のメモを渡し帰宅します。ステファニーは好きな仕事をして、一緒に暮らす男性がいるにもかかわらず、満たされているようにはみえません。


ある日、ステファニーはショーの最中にステージが崩壊し巻き込まれて膝下からの両足を失います。生きる希望を失ってしまった彼女を友人は心配するけれど、沈んだ心を救うことは出来ません。退院し車椅子で動けるようになると、ビーチの前にあるアパートで自立の為に、一時的に仮住まいをはじめた。男は去り、無気力に過ごしていたある日、彼女はアリに電話をするのです。ナイトクラブの用心棒を辞めて、夜警の仕事をしていたアリは朝方ステファニーのアパートに向かった。彼が部屋に入ると、ステファニーはカーテンを閉め切り閉じこもっていた。そして、たいした話もしない。アリは自分が何故呼ばれたのか、聞こうともせずに、ステファニーを外へ連れ出します。そして「海で泳ぎたい」と言ってステファニーを誘いますが彼女は拒否。すると彼は一人でビーチに行って泳ぎ始めた。ステファニーは自分に対し、特別扱いも気遣いもしない、そんな彼の様子を見ていると、自分も次第に泳ぎたくなり、口笛でアリを呼び海に出してもらう。そして一人で泳ぎ始めると、久々に晴れ晴れした気分になったのです。 その間、アリはビーチで目を閉じて休んでいた。陸に上がる彼女の合図で、ステファニーを背負いビーチに戻る時に、ステファニーは「ありがとう」とつぶやいた。この日から、彼女のアパートの下のデッキに足を運ぶアリ。そして海岸に出て二人で過ごす不思議な日課が始まる。

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二人はいつものようにビーチで過ごしていた。アリは格闘技の賭博試合に出るという。金を得るためだ。ステファニーは「お金をあげるから出ないで」と止めたが、アリは言う。「君も魚の仕事は好きだろ」と。彼がお金の為だけに戦うのではないことを知ると、ステファニーはその試合について行きたいと言う。数日後、彼女が見たものは熱気に沸いた世界。「自分にできることはないかと」言うステファニーにアリの相棒のマルシャルは「女は邪魔だ」という。しかし意外にもステファニーは車の外の様子に、驚きと興味津々な表情をする。そして僅かに笑みを浮かべます。帰り道、賞金で、アリが玩具を買うのを見て子供がいることを知るステファニーですが、この時点でアリと関係している他の女性がいることを知りません。

ステファニーは義足をつけて歩くようになります。やがて互いの男女関係の話になると二人はとても正直で、アリには関係を持っている女性がいること、ステファニーは以前の自分がどうだったか、そして現在も自身の体が機能するのかなどと話す。するとアリの単純な言動から、彼女は驚きながらも、彼と関係を持ちます。但し身体を重ねても「キスはしない」と一線置きます。けれどステファニーは自分が思っているよりもアリに心を許していること、また健常者と変わらないことの嬉しさのためか、その表情は明るい。元気を取り戻していくステファニーはベランダから生き生きとした表情でシャチのショーのポーズをとります。さらに、マリンランドに行きシャチとコンタクトをとります。彼らには言葉など通じませんが、ショーは互いの信頼関係があってなせること。格闘試合で戦うアリをみて、それに共通するものを感じたのでしょう。彼女は水を得た魚のようです。

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ステファニーは「Ope」とコールします。そして、アリの家へ。もう例の女性はいません。彼女は、アリの息子と姉のアナに会います。

ある日の賭博試合。しかし今度は勝手が違うよう。殴られパニックになっているアリをステファニーは車の中から見据えていたのですが、突如、車から降り立ちます。金属で光る義足を晒し、大勢の男達の中を歩いてこちらへ向かってくる姿を見たアリのアドレナリンが爆発。彼にとってもステファニーが特別な存在になっていることを確信させます。この試合にも勝利し、車の中で興奮冷めやらないアリの隣でステファニーも満足気です。

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その日、祝杯を挙げるため3人はでクラブへ立ち寄る。しかし、アリはステファニーに先に帰ると告げると、そこで知り合った別の女を連れて出て行った。自分達の関係が、あいまいなためステファニーは感情を出すことが出来ません。さらに店で声を掛けてきた男が、彼女の足が義足と知るや態度を急変。何故急に謝ってきたのか、その理由を理解するとステファニーは、男の頭にグラスを叩きつけるのです。哀れみは、時に相手のプライドを傷つける行為であることを、その男はわかっていません。対等の立場で接するアリとの違いを、改めて見せられます。

翌日アリはアパートの下のデッキに来ています。ステファニーは昨夜の事で、はじめて感情を出し、自分が「なんなのか」と気持ちをぶつけますが、アリはステファニーが自分にとっての「何か」ということを言葉にせず、ただ「オレはOPE」(やりたきゃ対応可能)だという。こんな無骨な男に対し、ステファニーは呆れた顔をしながら、今にも泣きそうな表情をしますが、カメラはその後、彼女の後姿だけを撮ります。同時に、このシーンは彼自身が、愛を表面化させることに怯え、無意識のうちに感情を殺しているようにみえます。

賭博試合でのアリの相棒マルシャルの普段の仕事は、店内で従業員を減らすためを目的とした、従業員を密かに見張る監視カメラの設置だったが、ある店舗で、これがバレたため、マルシャルは町から姿を消すという。そして自分の代わりにアリの試合を仕切ってくれとステファニーに告げた。それをアリが望んでいるということも。そして「君を信頼している」と言う。こうして荒くれ男の世界に飛び込んだステファニーはアリと一緒に賭博試合に臨む。熱気に沸いた男達の中で、彼女にもの珍しそうな視線が集中する。 そんなことなど、ものともせずにステファニーは試合を仕切る。もう、沈んでいた頃の彼女の面影はありません。

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物事が上手く運んでいるように見えたなか、マルシャルが設置した監視カメラで、期限切れの食品を持ちかえっていた事がばれたアナは職場をクビになってしまう。マルシャルの仕事に同行していたアリは、姉を失業に追いやった罪悪感とアナに激しく責められたため、サムを置いて消えるのです。誰にも、行き先を言わずに。

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数ヶ月後、アナの夫はサムをトラックに乗せてアリのところにやってきます。彼は北フランスのボクシングトレーニング施設にいて、公式戦の試合を翌月に控えています。アナは新しい仕事先がみつかり楽しくやっていると言う。状況は少しだけ良くなっているよう。僅かな時間 息子と氷の上で遊ぶアリ。しかし、数秒だけサムから目を離したときに事故は起きてしまう。アリは両手を血だらけにして骨折しながらも氷を叩き割る。

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愛するものを失うことへの恐怖と痛みが彼を変化させる。           ラストの映像 カメラフラッシュからホテルの回転ドアまで。

[あとがき]
この作品は、最初から、おおよそ予測どおりだろうと思われる、シーンはことごとく省略して進みます。観ている側は、その間のストーリーや結果を整理して、次のシーンにつなげて行きます。けれど不足しているという感覚はなく、自然にスクリーンに釘付けになってしまいます。物語の的は、アリの「心の解放」だと感じましたが、マリオン・コティヤールの表情の微妙な変化は、最初から最後まで見ものでした。彼女がこの作品を非常に良いものにしていると思います。ラストは、説明もセリフもなく、断片だけをスクリーンに映し出す。「ああ・・こうなったのか・・・・・・」と、思いながら、見事な脚本と作り手の手法にため息が出てしまった映画です。

君と歩く世界 スペシャル・プライス [DVD]

[監督]
ジャック・オーディアール
[出演]
ステファニーマリオン・コティヤール
アリマティアス・スーナールツ
サム/アリの息子アルマン・ヴェルデュール
マルシャル/アリの相棒ブーリ・ランネール
アナ/アリの姉コリンヌ・マシエロ
リシャール/アナの夫ジャン=ミシェル・コレイア
ルイーズ/ステファニーの友人 セリーヌ・サレット
[検索用]マリオン・コティヤール/マティアス・スーナールツ



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キネマ・アイランド/停滞から進歩へ。『君と歩く世界』感想。
停滞していたために、進歩していたステファニーとは距離が空いてしまった。だから「見捨てないでくれ」というセリフが出てきたのです。その距離は大事な人を失うには十分な距離。息子が3時間も生死を彷徨い、大事な人を失う恐怖を思い知ったいま、アリは自分の本心に気付き、愛の言葉が自然と口をついたのです。アリがステファニー同様進歩した結果として、あのラストシーンがあるのでしょう。やはり主人公はこの男だったようです。



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2014-07-23(Wed)

奇跡のシンフォニー/引き寄せられる三重奏のハーモニー

2007年 アメリカ
奇跡のシンフォニー実力派子役、フレディくん主演の映画です。彼の役柄は、音楽の天才少年。両親を知らずに養護施設で育ち、音楽を奏でていればいつかはパパとママに会えると信じている少年。作品に出てくる音楽は様々で、ギターを叩いて曲を演奏したり、ピアノ、パイプオルガン、ゴスペル、R&B、ストリートミュージック、オーケストラまでと幅広い。そして彼のパパはバンドのボーカル、ママはチェリストという設定。そのキャストですが、父親役のジョナサンは、この作品の主役の子と境遇が似ています。孤児院育ちで父親がミュージシャンであったこと、ギターを弾き歌えること。それがこの役に抜擢された要因ではないでしょうか。洋題は「オーガスト・ラッシュ」。サウンドトラックには彼の歌が4曲収録されています。作品中の音楽は一貫性が無いですが、全体のバランスはとれていて、その中でも少女の歌声が印象的な「Raise it up」はアカデミー賞歌曲賞にノミネートされました。母親役にケリー・ラッセル、この作品の前年に出演したMi-Ⅲでは、接触は少ないもののジョナサンと共演をしているので、2作品連続共演ということになります。カメラの回し方、撮り方が良く、フレディくんとケリーはスムーズだったと想像しますが、癖の強いジョナサンを、ナチュラルに撮っていることに感心しました。「女性監督ならでは」と思う仕上がりです。最後のシーンのフレディ君の指揮者としての演技も見もの、ラストをしっかりと盛り上げます。

あくまでも、主役が子供、そして、題名に「奇跡」と付いているので、素直な気持ちで観ましょう。現実的に考えてしまうと一回で出来ちゃった●カップルとか、主役が●科学的とか、再会の●アクションが変とか底なしで突っ込めてしまうので。

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目覚める前のルイスとライラ。彼らの子供が、主人公エヴァン。彼は施設を飛び出した後に「オーガスト・ラッシュ」と名乗る。

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約束の場所に来ない彼女を見つけるも・・     別の日に・・会えない                会えない。

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ライラは自動車事故により病院へ搬送、目覚めるとおなかの子供は死んだと聞かされる・・・・・・だからエヴァンの存在を知りません。

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施設を飛び出した彼の行く先は音楽のある所。欲張りマックスに世話になり。迷い込んだ教会で(声量の凄い子「Raise it up」サビ担当)

たちまち見出されたエヴァンは音楽院へ、そこで曲を作ると演奏会の出演に抜擢される。しかし欲張りマックスが彼を連れ去ってしまう。
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ギターの音色に誘われてきたルイス。 彼は演奏会を諦めているエヴァンに言います。もしボクが君なら演奏会には行くよ。何が何でもね。

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やっと見つけた。彼と、息子と。

奇跡のシンフォニー [DVD]

[監督]
カーステン・シェリダン
[出演]
エヴァン・テイラー     フレディ・ハイモア
ライラ・ノバチェック     ケリー・ラッセル
ルイス・コネリー      ジョナサン・リースマイヤーズ
リチャード・ジェフリーズ  テレンス・ハワード
マックスウェル       ロビン・ウィリアムズ
トマス・ノヴァチェク     ウィリアム・サドラー




「Raise it up」                                This Time/歌:ジョナサン・リースマイヤーズ

撮影の様子
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ライラだけじゃないよ♪フレディ君にも抱きつくジョナリぃ~         カメラ目線ではない人が約1名。右側はロビンさん。

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ジョナサンの歌は、こちらでも。代表的な→ベルベット・ゴールドマイン


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プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/映画評「奇跡のシンフォニー」
この後の展開は言わずもがなで、些か調子良く進みすぎる印象は否定できないが、音楽を通して色々と布石を敷いてあり、決して偶然だけによるご都合主義と理解してはいけない。少年が天才なのは二人の血筋であるが、母親をチェリスト、父親をロック・ボーカリスト兼コンポーザーにした設定自体が既に布石であり、町の喧騒の中に音楽を聴く少年がストリート・ミュージックに出会い、ロックの下層階級精神とクラシックの上流階級的内省とが合わさって構築される幕切れになだれ込んでいくのは必然、天の配剤なのである。

2014-05-25(Sun)

キャプテン・フィリップス/21世紀海賊の執着と逞しさ

2013年 アメリカ
キャプテン・フィリップ2009年にソマリア海域で実際に起きた人質事件がモチーフになっている作品。犯人は、いわゆる「現代の海賊」で、その多くはソマリア人。大昔の海賊と違うのは、物資を奪うのではなく、人質を取り、その保釈金を得ること。2000年頃から容易に、しかも成功率が高く、高額なお金を取れた事例ができてしまった為、海賊は数を増していた。この事件で人質として捕らえられた船長が題名の「キャプテンフィリップ」です。ソマリアの海賊たちは、まるで 鯨とりにでも行くかのように海岸から出発します。放水されても、船を揺らされても、恐ろしいほどの執着で船に乗り込み、船長だけが、人質となり救命艇の中に捉えられます。救出されるまで、彼らとのやり取りをリアルに再現。トム・ハンクスが主演なので、その演技も、期待通りです。表面的には緊迫感があり、それなりに楽しめますが、でも、それ以上に観た後にいろんな疑問が沸いてしまった作品。 私が思うに、これは、単なる伝記映画などではありません。

何故、彼らは海賊をするのか、
何故、犯人役に「痩せすぎの役者」を起用しているのか、
何故、犯人の少年の裸足を強く強調しているのか、
何故、メンバーの一人が身代金強奪に成功した事を告げた時に、
              「じゃあ金持ちだ」と言うと、男は黙りこんでしまったのか?

                       ・・・そして、奪った大金はどこへ行くのか?


犯人達の言葉の中で、聞き流してはいけないと思うセリフが多くあります。「海のプロ」であるはずの船長さえも、彼らの事を判っていませんでした。ソマリア人の彼らは「猟師」だという。船長が言う「魚をとって、普通に生活する。それじゃいけないのか?」犯人は「アメリカならな、・・・アメリカなら。」組織化している海賊グループ、危険を承知で実行するメンバーはきっと末端の人間なのだろう。船にあった3万ドルで彼らは手を打たなかった。たった4人の海賊、普通なら充分な金額なはず。組織への忠誠とか、組織からの圧力の強さを想像させる。犯人の一人の男が「アメリカに住んで車を買うんだ」と言った言葉が空しい。現実、単なる金儲けの為に海賊を行うというのも事実、貧困の為に海賊をするというのも事実だろう。これを観て、もしも疑問が残ったら、是非、その答えを探るべきだと考えました。

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この作品は、事件の背景に潜んでいることを教えてはくれないけれど、あえて「伝えたいことのヒントを」を残して作られていると思います。 単なる「船長救出大作戦」的な作品などではなく、間接的に、将来の地球に向けた、メッセージが込められているのではないでしょうか。

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最後に、救出されたフィリップが現実世界に戻れない時間がよく表現できていて、良かったです。やっぱ「トム・ハンクス」ですね。お見事。

キャプテン・フィリップス [DVD]

[監督]
ポール・グリーングラス
[出演]
リチャード・フィリップス   トム・ハンクス
アンドレア・フィリップス  キャサリン・キーナー
ムセ             バーカッド・アブディ
ビラル            バーカッド・アブディラマン
ナジェ            ファイサル・アメッド


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マスコミに載らない海外記事/なぜソマリア人海賊がいるのかを説明しない『キャプテン・フィリップス』
ソマリアを、沿岸警備隊を持つことができない破綻国家する上でのアメリカの役割への言及は皆無なのだ。その結果、漁業海域は、外国人による乱獲や、ヨーロッパ、アジアや、湾岸の企業による、ソマリア沿岸の海への毒物や放射性廃棄物廃棄によって壊滅されてしまったのだ。どこか他で廃棄物投棄をするには膨大な金額を払わなければならないはずの企業にとって、警備されていない海域は、無料ごみ捨て場だ。国連ソマリア特使のアフメド・ウルド-アブドゥラーは“ウラン放射性廃棄物がありました。鉛がありました。カドミウムや水銀等の重金属がありました。産業廃棄物、医療、化学廃棄物がありました”と語っている。彼は更に続けて言う。“放射性廃棄物はソマリア人を殺している可能性があり、海を完全に破壊しています。”20年間、飢餓、内戦、海洋の破壊が続いた後、漁民に残された選択肢はごくわずかだった。

2013-12-05(Thu)

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン/ディカプリオ 演じるセンチメンタルボーイ

2002年 アメリカ
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン1960年代にアメリカとヨーロッパ各国を飛び廻り、時にはパイロット、ある場所では医者、さらに弁護士に偽装し、小切手偽造で400万ドルを奪うという詐欺犯罪を犯した16歳の家出少年とそれを追うFBI捜査官カールの物語。驚きの実話である。この「天才詐欺師」フランク・W・アバグネイルをディカプリオが演じ、それを追う捜査官をトム・ハンクスが演じる。作品の題名の意味は「捕まえられるものなら捕まえてみな。」カール・ハンラティがフランクに騙され逃げられる様は、まるでアニメのルパン3世に登場する銭形刑事のようで笑えます。そして一番面白いのは、天才詐欺師でありながら、両親が大好きで、大人の事情を理解できない、どこにでもいる普通の(寂しがりや)の「子供」が、大勢の大人を出し抜く様が痛快。可笑しさ・せつなさ・悲しさ・痛々しさ・温かさ。一本の映画で多くの感情が伝わる作品。この二人の間に不思議な信頼関係が生まれていくところも良いです。人の巡り会いはどんな風に人生を変えるか判らない。そんな言葉が頭に浮かぶ一本です。

[あらすじ]
フランクはごく普通の裕福な家庭の一人息子。父親の事業が上手くいかなくなり、仲の良かったはずの両親が離婚すると聞き、発作的に家を飛び出してしまう。父親から貰った小切手で宿に泊まろうとしたがなんと不渡り。彼は生活のため小切手を偽造し、詐欺を始めるようになる。最初は上手くいかなかったが、大手航空会社のパイロットに成りすますと小切手の換金に成功。副操縦士の業務移動としてタダで国内とヨーロッパを飛び回り、小切手の偽造を繰り返し巨額の金を手に入れていく。しかし、お子様なので単純だったりする。この事件の犯人を「空のジェームスボンド」いわれていると知るとボンドと同じスーツと車を買ったり、一目ぼれした看護師に近づくだけの為に、医者になってみるけど、血に弱く怪我人をみるとケロケロやっちゃうオバカさん。11才サバ読んで、その彼女と結婚しようとしたりですね・・。


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フランクが大好きなパパ・・・セリフの一つ一つが最後まで痛々しいのです。(T T)

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給料小切手を換金                 目の前にいるのに騙されて逃げられるカール

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彼女とのいちゃいちゃに「ボー」ボクまだ17歳だしぃ・・    結婚大作戦♪               彼女の両親との家族団らんが超嬉しい

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結婚パーティの日踏み込まれ逃げるフランク  彼女を連れて行こうとしたが叶わず       100人体制の警備の中、飛び立ちました。

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とうとう偽札作りまでやっちゃいます。しかしフランスで捕まります。18歳でした。未成年であったが、12年の禁錮刑を受け投獄。4年後に、フランスからアメリカに身柄を移される時に最愛の父親をなくしたことを知り悲しみます。そして着陸前の飛行機の中からさらに逃亡。
クリスマスの夜 母親の元へ・・しかし、もう、自分が過ごす家族の団欒の場所が無いことを知り涙を流します。

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  家族を取り戻したかった寂しがり屋のフランク。彼の望みは適いませんでしたが、この物語の最後は悲しいだけでは終わりません。

[あとがき]
FBI捜査官カールは、彼を追い更生の手を差し伸べた複数の人物をモデルとしているそうです。実在のフランクは刑期を終えた後、彼らの手により、社会的な貢献をする事となり、その後は、自分の家族を持ち子供にも恵まれ幸せに生活しているそうです。物語はあまりにも突拍子無くて、どれだけ脚色されているのだろうと思いましたが、犯罪とその手口については事実でした。驚きですね。そして、カールのモデルのうちの一人が実際に親友となることも事実だそうです。両親については離婚後もまた家族が一緒になれるように母親を待っていた切ない事実。ちょっと泣けてきます。医者をやめる動機については、本当のところは、患者の命を危険にさらす事を悟ってやめたという現実的な理由でした。結婚しようとしたのは脚色ですが、ここで家族を求めているフランクの心境を表しています。デイカプリオ演じる主人公、子役時代から沢山の作品に出演しているだけあって、この手の役は非常に上手いですね。トム・ハンクスの間抜けぶりは楽しめました。そして、なんといっても父親役のクリストファー・ウォーケン、本当に泣けてくる演技をします。当作品でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、英国アカデミー賞では助演男優賞を受賞したというのも納得でした。見て損のない作品です。

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン [DVD]

[監督]
スティーヴン・スピルバーグ

[出演]
フランク・W・アバグネイル・Jr   レオナルド・ディカプリオ
カール・ハンラティ トム・ハンクス
フランクの父 クリストファー・ウォーケン
ロジャー・ストロング  マーティン・シーン
ポーラ・アバグネイルナタリー・バイ
ブレンダ・ストロング エイミー・アダムス
シェリル・アン ジェニファー・ガーナー
ジャック・バーンズ ジェームズ・ブローリン
アール・アムダースキー ブライアン・ホウ
トム・フォックスフランク・ジョン・ヒューズ
ポール・モーガンスティーヴ・イースティン
キャロル・ストロング ナンシー・レネハン
ルーシーエリザベス・バンクス




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IQ169・懲役167年・刑務所で恋に落ちた天才詐欺師(♂+♂)・・→フィリップ、きみを愛してる


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映像ぴっか!Catch me if you can.…ルパン&銭形に通ずる痛快さ
実話を元にした映画って、そう大きな盛り上がりがあるわけではないじゃん?そりゃまぁ実話なわけだし。ところがこの「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」は、「これホントに実話?」って思うぐらい派手な展開をみせるよ。あ、2002年の映画です。やっぱ2人ともいい役者さんだわ。完全に2人だけで成立してる映画だと思います。この捜査官カールがなかなかの・・

2013-11-19(Tue)

きみがぼくを見つけた日 レイチェル・マクアダムス/身ひとつで時空間に飛ばされる男

2009年 アメリカ
The Time Travelers Wife
[原題]『The Time Traveler's Wife(タイムトラベラーの妻)』という2003年に出版された小説を映画化したもの。小説はニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに28週連続トップ10入りを果たしている。映画ではタイムトラベラーをする男のほうが主役っぽく描かれています。どんなタイムトラベルをするのかというと・・行き先を自分でコントロールできずに、突然、現時空間から、どの時代のどの場所に行くのかわからずに飛んでいってしまう。しかも、飛んでいったところではいつも「すっ裸」。これが6歳の時から続いているという。当然、すぐに調達しなければならないのは「服」。そしてそれがどのくらいの期間、その時代に滞在するのかわからない。当然盗みもやるので、誰かに追われて逃げ回ってることが多い。あるときはピンクのひらひら袖なしブラウス姿だったり、あるときは動物園の檻の中に現れて見物人に笑われたり、結婚式の直前に、タイムワープして消えたと思ったら、白髪だらけになっている彼が現れて無事に結婚式が行われたりで、コメディ要素たっぷりなのに、とってもシリアス。ほろ苦くロマンティックな気分にも浸ってしまう作品です。

そんな男、ヘンリーと6歳の少女クレアがはじめて会ったのは、ある日の草原、彼女の前にすっぽんぽんの男が現れた。・・ってこれじゃまるで変態・・。幼いクレアはヘンリーに毛布を渡します。彼は自分がタイムトラベラーである事を告げ少女はそれを信じ、それ以降、幼い彼女は父親のお古を森の中に用意しておくのでした。

そしてヘンリーは時々その草原にやってきます。クレアは彼に恋をし、現時空間で出会うことを心待ちにしながら成長するのです。



 
 やがて、彼女の願いは叶い、現時空間での彼を見つける。

 彼女は6歳の時からヘンリーを知っているけれど、
 ヘンリーは未来のヘンリーが幼いクレアに会っているので、
 彼女の事を知らないというのが当たり前でありながら、
 なんだか面白い。クレアはそれまでのいきさつを
 ヘンリーに話します。
 やがて二人は恋人同士となりそして結婚。

 
 しかし、タイムトラベル体質は結婚生活に支障をきたします。
 クリスマス前に消えて正月明けてやっと戻る夫。
 寂しいですねぇ・・。

そして何度も繰り返す流産。「子供がタイムワープしてどっかにいっちゃうのかも!」と考えたヘンリーは子供ができないようにと勝手にパイプカットしちゃいます。すると、直後、今度は草原にいる過去のクレアの元へ飛んで・・。クレアと上手くいっていないご機嫌斜めな彼は18歳の彼女にキスしちゃいます。クレアにとってはファーストキスでしたが、本当なら同時限で出会うヘンリーのものでは?。30代超のヘンリーに唇奪われちゃいました。現代に戻ったヘンリーは手術したことをクレアに話すと二人はさらに険悪な雰囲気に・・夫婦の仲ヤバシ?すると、過去からきた若いヘンリーから、クレアに助けを求める電話が入ります。現在のヘンリーはソファーで寝てるけど過去のヘンリーも助けなきゃ。と、会いに行きます。忙しいですね~。そんでもって、ちゃっかり・さっくりと種まきしときます。あらま、こっちもこっちで・・・・。(これ原作はコメディなんじゃないかなぁ・・・などと思ってしまった。・・)して、再び妊娠します。クレアは「してやったり」とな。あらら、ヘンリー手術損~。

ある日、未来の時代の動物園に飛んでいったヘンリーの元に見知らぬ女の子が走りよってきて「ダディー!」
彼は娘が無事に生まれることを知り嬉しくなります。しかし、同時に自身の死期と、娘もタイムトラベラーとなっていたことを知るのでした。
生まれてある程度になった娘にヘンリーは錠破りを教えます。現実的ですね・・。そして彼は娘が5歳の時に死んでしまいます。タイムトラベルできても「死」の運命は変えられないという鉄則。でも、死後も過去のヘンリーは草原に現れるのです。「待つ人生はおくらないで」とヘンリーは言います。それでも、生きてた頃の大事な人に一瞬でも会えて抱擁できたクレアの幸せが伝わり、物悲しくもありながら、暖かく感じるラストシーン。
ラストはなかなか素敵でした。



ちなみに娘は、行き先をコントロールできるので、父親が心配して錠破りを教えたのは必要なかったかもしれません。女の子が動物園の檻の中でで「すっぽんっぽん」じゃあまりにもかわいそすぎますもんね。それにしても、ヘンリーのこの体質、こんなシリアスな映画でも笑えるのだから、コメディならお腹が痛くなるほど笑えるものができそう。そっち系の作品も是非見てみたいものです・・・。

きみがぼくを見つけた日 [DVD]


[監督]
ロベルト・シュヴェンケ
[出演]
クレア       レイチェル・マクアダムス
ヘンリー     エリック・バナ
クレア(幼少時) ブルックリン・プルー
ヘンリーの父  アーリス・ハワード
ゴメス       ロン・リビングストン
ケンドリック博士 スティーヴン・トボロウスキー



★外部関連記事★

日暮し地図 昨日の続き~『きみがぼくを見つけた日』
ただ、エンタテインの方向が“笑い”や“驚き”には向かず、何故一様に“泣ける”を目指すのか、不思議でならない。現在の日本映画ならまだしも、ジャンルの原理が唯一機能していると思われるアメリカ映画だけに尚更だ。主演の2人は決して悪くないと断った上で、例えば本作が、ジム・キャリーとドリュー・バリモア(単にキャスティングの一例に過ぎない)によるコメディだったらと夢想する自分がいる。



2013-10-27(Sun)

キャスト アウェイ/トム・ハンクスのサバイバル

2000年 アメリカ
Cast Away
トム・ハンクスがみせてくれるサバイバル。とても良い作品です。彼が演じる主人公は飛行機が墜落し、九死に一生を得、無人島へ流れ着きサバイバル生活を経て4年後、自力で島を脱出。帰国を果たすのですが・・・・。必死のサバイバル生活で、生き延びる彼の一人演技が上手い。これはフィクッションですが、サバイバル的には実話を基にした『ロビンソン・クルーソー』よりこちらのほうがより現実的に映ります。帰国後の人間ドラマもとても深く、哀愁の中にも、前向きな 姿勢が感じる仕上がり。そして、素晴らしい名言を残してます。見ごたえの有る一品。

[あらすじ]
主人公は宅配便会社フェデックスに務めるバリバリ社員のチャック。彼はケリーとの結婚を考えていた。クリスマスの夜、二人はプレゼント交換をする。チャックはケリーの祖父の形見で彼女の写真の入った懐中時計を貰い、彼女はプレゼントの他に小さな小箱を貰った。チャックはこれから仕事で積荷と一緒に貨物便でタヒチへ向かうが大晦日に帰るのでその時にその箱を空ける事と告げた。彼女はそれが婚約指輪であることを一瞬で理解した。しかし、チャックは大晦日を過ぎても戻ることが無かった。彼の乗った飛行機は墜落してしまうのです。幸いにも、チャックは何とか生き延びて無人島に漂着。飛行機に積んでいたいくつかの荷物を拾い集めてサバイバル生活が始まる。


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サバイバルの知識などない普通の男がたった一人放りだされた現実は、決して甘いものではありません。

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チャックは漂着してまもなく海のかなたに船の光を発見する。しかしはるか彼方にある船は、こちらに気づくはずもなく、朝方になって意を決した彼はゴムボートで沖に出ようとしたが、高い波を越えられず海に放り出されてしまい、サンゴの群集に叩きつけられ怪我をしてしまう。  陸に上がるとすぐに嵐が・・荷物をゴムボートで守り洞窟へ非難した。そして翌日、ようやく荷物を開封しだした。

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何故、荷物をすぐに開けなかったのでしょう?彼が「トラックが故障した時に足の悪い子供の自転車を盗んで荷物を届ける人」だったから?。こんな状況でも荷物を届ける事が彼の脳裏にあったのでは?と思わせるような演出です。さて、荷物の中身はというと、離婚同意書・スケート靴・女性のドレス・バレーボール。ここで一瞬「全部使えないじゃん」(食べられないじゃん)って思ってしまった私はサバイバルで絶対に生き残れないでしょう。彼は他の荷物とは違う「羽の絵柄」が描かれた最後の荷物を開封しようとしたが手を止め、これから4年もの間、手元に置いておきます。

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とにかく生きるためには「食べなくては」ということで、ドレスのレースで魚を採り、スケート靴の金属部を刃物として使い・・。いろいろ上手いことやるもんだと関心。そして「獲物を採ったどーーー!」「キャーッ!生食はまずい こりゃ、火が必要だわ!」ということで・・・・はじめます、サバイバルには必須の火をおこし。・・当然最初から上手くいくはずもなく怪我をしてしまい、癇癪を起こす。それでも、どうにかコツを掴み・・

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原始人が最初に火を起こしたときはこんな感じだったんだろうなと思わせるシーン。。

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そんなサバイバル生活に悪戦苦闘しながら、4年が経過。。。まーっ!めたぼちっくな体が引き締まったこと!(22.7kg減)

サバイバルでの生活も慣れたものの、孤独に苛まれる日々。そんなある日、大きな廃材が波打ち際に漂着していた。チャックはそれを立てて暫く眺めていた。そして思いつく。そう「サバイバルに使えないものは無い」これを帆にして波を超えようというのだ。そして、すぐにいかだを作り始めた。4年もこの島にいた彼は潮の動きを知っていた、だが出発の時期が迫っていたのにロープが間に合わない。彼は以前、「ある事」をやろうとして一年前に作ったロープが島のがけの頂点にあった。それを取りに行きロープを間に合わせる。必要なものを積み込み、未だ開封していない宅配の荷物を積み、そして超えられなかった高波を超えることに成功。大海原に出た。

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命綱をつけて魚を採り、夜露を集めて飲料水にする。嵐を乗り切り、筏は出発時の原型を留めていないにも関わらず、逞しく生きていた。  しかしある日、チャックは海に懐中時計ではない大切なものを流され失ってしまった。彼は希望をなくし子供のように泣き続けた。そしてとうとう櫂を海に流し、筏をこぐのをやめてしまった。どれほど時は経ったのか、死を待つだけの彼の横を貨物船が横切る。もはや叫ぶ事も出来ない彼を船員が見ていた。チャックは生還した。

20060317011432_20131027051025e81.jpg 帰国するまでのチャックにとって生き抜くために最も貴重な物となったもの。

  ・懐中時計 ケリーへの想い。
  ・バレーボール 孤独を救ったもの。 
  ・未開封の荷物 自分が存在する意味・文明社会とのつながり。 

 帰国を果たした彼だったが、どうすることもできない悲しみが訪れる。
 ケリーは既に他の男性と結婚して子供がいた。結婚生活は幸せそうであったが、
 彼女のほうもショックも隠せない様子。ケリーは、気持ちを抑えられず、今の自分の生活を
 投げ出す様子をあらわにしていた。奪おうと思えば容易に奪うことが出来たかもしれません。
 けれど、自分達の望みを叶えることは、一つの家庭が毀れる事を意味しています。
 ・・悲しみの感情を堪え、二人は愛を終わらせます。

チャックは島から持ち帰ってきた外箱がボロボロになった、「未開封の荷物」を発送元へ返しに行ったが、不在であった。彼は「この荷物のおかげで生き延びることができた」とメモを書き残しその家を立ち去った。道の途中、方向が判らなくなった彼に一人の女性が方向を教えて去っていく。彼女の乗った車の後ろの絵に気づくチャック。

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このあと彼はどうするのだろう 前に進むのか 又は来た道を戻るのだろうか?。  
このストーリーの終わり方は、次のストーリーが始まる余韻を残します。

「潮が何を運んでくるかわからない。これからもぼくは、息をし続ける・・・」のセリフどおりに。


キャスト・アウェイ [DVD]

[監督]
ロバート・ゼメキス
[出演]
チャック・ノーランド   トム・ハンクス
ケリー・フレアーズ   ヘレン・ハント
スタン          ニック・サーシー
ベッカ・トウィグ     ジェニファー・ルイス
ユーリ          ピーター・フォン・バーグ
ジェリー・ロベット    クリス・ノース
ベッティーナ       ラリ・ホワイト
レイモン         ポール・サンチェス

★受賞★
[第58回ゴールデングローブ賞]主演男優賞(ドラマ部門)トム・ハンクス


◆内部関連記事◆

もっとリアルなサバイバル!→サバイバルゲーム ベア・グリルス 

★外部関連記事★

映画の心理プロファイル『キャスト・アウェイ』(2000 米)
けれど、『フォレスト・ガンプ』のゼメキス監督、ただの哀しいお話では終わらせません。救いがあるんです。しかも、『フォレスト・ガンプ』に通じるようなオチで♪「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみるまではわからない」確かそんな名台詞が『フォレスト・ガンプ』にありましたよね。その台詞はこの映画でもそのまま使えそうな感じ♪そうそう、その台詞が流れる時に宙をふわふわ飛んでいたのは白い羽根。今回のは白い天使の翼。なんかオーバーラップしてきちゃうんだなぁ。

2013-10-16(Wed)

キリング・フィールド/狂人独裁者に支配された悲劇のカンボジア

1984年 イギリス
THE KILLING FIELDS1970年代の内戦中のカンボジア。実在の通訳兼現地人ジャーナリストのディス・プランとアメリカ人ジャーナリストのシドニー・シャンバーグとその仲間達の実体験に基づく物語です。この内戦に至るまでの背景には様々な国や国内の権力者による政治的思惑があり、それに翻弄されたカンボジアの苦難と悲劇を描き出している。過激な映像があり苦手な方にはあまりお勧めできません。物語の展開は早く、当時の政治的動向を把握していないと細かな所までは理解しづらいかもしれません。残念なことに効果音楽と選曲のセンスがイマイチです。しかし、プランを演じたハイン・S・ニョールの演技は群を抜いて見事です。この方は本人のブランと同じく当時カンボジアにいて、ポル・ポト政権下を生き延びた人物であり、彼の記憶が演技に反映されているかのようです。そして、カンボジアの当時を知る上でも非常に貴重な作品といえます。
[背景]
カンボジアは第二次世界大戦前はフランスにより植民地化されていた。当時は食料輸出国として豊かな国であった。戦後の1953年、王位を持っていたシアヌークはフランスからの完全独立を果し国王に就任。カンボジア王国が建国され社会主義国となる。シアヌークは「独立の父」として国民の尊敬を集めた。しかし独立を果たした直後からクメール・ルージュはその政権の座を狙っていた。シアヌークは共産主義を容認してはいたが、カンボジア共産党の急進派に弾圧を加え都市部から追い出した。その左派の指導者達は逃れたジャングルで、武力闘争に走ることとなる。この中にクメール・ルージュであるポルポト派も含まれていた。シアヌークは、当時のベトナム戦争で南ベトナムが勝利すると、自国が脅かされる恐れがあったため、南ベトナムよりのカンボジア国内に、北ベトナム軍の基地を作る事と軍の駐留を認めていた。これにより、後にカンボジアはアメリカによる激しい空爆を受けることになる。

1970年3月、シアヌークはクメール・ルージュではなく、首相兼国防相の、ロン・ノル将軍が率いる反乱軍によるクーデターにより政権は奪取された。ロン・ノルは大統領に就任し国名は「クメール共和国」と改められる。このクーデターは、シハヌークが「容共主義者」であったため当時懸念されていた「ドミノ理論」(貧困地域で、1つの国が共産主義化するとドミノ倒しのように周りの国々も共産主義化する)により、カンボジアが共産主義化する事を阻止する為に行ったアメリカの策略であった。

カンボジア人は、フランスによる植民地時代の前はベトナムからの圧迫を受けていたため、ベトナムとは非常に仲が悪かった。ロン・ノルは、国民の支持を得るために国内のベトナム人を弾圧した。そしてアメリカは表向きはベトナム人保護を掲げながらも、南ベトナム解放民族戦線(共産主義)とアメリカ軍でカンボジアに出兵する。アメリカの真の狙いは、カンボジア国内に潜伏している共産主義勢力を攻撃することだった。アメリカ軍は北ベトナム軍の基地と共産主義者が潜伏していると思われる農村部を空爆。これにより30万人以上のカンボジア人が死亡。200万人以上が難民となり都市部になだれ込む。アメリカの後ろ盾により政権を得たロン・ノルはアメリカの空爆を容認していた。そのため国民の反発は強まり「クメール・ルージュが指示されるようになってしまう。

一方、政権を奪われたシアヌークは亡命先の北京から密かに帰国し政権を奪回するため、かつて弾圧したクメール・ルージュと手を組んでしまう。クメール・ルージュ側としては国民の支持を得ている王を利用しない手は無かった。国民の支持とシアヌークを手に入れたポルポト率いるクメール・ルージュはロン・ノル政権を打倒するために武力闘争を開始しカンボジア内戦が始まった。

カンボジアの大地はアメリカにより徹底的に破壊され、食料輸出国で豊かであった国内は飢餓の国と変貌してしまった。1973年、隣国で起きていたベトナム戦争は北ベトナムの勝利に終わり、アメリカ軍は南ベトナム民族解放戦線ともにカンボジアを破壊するだけ破壊してさっさと撤退した。しかし政府軍とシアヌークを取り込んだクメールルージュの内戦は終わるはずもなかった。

[あらすじ]
1973年8月、ニューヨーク・タイムズ記者のシドニー・シャンバーグはこの取材の為に首都プノンペンに降り立った。シャンバーグは空港で待っているはずの現地人のプランがいなかった為、一人でタクシーに乗りホテルへ向かった。ブランはというと少し前に、事件を聞きつけ空港を離れていた。シドニーはブランからアメリカの空爆により、ニェクロンという町で多くの死傷者を出したことを聞く。この空爆はアメリカの誤爆であった。プランとシャンバーグは町に取材に向かった。取材中、政府軍がクメールルュージュの捕虜を射殺する際に現場にいた二人は政府軍に捉えられてしまう。やがてアメリカの手配により釈放されるが迎えに来た知人の大使館員と軍人から非難される。当初より現地滞在のアメリカ人は取材に対し非協力的であった。しかし1975年3月、取材の記事はニューヨークタイムズの1面に掲載されることになる。

同月、クメール・ルージュのプノンペンへの進攻が迫り、占領の直前外国人や政府関係者は、国外へ次々と出国していく。プランの家族はシャンバーグの手を借りて無事にアメリカへ飛び立った。1975年4月17日にクメール・ルージュはプノンペンを占領した。ロン政権はアメリカの援助も叶わず崩壊、ロン・ノルは国外へ亡命する。内戦により苦しんでいた国民は、シアヌークを取り込んだクメールルージュが勝利して内戦が終わり、今度こそ平和が訪れたとクメールルージュを歓迎した。

これを胡散臭いと考えたシャンバーグ達5人は、病院に取材に出向いた。そこにはクメール・ルージュの命令に抵抗した人々の遺体と怪我人で溢れていた。現場を離れようとしたとき彼らはクメール・ルージュの兵士に捕まってしまう。目の前で政府軍の兵士を殺害しているその場所で、プランはクメール・ルージュの兵士に必死に仲間を助けて欲しいと頼み込んだ。そしてどうにか全員が無事に解放された。

終戦で国民が喜んでいるのもつかの間、政権を奪取したポルポトは、シアヌークを軟禁。国名は「民主カンプチア」と改めた。そしてポルポトによる虐殺政治が始まる。ポルポト政権は数日のうちに都市部の住民を農村部へ強制移住させた。解放されたシャンバーグ達が町で見たものは、強制的に財産も家も没収され、着のみ着のまま農村部へ移動する人々の行列であった。

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その足で彼らは最後の避難所であるフランス大使館へ逃げ込んだ。フランス大使館には外国人と200人ほどのカンボジア人もいたが、すぐにカンボジア人はふるい落とされることとなった。大使館にいたカンボジア人は、ブランも含めてタイへ非難しようとしていたが、同僚の記者達は、パスポートを偽造して自分達と一緒に出国させようとブランを引き止めた。しかし、偽造したパスポートは写真が消えてしまい失敗。 非難するにも時既に遅く、ブランは、一人大使館を出て行き、クメールルージュによって農村部へと送り込まれてしまう。シャンバークたちは無事に帰国したが、プランにとっても、カンボジア国民にとっても、アメリカの空襲などと比較にならない狂気の始まりであった。

ニューヨークに戻ったシャンバークは、プランの身を案じていた。ブランの消息が判らなくなり手を尽くしていたが情報は何も入ってこなかった。そんな中、ブランと共に取材したカンボジアの記事は1976年のピューリツッァー賞を受賞した。シャンバーグは演説で賞の半分はブランのものであり、カンボジア爆撃と侵攻を決定した政府要人たちは政略に利用しただけと非難した。そして記者としてその代償だけ払わされた人々の事を人類に提示したかったと告げた。しかし、このときカンボジアで起きていたさらなる地獄を誰一人知るものはいなかった。

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ポルポトは、国民を農村へ移住させ強制的に農作業をさせていた。プランは、かつて記者であり通訳をしていたことを隠し労働していた。  何故ならポルポト政権は「世界に階級や格差が存在しない」という「原始時代的思想」であった為、知識人は、人々に格差をもたらすものと、資産家、医者、教師、学生、僧侶などの知識人を「国家の再生の為に必要」と呼びかけて名乗り出させ、殺害するか強制収容所に送り、その殆どを死亡させた。これは同時に将来、反逆者になりえる可能性の有る人材を一掃するためだった。そして「原始共産主義」を理解するとして、子供を収容所の看守や医者、兵士にした。殺戮はエスカレートし眼鏡をかけている者、手が綺麗な者、農作業の手を休めた者、挙句の果てには容姿の良い者、それらの人々は一族ぐるみで殺される。そんな人々を殺す者の中には、ポルポトの思想を埋め込まれた子供も大勢いた。 そんな集落からプランは脱走に成功する。

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逃亡したブランの行く先にあったもの、それは数え切れないほどの朽ち果てた人間の死体、彼の視界には戦慄の地獄が広がっていた

それでもブランは歩き続けた。疲れきり、倒れていた彼を見つけたのは他の部落の男だった。ブランはこの男の家で子供の面倒を見たり身の回りの世話をして働くようになる。ここでも同じように、何かにつけて人々は殺されていたが、主人であるこの男は次第にブランに信頼を寄せるようになる。男は息子と二人であったが、かつて革命を夢見て、クメール・ルージュのメンバーになり、妻も革命で亡くしていた。きっと彼はこう思っていたのだろう。「こんなはずじゃなかった」と。幼い息子の衣服に、タイの難民キャンプまでの地図とお金、亡くなった妻の写真を隠しブランに届けた。息子をブランに託したのだ。男は「殺しをやめさせる」と仲間のところに行くとあっという間に銃殺される。

ブランは託された少年を連れ、数人の仲間とともに村を脱出した。しかし無念にも、途中で地雷により少年は死亡してしまう。ブランは子供の亡骸を葬り再び歩き出した。そして、彼はタイの難民キャンプにやっとの事でたどりついた。知らせを受けたシャンバーグは、すぐにタイに飛びたち、二人は再会を果たしたのです。

[あとがき]
その後、ブランはアメリカの家族と再会し、記者として活躍しました。この作品が公開されたのは1984年、この時には、まだ予断を許さない状況ではあったものの、ポルポト政権は終わっていたのですがエンディングでは「今、尚続いている」というようなナレーションが入っていて、不適切です。何故こんなことにしちゃったのでしょうか。音楽もプロが担当してるはずですが手抜きが見え見え。予算の問題か、センスの問題か、いずれにせよ残念。・・その中で見所はハイン・S・ニョールの演技。素晴らしいです。実体験に勝るものは無いといったところでしょうか。映画を何度か見直してみて感じたことは、そもそも、アメリカがロンメルの後ろ盾になり、シアヌークを排除しなければ、国民の支持がクメールルージュに集まる事がなかったであろうということ、シアヌークが政権奪還を目論み、クメールルージュを利用しようとした事で、彼の支持者までが反乱軍に入ってしまい、軍が強化され、結果的にポルポト政権の片棒を担ぐだけの結果となってしまったこと。互いに利用して政権を奪い合う事だけで、国民の命の事を考えている者など一人としていない。この内戦は政権の奪い合いが生み出した最悪の悲劇であり、少数の人間の欲によってカンボジアは最低の道筋を辿ってしまったという結果を伝えているように思えます。どこを支持するのか、誰を支持するのか、人事ではありません。世界で起きている事や政治に無関心であることは、非常に危険なのだということを、考えさせられる作品でした。

キリング・フィールド HDニューマスター版 [DVD]

[監督]
ローランド・ジョフィ

[出演]
シドニー  サム・ウォーターストン
プラン    ハイン・S・ニョール
アラン    ジョン・マルコヴィッチ
ジョン    ジュリアン・サンズ
キンケード スポルディング・グレイ
リーヴス  クレイグ・T・ネルソン

★受賞★
[第57回アカデミー賞] 助演男優賞 ハイン・S・ニョール/撮影賞/編集賞
[第42回ゴールデン・グローブ賞] 助演男優賞 ハイン・S・ニョール
[第10回ロサンゼルス映画批評家協会賞] 撮影賞
[第50回ニューヨーク映画批評家協会賞] 撮影賞



[ブランを演じた俳優・ハイン・S・ニョール]
彼はカンボジアの医師であり当時クメール・ルージュの元で4年間もの間、強制労働に就いてた。彼もまた自分が医師である事を隠して生き延びた一人です。彼はこの作品より前は演技の経歴は無いにもかかわらず、当作品でアカデミー助演男優賞を受賞。彼の記憶と共に製作されたこの作品は、カンボジアで無念で亡くなった人々の物言わぬ声といえるでしょう。代弁者となった彼はその後も数奇な運命を辿ります。この後、映画に出演したり人権活動などに携わっていましたが、映画の公開から12年後、強盗により射殺され55歳の生涯を終えているのです。

[その後のポルポト]
1978年 4月から5月にはカンボジア軍がベトナムに侵入し、バチュク村の村民2,000名を虐殺。6月ベトナムも反撃開始。
1978年 ベトナムは避難してきたカンボジア人の中から人員を選びカンプチア救国民族統一戦線を結成。カンボジア国内に攻め込む。
1979年 ポル・ポト軍勢は敗走。ジャングルへ逃れた。ヘン・サムリン政権が成立。ポルポトはこの政権に対し武装闘争を続けた。
1981年 9月ポル・ポトとシアヌークと右派自由主義のソン・サンの3派による反ベトナム同盟が結ばれる。
1989年 ベトナム軍はカンボジアから撤退した。
1993年、国連監視下で自由化された総選挙により立憲君主制が採択→ポル・ポト派はこの選挙に参加せず連立政権に反発
1996年 ポルポト派の軍は堕落し規律も崩壊。数人の重要な指導者も離脱する。
1997年 ポル・ポトは政府との和解交渉を試みた腹心のソン・センとその一族を殺害した。
     →クメール・ルージュの軍司令官タ・モクにより「裏切り者」として逮捕され、終身禁固刑(自宅監禁)を宣告された。
1998年 4月にタ・モクは新政府軍の攻撃から逃れて密林地帯にポル・ポトを連れて行った。
1998年 4月15日にポル・ポトは心臓発作で死んだ。しかし遺体の爪が変色していたことから、毒殺もしくは服毒自殺の可能性もあると
      言われている。遺体は古タイヤと一緒に焼かれ埋められた。埋葬直後には墓は立てられなかったが、その後墓所が作られた。




★外部関連記事★

孤帆の遠影碧空に尽き  カンボジア特別法廷  裁かれるポル・ポト政権の狂気
*カンボジア、ポル・ポト派法廷 「暗黒の歴史」なおベール* ■「犠牲者に正義を」見守った遺族カンボジアのポル・ポト政権が1979年に崩壊してから33年もの歳月を経て、大量虐殺に対するひとつの判決がようやく確定した。カンボジア特別法廷の最高裁が3日、元トゥールスレン政治犯収容所長カン・ケ・イウ被告(69)に下した、最高刑である終身刑の判決に「粛清」を免れた生存者や犠牲者の遺族は沸いた。だが大虐殺という「暗黒の歴史」はなお、ベールに包まれている。

2013-08-24(Sat)

キリング・ミー・ソフトリー/恍惚の記憶

2002年 アメリカ
Killing Me Softly
この作品は以前観たことがあり、ストーリーと最後のシーンだけが記憶に残っていました。
改めて観てみたら、こんなに裸体シーンって多かったっけ?忘れてました。
前半は濃厚でした。この役柄のジョセフ・ファインズはセクシーです。そして熱く、妖しく
危険な男であると観ている側に印象付けます。ちょっとやりすぎな感じですが。
物語は官能ロマンスからサスペンスへ変化していき、最後は予想外な結末へ。

[あらすじ]
主人公のアリスは同棲中の彼と幸せで平穏な生活を送っていた。しかし、ある日街で、ふとしたきっかけで視線を合わせただけの男アダムの虜になってしまう。一瞬で恋に落ちた彼女の行動は理性も躊躇もなく、本能のままに激しく求めてしまいます。彼女は、同棲中の彼と別れ、あっという間にアダムと結婚。彼の真実を知らないままに。そして、やがて彼に対する様々な疑惑が浮上する。アダムは物を言わぬ男。だからなおさら、その疑惑はアリスにとって現実的なものになっていく。彼には真実を言えない理由がありました。こうして、罠に嵌ってしまうアリス。彼女はアダムが殺人者であると思い込み、彼から逃げ出すのです。

彼女の過ちは彼に真実を確かめなかったこと。信じることができなかった事。
信じずに逃げ出したところで「愛」は終わっていました。そもそも、愛だったのか?
やがて、真実は最悪の形で明かされる。



[あとがき]
サスペンスとしての出来はイマイチですが、官能ロマンスとしては結構好みです。恋愛にも様々な形があるけれど、この物語のように理屈なく本能が求めるというのも、よくある話。劇中では二人の恋は一気に燃え上がりますが、心を通わせられない関係は、すぐに終わりがくるということを物語っているよう。時を経て彼女は思います「官能の日々は鮮やかに蘇る」と。どんな形で恋が終わろうとも、脳裏に刻まれた甘美な記憶だけが、くすぶる残り火のように、一人歩きをします。そして、恋の傷が癒えると心の隅に、そっとしまいこむのです。

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2年後に二人が会う最後のシーン。勿論、言葉を交わさない。誰にでも起こり得そうな、こんなシチュエーションが好きです。


キリング・ミー・ソフトリー [DVD]
[監督]
チェン・カイコー
[出演]
アリス           ヘザー・グラハム
アダム          ジョセフ・ファインズ
デボラ(アダムの姉)  ナターシャ・マケルホーン
ダニエル(刑事)     イアン・ハート



★外部関連記事★

kzfilms2 キリング・ミー・ソフトリー
『さらば、わが愛/覇王別姫』で有名な中国の巨匠、チェン・カイコー監督が初のハリウッド作品に挑んだ官能サスペンス。過激なボンデージ・テイストを織り込んだ同名ベストセラー小説を基に、男女のアブノーマルな愛の行方を耽美的な映像美で描き出す。主演は『フロム・ヘル』などで注目を集めるヘザー・グラハムと、『恋におちたシェイクスピア』の演技派ジョセフ・ファインズ。キュートなルックスのグラハムが魅せる激しく大胆な演技は要チェックだ。

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